江戸前ネギ巻き寿司

オタク一匹の日常を綴る。
※各種作品のネタバレを含みます。
※最近は多肉植物・サボテンの観察日記的な要素も。

250000HIT御礼。

2007年01月31日 18時09分55秒 | 落書き
 ども、昨晩は夢の中でダンジョンを徘徊していた江戸です。昔好きだった『ウィザードリィ』の影響なのか、たまにこういう夢をみたりします。しかし、落とし穴に転落したり、ジャイアントやヴァンパイアの集団に追いかけ回されたりすると言う体験は中々怖い物がありますね。まあ、目が覚めてみると「結構面白い体験だった」とも思えるのですがね(笑)。
 ちなみに、怪物に追いかけ回されるという夢は割とよく見るのですが、一番怖い相手は北海道という土地柄なのかヒグマですね。夢の中だとT-レックスが相手でも怯まない事がある私ですが、ヒグマだけは何故か駄目。熊牧場でだけど、実際に実物を見ている所為かな?



 さて、今日はこの話題。



 という事で、当ブログも先日250000HITを記録しました。これまでのご愛顧、本当にありがとう御座いますm(_ _)m。これからも頑張っていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 さて、「~HIT」の記念イラストはサービスカット風な物を描いていこうかなぁと思っているのですが、あまり直接的な表現を用いずに色っぽい絵を描くというのは中々難しいですねぇ(^^;)。まあ、ぼちぼち修練を積んでいきたいと思います。
 また、300000HITの時に描いてほしいキャラ等がいましたら、※欄で教えていただければ幸いです。

 じゃ、今日はここまで。

             
             ※なんとなく描いてみたけど、色が分からん。
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とある魔術のインデックス。

2007年01月28日 17時39分21秒 | ラノベ
 ども、今朝はプリキュアの最終回を観ながら泣いていた江戸です。ハッピーエンドで良かったよぉ……・゜・(つД`)・゜・。


 今日は『とある魔術の禁書目録』の1巻を読んだのでその感想。私はあまり小説を読み込むタイプではないので、ざっと読んで感じた印象を元にして書いています。なので、他の方とはとらえ方が違う部分もあろうかとは思いますが、その辺はご容赦を。

     
     とある魔術の禁書目録(鎌池和馬)

 まず、何処かのサイトでこの作品とネギま!の相似点を語られていたのを見かけた事がありますが、実際に読んでみると確かに設定の要素が被っている所がありますね。ざっと挙げてみると「魔法」、「無効化能力」、「学園都市」、「子ども(に見える)先生」、「服が分解されて脱げる」等々。
 まあ、これらは他の作品でもよく使われている要素ですから、ネギま!に影響を受けているというよりも、いろんな作品から影響を受けていると言った方がおそらく正しいように思います。仮にネギま!からの影響があったのだとしても、それをあまり感じさせないので、要素をうまく料理しているのではないでしょうか。
 つか、あるキャラが某エロゲーのキャラに物凄く似ているような気がしてならないのですが、確証がある訳じゃないので言及は避けましょう……(;´Д`)。

 文章の方は多少慣れが必要ですかね。例えばセリフと描写の文が改行によって区別がされていない部分があるので、そこは分けてくれた方が読みやすいと個人的には思いました。あと、セリフ中の句読点が邪魔だと感じる部分もいくつか。「……、」とか。そこに「、」はいらないと思うんだよなぁ。まあ、個性と言えば個性ですが、気になる人には気になるかも。
 でも、描写については「何を書いているのか分からない」という所はほとんど無いので、総合的には読みやすい文章だとは思います。

 次にストーリー等についてですが、多少強引に感じる部分がありますかね。特に主人公である上条当麻の行動とか。いくら正義感が強くても、出会ったばかりの少女に対して命を懸ける事に迷いがなさすぎる気がします。まあ、そういう性格だと言われればそれまでですけど、それならば「何故そういう性格になったのか」という背景が気になりますね。その辺は続巻で語られているのでしょうか?
 あと、当麻が科学知識に詳しすぎるのも気になる。よくそんなに薬品の名前とかポンポン出てくるなぁ。少なくとも私には無理。だから、その辺も不自然に感じてしまうんですよね。それとも、何処かに「学力が突出して良い」という描写がありましたっけ? 少なくとも英語は超苦手みたいですが……。
 でも、エピローグでの例のアレは「そんな強引な……」と思わせておいて完全に意表を突く仕掛けがなされていたので、その点は上手いと思いました。今までの強引な部分もこれの前振りなのかとさえ思いましたよ。

 あと、今回は冒頭で登場した御坂美琴の存在が活かし切れていないのがちょっと不満。しかし、そこが不満であるのと同時に「続巻でどう活躍するのか?」という期待にもなっています。どうやら彼女は『電撃大王』で連載される外伝の主役でもあるようですし、続刊共々読んでその活躍を確認したいと思います。
 ええ、なんだかんだ言いつつも続刊買いますよ。色々と作者の技量不足を感じる内容でしたが、それでもそれなりに面白かったし、これから面白くなりそうな要素も沢山ありましたし。『電撃大王』と『ガンガン』での漫画版の連載もかなり楽しみになってきました。

 ところで、インデックスのセリフが何故か折笠富美子の声で脳内再生される。そんなに頻繁に言っている訳ではないのだけど、セリフの語尾に「~かな」と付くのが、『ぱにぽにだっしゅ!』の姫子を連想させたのだろうか……。


 じゃ、今日はここまで。
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デビール!

2007年01月27日 15時10分27秒 | 漫画レビュー
 ども、昨晩は風邪気味だったので早めに就寝したら、結局2時間半しか眠れなかった江戸です。まあ、起床から10時間ちょっとしか経過していなかったので、当然そんなに眠気を感じていた訳でもなく。当たり前の結果ですかね。仕方がないので布団の中でラノベを読みながら朝を待ちましたとさ(いや、同人原稿でも描けよ)。


 さて、今日は昨日もちょっとだけ話題にした『デビルマン』について語ってみましょう。
 『デビルマン』はテレビのアニメ特番でもよく取り上げられているので、多少なりとも目にした事がある人は多いと思います。その内容を知らなくても、主題歌くらいは知っているのではないでしょうか。
 しかし、漫画版を読んだ事がある人は意外と少ないのではないかと思います。

     
 もう30年以上昔の作品ですからね。私も成人した後に初めて読みました。で、読んでみてかなり衝撃を受けた訳で……。なんというか、かなりハードな内容ですよね。特に悪魔狩りのシーンとか、人間の醜さを余すところ無く描いています。子どもの頃に読んでトラウマになったという人がいるのも納得。
 また、自分の作品で使おうとしていたネタと似通っている部分があった事にも驚きました。「30年も前に先を越されていたのか!」……と。いや、おそらく、この『デビルマン』に影響を受けた作家の作品を読んで、私自身も間接的に影響を受けていたのでしょうね。その影響力の凄まじさを思い知らされました。
 ともかく、色んな意味で衝撃的な内容だと思うので、漫画が好きな人は、いや、そうでない人にも一度は読んで貰いたい作品ですね(鬱展開への耐性がないとキツイかも知れませんが)。個人的にはラストシーンを是非見て貰いたい。それは絶望的ではありますが、同時に漫画史上屈指の美しいシーンでもあると個人的には思っています。あのいかにも「世界の終わり」という雰囲気はたまらない物がありました。


