緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

化学療法の苦痛(2)

2007年12月10日 | 医療

この患者さんは
大変有名な外科医に手術をしてもらっていました。
ただ、その医師は教授で多忙であったため
外来の診察は、説明を殆ど受けることができず
若手の医師が代行するのですが
お伺いを立てることなくかってな説明はできないと
明確な答えをもらえず、ただ
「教授にドンとお任せしていればいいんですよ」
と言われたと話されました。

加えて化学療法中に大変な苦痛を味わったため
もはや、緩和ケアでよいと思われ
当院の緩和ケアを受診されたようでした。

その化学療法中の採血データを見せてもらいました。
何と、血清カルシウム値が15以上です。
相応の治療は試みていたようでしたが・・

「それは、化学療法の苦痛ではありません。
 高カルシウム血症による症状です。
 体力はおありですし、今の症状をとりはらってみて
 それから、緩和ケア一本でいくか考えましょう」
そう、説明しました。
カルシウム15で、
その方に使っていた化学療法薬を投与すると
大概の方は急性腎障害をきたします。
でも、腎臓は大丈夫でした。
ですから、絶対いける・・そう思ったのです。

症状緩和に併行して、当院の治療医を紹介し
化学療法を結果的に再導入することができました。

そして、さすがに化学療法の効果が認められなくなったころの出来事が
昨日の記事の緩和ケアへの再診依頼でした。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (T・K)
2007-12-11 13:06:17
今度 緩和ケアの教育課程を受験しよ~と している看護婦です。緩和ケアを検索していて ここにたどり着きました。最初から順番に読ませて戴いております。今後ともよろしくお願いします。
返信する
TKさん (aruga)
2007-12-11 21:52:05
こちらこそ、はじめまして。再褐でところどころ抜けているところがありますが、お許しの程を・・こちらこそ、よろしくお願いいたします。
返信する
ありがとうございます (T・K)
2007-12-12 05:31:40
お返事ありがとうございます。今日は準夜勤務で今 帰って来ました…と言っても勤務は1時15分まで…今週末に入試を控え 図書室で受験勉強でした(笑)

我が病院には精神科医は居ないのですが、緩和チームを立ちあげると言う事で受験する事になりました!勿論腫瘍医もいませんので、OPや外来の合間をぬっての化学療法、緩和医療です。ここ1年位いはオピオイドの使用は大部と増えて来ましたが、副作用のコントロールは無関心、レスキュードーズに関しても同様!疼痛の評価も曖昧な現状です(ノ_・。)

患者さんから上手く痛みの評価を引き出せなくて…困っています 教えて頂きたいのですが、先日オキシコドン10mg分2で 開始されましたが…1日10回前後の水様便!ポータブルトイレの中にオキシコドンがそのまま!オキシコドンは形状がそのまま排泄されても 、薬効はかわり無いと思っていますが…経口で服用したオキシコドンはど科?
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