 また、『デビルマン』を読んだ人には、その続編とも言える『デビルマンレディー』もおすすめ。

     
 まあ、最終回の辺りはちょっと打ち切り感も漂っていますし、青年誌での連載だった為にエロ要素も多いですけど、『デビルマン』でもお馴染みのキャラクターが多数登場しているのでファンにはたまらない物があります。特に地獄の世界を旅するエピソードからは本格的にデビルマンやその旧敵も登場してきてかなり面白いです。出来れば同作者が漫画化したダンテの『神曲』を読んでおくと更に面白いですよ。
 ちなみに、コミックスでは何故か削除されていますが、連載ではサタンが乗っている竜は魔王ゼノンが変身した姿だと書かれていました。『デビルマン』の最終決戦で、ゼノンの姿が見えなかったのはその所為か……と、当時は納得した物です。
 

 じゃ、今日はここまで。
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ようやくネギま!?観た。

2007年01月24日 18時42分27秒 | ネギま!・ネギま!?・UQ
 ども、早起きして同人作業をしようとしたけど、やっぱり無理だった江戸です。どうしても睡魔からの誘惑に抵抗できない……orz。どうにかならないものかなぁ……。


 さて、今日は相棒が録画したネギま!?を譲り受けたので、それを観ていました。今更かもしれませんが少し感想を書いてみましょう。

 今のところ3話までしか観ていないのですが、ここまでの範囲に限っては及第点の内容でしょうね。話の展開もそれほど無理があるものではないですし、アクションシーンでもキャラがよく動いていますし。特に魔法の演出が前の物から比べれば、かなり凝ったものになっているのが嬉しい。あと、斉藤千和のアーニャが予想以上にはまっていて驚いた。思わず「ヒロイン、アーニャでよくね?」と思ってしまったのはここだけの秘密(笑)。

 ただ、いくつか不満や違和感を感じる部分があったのも事実。
 例えば、キャラが多数登場しているシーンでは、1話目の時点から微妙に作画が崩れているような……(それとも絵柄の所為か?)。あと、チャオ役の高本さんの声がラジオの時と違うっぽいとか、つり目気味のネギの顔にはどうしても慣れる事が出来ないとか……。
 それに、エヴァンジェリン編のストーリー展開も悪いとは言わないけど、藤真版のコミックの方と比べると、かなり落ちるかなぁ……と。
 ちなみに『ぱにぽにだっしゅ!』から引き継がれている黒板ネタは、特に気にすることなく普通に観ることが出来ました。

 ともかく、観てみた感じでは及第点ではあるのだけど、「これのDVDを買う?」と聞かれると、う~ん…迷いますな。かなり大規模な修正や、特典映像が加わっているのなら考えますが、そのまま収録されているならパスかも……(別にネオパクティオーカードはいらないし)。そう言いつつも、ついつい買ってしまう可能性もあるツンデレな私(笑)。


 あと、ちょろっとエヴァ様を描いてみたので貼っておく。



 ※微妙に修正して再うp。

 じゃ、今日はここまで。
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ネギま!キャラクター大辞典第29回

2007年01月21日 19時36分53秒 | ネギま!・ネギま!?・UQ
 毎度! 今朝はプリキュアの放送を観ながら燃えていた江戸です。ちょ、これなんてドラゴンボール?(笑) その何処かで見たようなアクションや、エネルギー弾の応酬は、やはりドラゴンボールを連想せずにはいられません。でも、それだけに熱い! まるでフリーザとの最終決戦でも観ているかのような気分になりましたよ。来週は最終回の筈ですが、なんだか寂しいなぁ。


 さて、今日はネギま!キャラクター大辞典第29回目です。今回はこの人。

     
     近 衛 近右衛門

 巨大学園都市「麻帆良学園」の学園長ですね。麻帆良学園について私の方で補足する事と言えば、学園は多数の魔法使いや特殊能力者を擁している事と、また118時間目(13巻)にて「軍事研の新型爆弾!?」というセリフから、学園内で兵器の開発が行われおり、ある程度の軍事力を保有している可能性が考えられる事です。
 この事から、学園は経済的、軍事的、諸々の面において下手な小国を上回る巨大な勢力だと言えるかもしれません。そして、その学園を治める学園長は、ある意味では国家元首的な存在だと言えるでしょう。

 また、学園長は関東魔法協会の理事をしており、「東の長」とも呼ばれていますが、魔法界での地位はその肩書き以上に高い物と推測されます。それは、学園が魔法界においてかなり重要な役割を担っていると思われるからです。
 まず、魔法使い達にとって重要な意味があると思われる「世界樹」と「魔法使いの遺跡」についての保護や研究等ですかね。

     
 具体的にどういう活動をしているのかよく分かりませんが、チャオの歴史改変事件で世界樹が重要な役割を担っていた事からも、この辺の管理はかなり大きな意義があるのではないでしょうか。

 そしてもう一つ、学園は魔法界に必要な人材の発掘と育成を行う役割があると思われます。おそらく各校(もしくは各学年)に1つは、魔法使いやその従者となれる才能を持つ人間が集められたクラスがあるはずです。ネギが受け持つ3-Aはまさにそうですよね。

     
 また、この高音の発言から察するに、わざわざ学園へ修行しに訪れている魔法関係者も多そうです(ネギもそうですし)。おそらく学園で頻発するトラブルを、人間社会に影響を与えないように魔法で処理する事が魔法使いの修行として有効だと考えられているのでしょう。
 このように貴重な人材の輩出と修行の場の提供に貢献している学園は、魔法界にとっても無くてはならない存在であるように思われます。そして、その学園を取り仕切る学園長は魔法界でも重鎮なのではないでしょうか。実際、16巻等における学園防衛作戦においても、必要な魔法具を本国から取り寄せる交渉を特に問題なく成功させるだけの発言力はあったようですし。

 そもそも、魔法界においては超有名人であるらしいタカミチよりも実力的には上だとされている事からも、魔法界における学園長の立ち位置は推して知るべしでしょう。おそらく「マギステル・マギ」の称号も持っているのではないでしょうかね。

     
 ただ、学園最強の魔法先生とはいっても、たぶん学園結界の影響下に無いエヴァンジェリンには負けるとは思いますけど。

 そういえば、学園長はエヴァンジェリンよりも年下だという事だけは分かっていますが、彼女が中世から生きている事が判明した今、彼も数百年生きている可能性が出てきました。実際の所、彼の風貌は仙人を連想させます。

     
 仙人は不老不死なので、もし学園長もそうなのだとしたら、当然普通の年齢ではないでしょう(名前もかなり古風ですし)。そして、我々が知っている彼の姿は幻術か何かで、実は若くて美形な本性が隠されている可能性もありますよね(笑)。少なくとも世間的にいつまでも若い姿のままだと不都合があるのは事実でしょう。そもそも彼の姿って、あまりにも典型的な仙人のイメージなので、なんだか嘘くさいのですよねぇ。特にあの長い頭は「ワザと作っていないか?」ってツッコミたくなる。
 それに、学園長が本当に数百歳ならば、彼が妻(木乃香の祖母)と結婚した時にはとっくに老齢ですから、老人の姿のままで若い娘との恋愛が成立する可能性は低いでしょう(無いとは言わないけど)。なので、数百歳だというのが前提ならば、若い姿の本体がある可能性はかなり高くなってくると思うのですが。

 また、上記したように、学園長は仙人であり、元々は仙術系を得意とする術者だったと推測されますが、おそらくは西洋魔法にも通じているでしょう。
 それは、8~10時間目(2巻)でゴーレムを操っていた事からも推測できます。

     
 まあ、石像を操るような術は東洋にもらあるのかもしれませんが、西洋的なイメージが強いのは事実です。
 なお、後にゴーレムがダメージを受けた所と同じ箇所に学園長はケガをしている事から、ゴーレムは彼自身が変身した物だという説もあるようです。

     
 しかし、これはゴーレムを操る為に精神を同調させすぎた結果だと私は思っています。よく暗示が強すぎると、それが身体にも影響を与えると言いますよね(実際には火に触れていないのに火傷の症状が出たり)。
 まあ、実際にはゴーレムと学園長の関係を読者に分かり易く伝える為の漫画的表現だというのが真実だと思いますが。

 それと、近衛詠春の回で、かつて学園長が関西呪術協会の長であった可能性にも触れていますが、彼が数百歳ならば協会の創始者だというオチも有り得そうですね。
 でも、仮に長だった事が事実だとしても、現在は関東を拠点とし、世界的な活動をしているように見受けられます。おそらく学園長は、西日本の限定された地域のばかりではなく、もっと広い世界に目を向けようとして麻帆良の地に出てきたのではないでしょうか。そしてその結果、呪術協会の人々には裏切り者のような扱いを受けてしまったのではないかと想像しています。

 いずれにしても、学園長がもっと活躍してくれないと実際の所はよく分かりませんね。取りあえず、正体が若くて美形というオチは是非実現して貰いたい(笑)。


 じゃ、今日はここまで。次回は「近衛木乃香」の予定です。
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エーラーゴーン!

2007年01月18日 22時49分25秒 | Weblog
 ただいま帰って参りました江戸です。長門さん、留守番ご苦労!(なんか痛い……)


 さて、今日は劇場で『エラゴン』を観てきました。とりあえず、私を含めて客が5人しかいなくて吹いた。公開からある程度の時間が経っているととはいえ、人気無いなぁ……。
 でも、そんなに悪い作品では無かったですよ。そりゃあ、多少のお約束&ご都合主義な展開はありますが、致命的に酷いというほどではありません。少なくとも『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の劇場版1作目から比べれば十倍マシな内容かと。
 それに、ドラゴンの優美な姿や、空から撮影された大自然の映像美等は一見の価値があると思います。また、終盤での空中戦もなかなか熱かった。とにかくスピード感があって戦闘に迫力がありました。まあ、総合的にはあの『ロード・オブ・ザ・リング』には届かないでしょうけど、部分的にはそれよりも高評価を与えてもいいかもしれません。
 あと、ドラゴンのサフィラの声が女性だったので軽く萌えてみたり(を)。これが日本の漫画作品とかだったら、美少女に変身したりするのだろうなぁ……とか思いながら観ていた私は日本の萌え文化に毒されすぎだと思う(笑)。
 ともかく、それなりに楽しめる作品でした。ファンタジーや怪獣が好きな人にならおすすめしたい一品です。



 あと、数年ぶりにクレーンゲームに挑戦して、こんな物をゲット。

     
 いや、なんだか確実に取れそうな位置にいたもので。しかし、クレーンにつままれてお株を奪われた形となったツマミの心情やいかに?(笑)


 じゃ、今日はここまで。
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おるすばん長門さん。

2007年01月18日 00時18分11秒 | 落書き
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火閻魔人。

2007年01月17日 18時45分13秒 | 漫画レビュー
 ども、昨晩は30分程度しか眠れなかった江戸です。なんだか、週に1回くらいはこういう日がありますな。まあ、毎日10時間以上眠っているので、無意識に眠りすぎている部分の辻褄を合わせようとした結果なのでしょうか。しかし、昼寝をしているのであまり意味が無いような気も……(^^;)。


 さて、今日は私に影響を与えた作品の話をしようと思います。
 私が好きなジャンルの中には「妖怪退治物」というのがあります。このジャンルで代表的な作品と言えば『うしおととら』が挙げられるでしょうか(元祖は鬼太郎か?)。まあ、『うしおととら』の話題はまた別の機会に譲るとして、今回は私がこのジャンルで最も影響を受けていると思われる奥瀬サキ(旧 奥瀬早紀)先生の話題。
 最近の奥瀬先生は、『低俗霊DAYDREAM』や『夜刀の神つかい』の原作の仕事が主で、あまり漫画家としては一般人に認識されていないかもしれません。そもそも漫画好きの人間の間でもかなりマイナーな方でしょうし、ぶっちゃけて言うと大衆受けするような作風でもないと思います。でも、私にとってはかなり好きな作家さんなのですよね。

 氏の代表作と言うと『低俗霊狩り』が挙げられるでしょう。かつて『ヤングアニマル』やその前身の前身である『月刊コミコミ』に連載されていた作品です(現在絶版しております。後に文庫版も出ましたが、おそらくそちらも既に絶版しているでしょう)。

     
 これは妖怪退治物というよりは、霊能者漫画と言った方が正しいでしょうね。主人公の「流香魔魅」が各所で起こる幽霊騒ぎをを解決するという内容です。で、これが結構解釈に困る部分もありまして、読んでも人によっては全く理解できないだろうと思える部分があるのですよね。これは奥瀬作品全般に言える事なのですが、これが氏の作品がマイナーの域を脱却できない一つの要因だと思います。
 それでも、時としてとんでもなく秀逸なシーンを描いたりする事もあるので、なかなか見捨てられないという不思議な魅力があるのも事実。

     
 特に2巻収録のエピソード『自動人形』での悪魔召還シーンの迫力は異常! ただ、このエピソードは完結していないのが最大の問題ではありますが……(;´Д`)。つか、奥瀬作品は大抵まともに完結しません。これがまたマイナー作家である要因の一つでしょう。
 それでも、かつて雑誌の煽り文か何かで「鬼才」と呼ばれていたのも頷ける物が随所に見られます。特に注目すべきは、その画力の進歩具合。


 1巻   →   3巻
 約6年の間があるとはいえ、同じキャラには……いや、最早同じ人間の絵とさえ思えません。なんだか、当時は人間の潜在能力の奥深さを見せつけられたような気がして結構衝撃的でしたし、絵を描く人間としてはかなり勇気づけられました。これが奥瀬ファンをやっている最大の理由かもしれません。

 さて、奥瀬作品で私が最も好きなのは……

     
     火閻魔人
 これと、その続編とも言える、

     
     支配者の黄昏
 ですね。こちらは『低俗霊狩り』とは違って完全な妖怪(鬼)退治物。これは、夢枕獏先生の流れを組むハードな内容です(作者も夢枕獏の影響はあると明言してますし)。なんというか、その容赦の無い内容が素敵(「そこでそのキャラ殺すか!?」みたいな)。
 そして、私が「鬼」という存在を好きになった切っ掛けでもありますね(まあ、楠桂の『鬼切丸』の影響も大きいけど)。この作品での鬼は、西洋における悪魔のように「絶対悪」であり、人間の天敵として描かれているので、敵キャラとしてはかなり魅力的な存在です。
 また、そんな鬼を上回る非道さを持ち合わせている主人公、炎を自在に操る魔人「桃源津那美」のダークな魅力が最高。その最強かつ最恐っぷりがたまりません。私が白髪・銀髪キャラを好むようになった切っ掛けは、間違いなくこのキャラの影響です。

 まあともかく、奥瀬作品は現在連載中の物以外だと古本屋でも入手が難しいかもしれませんが、よろしければ一度手にとってみて下さい。いや、面白さは保証しかねますけどね(^^;)。それでも、人によっては心引かれる部分があるはずです。


 じゃ、今日はここまで。明日はちょっと出掛けてきま~す。
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電プレの話。

2007年01月16日 18時11分35秒 | ゲーム
 ども、変化に乏しい生活を送っている江戸です。だから、この挨拶も何を書いたらいいのか困る時がありますね。よく雑誌等の作者コメント欄で、「ここに何を書くのか考えるのに一番時間がかかる」というようなコメントがありますが、その気持ちはよく分かる(^^;)。


 さて、今日は昨日買って来た『電撃PlayStation』の話。ここ半年近くの間、全くゲームをプレイしていない人間が何故ゲーム雑誌を買っているのかといいますと、付録の4コマ誌を読む為です。ぶっちゃけ、これが付録に付いている時しか買っておりません。

 なので、本誌の方は流し読み程度なのですが、今回はちょっと気になる記事が……。

     
 『くじびきアンバランス』のゲームに荻上さん参戦!
 むう、それはちょっと、このゲームが欲しくなってきたぞ……。これで、大野さんの副会長コスや、咲ちゃんの会長コスもあったら確実に購入決定なのですが! あと、斑目もいると面白そうだなぁ。勇者王のごとく雄叫びを上げて戦う斑目燃え!(≧∇≦) ……でも、今月発売のゲームで、まだ情報が出ていないという事は可能性は低いかな……(´・ω・`)。
 つか、このゲームの前に「買う」と宣言していた『うたわれるもの』を買わないとなぁ……。値下げするのを待っているのだけど、なかなか下がらない……。

 あと、『FINAL FANTASY XⅢ』の記事も載っていました。ああ、数日前に各所のサイトにに貼られていたのはこれか……。そこでも大不評でしたよね。
 う~ん、かつては熱狂的なFFファンだった私ですが、私の好きだったFFはもう原形とどめていない……orz。まだ『タクティクス』の方ならいいのですが、本流の方はなんだかもう駄目だ。誰もリアルなCGムービーやSFチックな世界観なんて求めちゃいないんだよぉ。もっとコテコテのファンタジーの世界観が欲しいんだよぉ……つдT)。
 というか、音楽の植松さんがメインから抜けた時点で、私にとってFFの魅力は激減したのですけどね……。植松さんは、私が絵描き以外で尊敬している数少ない存在ですから。あと、FF関係者でもう一人尊敬している天野さんが深く関わらなくなったのも痛い。なんだか、最近のFFに出てくるモンスターには全然魅力を感じなくて……。やっぱり、天野さんがデザインしていた頃が一番良かったなぁ……。
 頼むから原点回帰してくれ……('A`)。


 あと、付録についていた4コマ本ですが、やっぱり一番の楽しみは『家族ゲーム』。今回特に気になったネタは……

      
 小学生相手に、どんな想像を巡らせたのか激しく気になるのですが!(笑)
 ちょっと詳細にレポートを書いて提出して貰いたい。もしくは、誰か悟の想像の内容を推測して、それを題材にして同人誌を作ってください! (自分で作れよ……)
 ともかく、悟のロリ属性がどんどん強化されてきている気がするので、今後の葵との関係が気になって仕方がありません。果たして葵が成長しても、悟は彼女の事を好きでいられるのか!?(笑)


 じゃ、今日はここまで。
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ネギま!キャラクター大辞典第28回

2007年01月14日 18時34分14秒 | ネギま!・ネギま!?・UQ
 毎度! やっぱり朝に起きられない江戸です。朝に放送しているアニメも無理して観るほどの内容ではなさそうだったのでスルー。まあ、プリキュアだけは最終回が近いみたいなので観ておきたかった気もしますが、睡魔には勝てなかった……orz。


 さて、今日はネギま!キャラクター大辞典の第28回目です。今回はこの人。

      
      近 衛 詠 春

 え~、私が初見で某アニメの誰かさんかと思った人です(笑)。上の絵を観たときは、まるでそのアニメのコミック版を読んでいるかのような錯覚をしたものです。
 それはさておき、詠春はネギま!の物語の全容を理解する上では、欠けてはならない情報を色々と握っているのではないかと思われる存在です。しかし、その肝心な情報が彼から語られる事がほとんどない為、似たような位置づけにあるアルビレオ・イマから比べるとイマイチ重要度が低い印象がありますね。なんというか、肝心なところでは役に立たないというか……(フェイトにも負けてますし)。
 それでも、いくつか明らかになっている情報があるので、そこから色々と話を広げてみましょう。

 まず、詠春の過去から。彼は元(まだ現役?)神鳴流剣士であり、ナギのパーティ「紅き翼」のメンバーだったようです。

     
 なので、ナギやその仲間の情報を色々と持っている筈です。しかし肝心のナギが姿を消した事件の際には、関西呪術協会の総本山を継ぐ為にパーティを抜けており、その真相を知らないようです。もちろんタカミチからある程度の話は聞いているでしょうが、彼が全てを語ったのか、そもそも真実を語ったのかは、タカミチ本人にしか分かりません。
 ただ、明日菜の素性については、かつて行動をともにしていた事もあるので、かなり正確な情報を持っていると思われます。しかし、それを本人に伝えるかどうかはタカミチに一任しているようです。

 それと、詠春の昔の姿を見てみると……

     
 時の流れの無情さを感じます。……ではなく、それよりも注目すべきは、首からさげているペンダントです。これと同様のタイプの物をナギも身につけていますよね。

     
 これが単なる友情の証なのか、それとも他に意味があるのか気になるところです。まあ、ナギが身につけている物は、詠春がパーティを抜ける際に彼へ送った物だと考えるのが打倒なのでしょうか。いずれにしても、詠春とナギの間には、強い絆があった事は想像に難くありません。それだけに、ナギの息子(ネギ)や妻の素性に関しても、それなりに把握していそうなのですが、今のところ全く語ろうとする様子がありません。少しは何か喋って貰いたいものです。

 また、エヴァンジェリンとも旧知の仲であるように見えます。

     
 もちろん、エヴァンジェリンがナギにつきまとっていたので、彼の仲間にも面識があるのは当然ですが、この会話からは単なる顔見知り以上の物を感じます。もしかしたら非公式にではありますが、エヴァンジェリンが「紅き翼」に所属していたも同然の時期があるのかもしれません。少なくとも何らかの仲間意識があるように見えます。おそらく、エヴァンジェリンは気まぐれでナギの仕事を手伝っていたのでしょう。

 さて、詠春の実力ですが、神鳴流剣士という肩書きだけでも、彼が相当な実力者である事が推測できます。他の神鳴流剣士も例外無く超人ですから。しかし、世界的な英雄として名高い詠春でも、神鳴流の歴史上1、2を争う実力の持ち主だと言われる青山鶴子(ラブひな参照)より上なのかは謎。まあ、もしかしたら、詠春が1、2を争っているもう一人なのかもしれないけれど……。
 ただ、フェイトに不覚をとっているあたり、かなり能力の衰退があるように見えます。その理由は年齢もあるでしょうし、長い間、実戦から離れていた為に感が鈍っているのもあるでしょう。
 しかし、若い頃はかなりの数の激戦をくぐり抜けてきた事は、その身体に刻まれた疵痕からも推測できます。

     
 でも、アルビレオが回復系の魔法を得意としている事から、この疵痕はアルビレオと出会う前に負った物だという可能性は高そうです。アルビレオなら跡形もなく傷を治してしまいそうですしね。

 また、関西呪術協会の長としての実力ですが、あまり人心掌握術には長けていないのか、一部の勢力の身勝手を抑え切れていない現状にあるようです。やはり戦闘には強くても、策謀渦巻く権力闘争の場では実力を発揮しきれないという事でしょうか。その老け込み具合からも彼の苦労が推し量れます。しかし、最終手段としての「武力行使」を効果的に行える実力があるので、なんとか長としてやっていけているという感じなのでしょうね。

 最後に詠春が長をしている関西呪術協会と近衛家の関係について考えてみましょう。
 呪術協会の総本山は、近衛家の本家でもあるようです。これは首相官邸のように、長となった人間に貸し与えられ、長を辞めるのと同時に立ち退かなければならないのか、それとも代々近衛家の人間だけが長となり本山を治めてきたのかは定かではありません。ただ、後者の説が正しいのだとするのならば、詠春が婿入りした理由も納得がいきます。
 しかし、後者の説だと麻帆良学園の学園長もかつて関西呪術協会の長だった可能性も出てくるのですよね。だけど学園長はかなり前から関東でその地位を確立しているようですし、おそらく関西を抜けたのは数十年以上昔でしょう。そうなると、詠春が継ぐまで誰が長をやっていたのかという謎が出てきます。何十年も長の座が空位だったのか、それとも近衛家の親族の誰かが継いでいたのか……色々と気になる所ではあります。
 そして現在、木乃香が長の後継者として育てられていないという事は、他にも後継者のあてはあるのでしょうか。しかし、わざわざ詠春が婿入りしている事を鑑みると、当時の近衛家には他に長となる人材がいなかったという事で……その状況は現在も変わっていない可能性が高いように思えます。となると、将来的には木乃香の婿養子を長にするつもりなのか、それとも、やはり「近衛家」の肩書きは長となる為の必須条件ではないのか……。むう、よく分かりませんな。
 ともかく、近衛家に関してはまだまだ謎が多いので、可能なら次回以降でもう少し掘り下げて検証してみましょう(あくまでも可能ならね)。


 それでは今日はここまで。次回は「近衛近右衛門」の予定です。
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今そこにある失われた日々-後編。

2007年01月12日 02時58分36秒 | ネギま!・ネギま!?・UQ
 ども、まだ夜型の生活が続いている江戸です。そんな訳でこんな深夜に更新です。

 さて、今日は先日前編を公開したネギま!の小説『今そこにある失われた日々』の後編です。しかし、字数制限に引っかかったので、一部の文章を削ったヴァージョンとなってます。スイマセンm(_ _)m。まあ、完全版を読めるのは同人誌を持っている人だけの特権と言うことで……。
 では、前編より長いですが、楽しんでいただければ幸いです。





「……う」
 エヴァは頭痛に顔をしかめながらベッドから上半身を起こした。
「良かった。目が覚めたのね、エヴァちゃん」
「マスター……」
 エヴァが目覚めた事に明日菜と茶々丸は飛びあがらんばかりに喜んだ。このまま何日も目覚めない可能性も少なからずあったので、二人は正直気が気ではなかった。
 しかし、エヴァの次なる一言が、二人の喜びを一気に凍り付かせた。
「……お姉ちゃん達、誰?」
 明日菜の顔が面白いほど呆けたものとなる。茶々丸ですらその口元が引きつった。
「ここ……何処?」
 不安げに周囲を見渡すエヴァの顔には、いつもの不敵な雰囲気は欠片も見あたらなかった。むしろ気弱で儚げな十歳の少女そのもののように見える。
「えっ、何? コレ新手の嫌がらせ? やめてよ冗談は」
 明らかにいつもと雰囲気が違うエヴァの様子に明日菜は戸惑うが、この時はまだ冗談か何かだと彼女は思っていた。しかし――、
「パパとママは何処……?」
 エヴァの瞳は涙に潤んでいき、ついにはそれがポロポロとこぼれ落ちる。
(あのエヴァちゃんが泣いているーっ!?)
 さすがに明日菜も「これはマジだ……」と認めざるを得なかった。あのエヴァが例え演技だとしても人前で泣く事はまず有り得ないからだ。
「こっ、これ、どういう事、茶々丸さんっ!?」
「……どうやら頭を打った時の衝撃によって、記憶を司る脳の器官 『海馬』 にダメージを受けたようですね。これは俗に言う記憶喪失症というものでしょう……」
「記憶喪失……」
 明日菜の顔がにわかに青くなった。彼女も当然の如くその名を聞いた事はある。漫画等でも、長期連載作品ならば一度はネタにすると言われるほど有名かつありふれた症状だ。しかし、一般人がその症状を直接目にする事は非常に希な事であり、それ故にどう対処したらいいのかまったく分からない。
「マスターの言動から推察するに、これまでに得た殆どの記憶を忘却して、幼児期に退行しているようです」
「き……記憶喪失なんて大事じゃないの! どうすればいいの?」
「マスターには再生能力があるので、遅くても数日中にはダメージを受けた器官と共に記憶も回復するはずです。特に問題はないでしょう」
「……そ、そうなの?」
 どうやらエヴァの記憶はすぐに回復するようだ。しかし、記憶を失った所為で幼児期に退行してしまった彼女は、いきなり身に覚えのない環境に置かれた不安からか、先ほどから延々と泣き続けている。このまま放っておける様な雰囲気ではなかった。
「あ、あのね、エヴァちゃんのパパとママは用事があってしばらく帰ってこれないの。そのかわり、エヴァちゃんが寂しくない様に遊んでやってくれ……ってパパとママに私達が頼まれているんだ。たくさん遊んであげるからもう泣きやんで、ね?」
「……」
 今のエヴァにしてみれば、明日菜達は見ず知らずの年上のお姉さん達で、しかも異人なものだから、かなり警戒心を持っているだろう。しかしそれでも、彼女はやや不承不承という感じながらもコクリと頷いた。
「うっ……可愛いわね」
 普段のエヴァならば絶対に有り得ない素直な態度に、明日菜は思わず感動した。元賞金首で凶悪な人相をしているエヴァだが、今は幼児退行した為に邪気が抜けて、いつもの数倍、いや十数倍は可愛く見える。
 最近はネギの面倒を見ている所為でそうでもなくなって来たが、元来子供嫌いである明日菜でさえも、今のエヴァは思わず頭をグリグリとなで回したり、ギュッと抱きしめたりしたくなる様な愛らしさだ。
「しかし、いいのですか? 明日菜さんにも予定があるのでは?」
「んー、でもエヴァちゃんがこうなったのは私の所為だし。最後まで責任取るよ」
 茶々丸の問いに明日菜は苦笑して答える。今日と明日は土日で学校が休みだからまだいい。だが、休みが明けて記憶を失ったままのエヴァを学校に連れて行く事は、色々と不都合があるのは目に見えていた。出来ればそんな面倒は避けたかったが、登校地獄の呪いの影響で学校を休む訳にはいかない。
 だから今日と明日、エヴァの面倒を見る事によって、少しでも早く彼女の記憶が回復すればいいと明日菜は思っていた。
「とにかくエヴァちゃんのやりたい事に付き合ってあげるわよ。あ……それより頭痛くない? あなた頭を打ってケガしていたのよ? 大丈夫、エヴァちゃん?」
 そんな明日菜の問いに、エヴァは少し恥ずかしそうに、
「……キティ」
 そうぽそりと答えた。
「ハイ?」
「……パパとママは私の事、キティって呼ぶから……エヴァって呼ばれるの変な感じがする……」
「キティ?」
「マスターの名前のA・Kは、アタナシア・キティの略です。明日菜さん」
「うっそ!? 初耳よそれ!」
 初めて知らされたエヴァのフルネームに明日菜は激しい違和感をおぼえた。なんとなくエヴァのイメージには似合わない、可愛らしい響きだったからだ。まあ、だからこそエヴァも今まで誰にも明かさなかったのかも知れないが。
(ん~、でも今のエヴァちゃんになら似合っていると言えば似合っているかな?)
「分かったわ。あ、私は神楽坂明日菜。アスナでいいわ。それと、こちらは茶々丸さんよ。よろしくね、キティちゃん。で、頭は痛くないの?」
「うん。少し痛いけど大丈夫だよ、アスナお姉ちゃん」
(うっ……)
 笑顔で応じるエヴァ。その普段の彼女からは有り得ない表情に、明日菜は一瞬身震いしそうになったが、まるで天使の様な愛らしいその笑顔に呑まれてしまった。
 次の瞬間、思わずエヴァの頭を撫でている自分を発見して、明日菜は困惑が混じった複雑な笑顔を浮かべた。
(……私って、子供嫌いの筈だったんだけどなぁ~)



 それから、明日菜と茶々丸とエヴァ、この三名にとって新鮮な時間が始まった。
 記憶を失ったエヴァにしてみれば、長年住み慣れたはずの家の中も初めて見る物ばかりだった。沢山ある人形達を見て目を輝かせたり、人形達の中に混じっていたチャチャゼロが突然話しかけてきた事に酷く脅えたりと、いつものエヴァならば絶対に有り得ない反応のオンパレードである。そしてそれは見ている明日菜と茶々丸にとっても新鮮な事この上ない光景だった。
 しかしその一方で、やはり彼女はあのエヴァなのだという事を再確認出来る部分もある。例えば彼女は日本茶を好んだ。記憶を失った彼女にしてみれば初めての味である筈なのだが、茶々丸に出された日本茶を彼女は美味しそうに飲んだ。おそらくこれは、エヴァが茶道部に所属している事が影響しているのだろうと思われた。エヴァにとって、日本茶の味はかなり古くから慣れ親しんだものであり、だからこそ、舌がその味をしっかりと覚えていたのだろう。
 それならばと、次に明日菜と茶々丸はエヴァに囲碁を勧めてみた。これもエヴァが囲碁部に所属しているからで、囲碁を打つ事によって何かを思い出せるのではないかと考えての事だ。そして実際の所、記憶を失っているはずのエヴァは、囲碁のルールを飲み込むのが異様に早かった。
 囲碁は他の類似したゲームである将棋やオセロ、チェス等と比べると高度……といえば少々語弊があるかも知れないが、これらのゲームの中でも初心者にとって、最も取っつきにくいの物である事は間違いないだろう。
 まず多くの初心者がそのルールを誤解している事が多い。ありがちなのは「相手の碁石を多く取った方が勝ち」というものだ。確かに碁石の数によって多少の有利、不利はあるだろう。
 しかし、囲碁で本当に重要なのは「碁石によって囲った陣地の広さ」である。この陣地の広さが勝敗を分けるのだが、その確保が難しい。ただ碁石で陣地を囲めば良いのではなく、その中に敵が侵入して来られない様に囲まなければ、陣地を敵に奪われてしまう事になりかねず、陣地として成立しない。
 しかし、素人にしてみれば陣地を囲むという作業ですら困難な事であり、ましてや敵との陣取り合戦の攻防を繰り広げる事などまず不可能だ。ハッキリ言って多少ルールを知っている程度では勝つどころか、まともな勝負として成立させる事すら難しい。
 だが、記憶を失っている筈のエヴァは、茶々丸に基本的なルールを教えて貰っただけでかなりの部分を理解したようであった。一緒に教えて貰っていた明日菜が全くルールを飲み込めていない事から見ても、異常とも言える理解の早さだ。やはり幾度と無く打ってきた棋譜が、彼女の身体に染み込んでいるのだろう。無論、頭の出来の差が大きい事も間違いないけれど。
 ともかく、囲碁に対しての知識量では、ほぼ互角であるはずのエヴァと明日菜であったが、実力のほどは歴然としていた。
「もぉ~、アスナお姉ちゃん弱いよぉ~」
「つーか、全然ルールが理解出来ないのよ。強さ云々以前の問題だわ……」
「あ……明日菜さん。アタリです」
「えっ、アタリって何!?」
「その場所にマスターの石を打たれると、明日菜さんの石が取られます。五つ程一気に……。マスターは既に気づいているはずですので、進言致しました」
「うん、気づいてるよー。次で石取っちゃうよー」
「ど、どうすればいいの!?」
「……もう既にどうしようもない状況になっているようです。そこは諦めて、他の所に石を打った方が得策かと……。どの道、明日菜さんの負けはもう確定でしょうが」
「駄目じゃんっ!?」
「じゃあ、明日菜お姉ちゃんの投了って事でいーよねー?」
 こんな具合に、明日菜は茶々丸の助言を受けても、まったくエヴァには歯が立たないのだ。おかげで慣れない事に頭を使った明日菜は、知恵熱を出しそうだった。
 しかし、エヴァが随分と楽しそうなので、それを見て明日菜は「ま、いいか」とも思う。正直、こんなに楽しそうなエヴァの顔を明日菜は見た事がない。もう同じクラスに通うのも三年目のクラスメートなのに一度もだ。
(エヴァちゃんってば、私達といてやっぱり楽しくなかったのかな? いい歳しているから、素直にみんなの中に溶け込んで楽しむ事が出来なかったのかな……?)
 今は記憶を失った所為で色々なしがらみから解放されているのか、無邪気に笑っているエヴァだが、記憶が元に戻ったら彼女はまた自分達との間に壁を作ってしまうのだろうか――そう思うと明日菜は微かすかな寂しさを覚えた。


 陽は既に沈み、夜の闇も深まりつつある。明日菜は結局、エヴァの家に泊まり込んで彼女の世話をする事にした。
「そう……。じゃあ、留守をお願いね」
 明日菜は携帯電話の電源を切って、ホッと溜息をつく。
 通話相手の木乃香の話では、ネギは修行の疲れからかまだ眠っているらしい。まあ、それはそれで好都合だった。もしエヴァの身に起こっている事を彼が知れば、すぐさま見舞いに駆けつけて来るだろう。
 だが、明日菜は修行で疲れている筈のネギにその様な労力を使わせたくは無かったし、そもそも今回の騒ぎの顛末を彼に知られるのはなんだか体裁が悪くて嫌だった。
 だから明日菜は、ネギへの詳しい説明を明日へと先送りした。それ迄にエヴァが回復してくれればネギに無用な心配をかけずに済むし、あわよくば色々と有耶無耶にしてやり過ごす事も出来るかも知れないと考えたのだ。
 しかし、明日の事よりも、まずは今日を無事に乗り切らなければならない。明日菜はグッタリとして壁により掛かった。
(子供の相手って本当に大変よねー……)
 明日菜はその事を大いに実感として噛みしめていた。彼女がいつも一緒にいるネギは、たまに大きなボケをやらかす事はあっても、基本的には大人しくて我が儘も言わず、何よりも真面目な性格なので、非常に手のかからない楽な子供である。まあ、中学校の教員をしているのだからそれが当たり前ではあるが。
 一方、記憶を失っている今のエヴァは、まったく只の子供と化している。基本的には頭が良い子ではあるのだが、集中力に乏しくて落ち着きがない。また、物事の好き嫌いも激しく我が儘でもある。とにかく、普通の児童程度には制御が困難で手がかかった。
 そんな子供の相手をほぼ半日も続けてきたのである。公園に遊びに行ったり、図書館に絵本を借りに行ったり、テレビゲームに興じたり……等々と、イベントが目白押しだった。さすがに遊んでばかりいたとはいえ、疲れない訳が無い。
 いくら体力には自身のある明日菜でも、そろそろ精神的には限界であった。それでも、本日の活動ノルマも残り僅かに一つという所まで来ていた。あとはエヴァを寝かしつけるだけである。
 時計の針はもうすぐ九時をまわろうとしていた。今時の子供にとってはまだまだ宵の口だが、一昔前はこのくらいの時間帯に子供を寝かしつけるのは普通だった。ましてや、エヴァがリアルに子供だった時代では、照明設備が発達していない所為で日暮れとともに就寝し、夜明けとともに起床するという生活が当たり前だったはずだ。だからなのか、エヴァは既に眠気を訴えてきていた。
 まあ、就寝が早いのは明日菜にとっても有難い事ではあった。彼女も明日の早朝には新聞配達のアルバイトがあるからだ。
「お姉ちゃ~ん。パジャマに着替えたよ~」
 エヴァがトテトテと明日菜に駆け寄って来る。これから彼女が寝付くまで、童話を読んであげる約束なのだ。
「じゃあ、ベッドに入ってね、キティ。今、本を読んで上げるから」
「ハ~イ」
(あ~可愛いなぁ……)
 明日菜は素直に応じるエヴァの姿にいちいち感動しつつ、朗読の準備に取り掛かった。本当は本を読むのは苦手なのだが、エヴァが本当に楽しみにしている様なので、「まあ、頑張ってみようかな」、とも思う。もっとも、
(とりあえず、私が先に眠らない様に気を付けよう……)
 そんな懸念事項もあったりするのだが。明日菜は本を読むと本気で眠たくなる質なので、かなりの苦戦は必至であった。
「昔々あるところに……」
 明日菜はベッドの脇の椅子に腰をかけて朗読を開始した。その読み方はいまいち抑揚が無く、滑舌も良いとも言い難いが、それでもエヴァは静かにそれを聞いていた。それだけ話に食いついてきている証拠だろうと思うと、明日菜も不思議と頑張れた。


 茶々丸は二階へと毛布を運ぶ為に階段を登っていく。明日菜がエヴァを寝かしつける事に手間取る様ならば、彼女にかけてあげようと思ったのだ。
 しかし、茶々丸が階段を登り切る寸前に、
「……ふ~、やっと寝たわ……」
 そんな明日菜の声が聞こえてきた。茶々丸が顔だけをだして二階の様子を覗いてみると、明日菜はクテっとベッドに頭を預けいた。エヴァが寝付くまでにそれほど長時間かかった訳ではないが、それでもやはり慣れない事をして疲れたのだろう。そんな明日菜に反して、エヴァは安らかな寝顔で眠っている。寝顔だけ見ると天使の様だった。
(ホント……これがあのエヴァちゃんだなんて信じられないな……。この子にもこんな時代があったんだ……。
 でも、考えてみたら、こんな小さいのに吸血鬼化しちゃったんだよね。きっと、周りの人から怖がられたりして……随分と寂しい想いをして来たんだろうなぁ……)
 そう思うと、明日菜は何だか胸が締め付けられる様な感覚を感じた。それは彼女の想像にしか過ぎないが、当たらずも遠からずだろう。だとするのならば、エヴァの心の一部は彼女にも理解し共感する事が出来る気がした。
「ねぇ……。私、キティのお父さんとお母さんの代わり、ちゃんと出来ていたかな? 私にも親がいないから……どうやればいいかなんてよく分からなかったけど……。少しでもキティの寂しさを紛らわせる事が出来ていたのなら……嬉しいなぁ」
 明日菜はエヴァの寝顔にしみじみとそう囁いた。
(……明日菜さん)
 茶々丸はなんとなく明日菜の独り言を聞かなかった事にして、静かに階段を下りていく。普段はあまり表情が無い彼女の口元には、この時は確かに小さな微笑みが浮かんでいた。


「……う」
 エヴァは頭痛に顔をしかめながらベッドから上半身を起こした。
 カーテンの隙間から光が射し込んで来ており、外から小鳥の囀りが聞こえてくる。どうやら早朝の様であった。
(……なんか前にも似た様な事があったな……)
 エヴァの視線の先では、ベッドにもたれかかる様にして明日菜が眠っていた。茶々丸が後からかけたのか、肩から毛布を羽織っている。それが温かいのか、彼女は気持ちよさそうに寝息を立てていた。それを見て、エヴァは困惑の表情を浮かべた。
 エヴァには何故こういう状況になっているのかが不可解だった。確か明日菜が家に怒鳴り込んできた時の事まではハッキリと憶えている。しかし、その後の記憶がどうにも朧気だった。
 状況的に見て、その後乱闘騒ぎとなり、何かの拍子で意識を失った自分を明日菜が看病をしてくれたのではないか……という事までは推測出来る。だが、それはエヴァにとって、なんとなく面白くない状況だった。魔法界の裏社会で「闇の福音」と呼ばれ恐れられていた彼女にとっては、あまりにも情けない話だ。
「……オイ、起きろ、神楽坂明日菜!」
 エヴァはムスッとしたしかめっ面をしながら、明日菜の頭を軽く小突いた。
「ん……あ いけない、あのまま寝ちゃったんだ!?」
 明日菜は、ガバリと跳ね起きた。そして、エヴァの姿を目にとめて、
「あ……もう起きてたの、キティ?」
 と、優しげに微笑む。
「っな……!?」
 長い間誰からも呼ばれた事のないその名を、いきなり呼ばれたエヴァの顔は瞬時に赤く染まった。しかし、まだ寝惚けているのか、そんなエヴァの様子を明日菜はさほど気にせず、
「頭の傷どう? あ……もう消えているわね。これで大丈夫かしら? 良かったね、キティ」
 と、エヴァの頭をクリクリとなで回している。
「な、なっ、な……」
「……ん?」
 ここに至って、明日菜はようやく小刻みに震えているエヴァの異変に気付いた。しかし、時既に遅し。
「何を馴れ馴れしくしておるのだ、貴様は~っっ!?」
「きゃあああ~っ!? 元に戻ってる~っ!?」
 突然暴発したエヴァの怒りに明日菜は度肝を抜かれた。が、エヴァの暴発も取り敢えずはそこで終わりだ。彼女も状況がつかめていないので、怒りよりも困惑の方が大きいらしい。

     

「ハアハア……。元に戻っただと? どういう意味だ?」
「あ、あのね、エヴァちゃん頭打って記憶無くしていたのよ。だから子供時代に戻っちゃって……その……」
(……そ、それで……キティか……)
 しどろもどろな明日菜の説明を聞きながらエヴァは頭を抱えたくなった。自分でも十歳より前の事は実のところよく憶えていないのだが、なんだか一番見られてはならない自身の恥部を、一番見られてはならない者に見られてしまったような様な気分だった。
(こ……こいつ……口封じに消すか?)
 一瞬そんな凶暴な考えも頭に浮かんだが、それ以上に今は恥ずかしさで悶絶しそうなのでそれどころではない。
 結局、エヴァが出来た事は、その場凌ぎに悪態を付く事だけだった。
「ふ、ふん! それで私の看病の為に一晩中付き添っていたというのか。まったく、あのぼーや同様に貴様は甘すぎる。反吐が出るわ」
「な、なによぉ、そんな言い方無いでしょう!?」
 エヴァの物言いに明日菜がにわかに気色けしきばむ。だが、
「大体、さっきの馴れ馴れしい態度はなんだ!? 保護者面しおって! ぼーやだけでは飽きたらず、私の母親にでもなったつもりか、貴様は!?」
「あ……」
 明日菜は急に大人しくなった。それが不思議でエヴァは怪訝な表情を浮かべる。それに反して、明日菜の表情はなんとなく嬉しそうだ。
「……お母さんみたいだ……って思ってくれたんだ」
「ぬ……? この前は確か……これで怒ったような気がしたが……?」
「だって、アレは貶し言葉でしょ? でも、今のは褒め言葉。違う?」
「ぬ……」
 明日菜にそう指摘されて、エヴァは急になにも言えなくなった。何故かそう言われてみればそんな気がしないでもなかったからだ。
「……って、ああっ もう新聞配達にいかなくちゃっ! 私はもうこの辺で失礼させてもらうわ。茶々丸さ~んっ、エヴァちゃん元に戻ったからもう帰るねーっ」
 新聞配達の事を思いだして、明日菜はバタバタと階下へ降りていく。
「ちっ、騒々しい奴だ」
 エヴァはそう毒づきつつも、どことなく名残惜しそうな表情で明日菜の後を追った。
「じゃあ、また明日学校でね。エヴァちゃん。茶々丸さん」
「さようなら明日菜さん」
 別れの挨拶も手短に、明日菜は物凄いスピード駆けていった。
「ふん……本当に忙しない……」
 玄関先で茶々丸と一緒に明日菜を見送ったエヴァは、すぐに家の中に戻らず、何故かそのまま立ちつくしていた。そして茶々丸も、主人に付き合っているつもりなのか、茫洋として立ちつくしている。
 二人はそのまま暫くの間無言でいたが、やがてエヴァは小さく呟つぶやいた。
「神楽坂明日菜か……不思議な奴だな。なんだか遠い昔にも出会った事がある様な気がする……」
 それは、エヴァが幼児退行してしまった時の経験が過去の記憶と混同してしまった所為なのか、それとも過去に明日菜と似た人物と本当に出会っていた為なのか、おそらくは前者の要素が強いと思われるが、実際の所は定かではなかった。しかし彼女が明日菜に対して何故か懐かしい様な感覚を感じている事だけは確かだ。
「……マスターがそう思うのなら、きっと会っているのでしょう」
 と、茶々丸はエヴァの言葉に同意する。そして心なしか期待に満ちた表情で、
「ところで……私とは遠い昔に会った事がある様には感じないのですか、マスター?」
 茶々丸だって記憶を失っていたエヴァの面倒を見ていた。それならば明日菜と同様に、エヴァの記憶になんらかの影響を与えていてもいい筈だ。そして、エヴァにとって以前よりも特別な存在になれればいいと彼女は思っていた。
 正直、明日菜とエヴァのケンカ友達の様な関係が茶々丸には少し羨うらやまましい。もちろんエヴァとの主従関係は決して崩れる事はないのかも知れないが、だからこそせめてもう少し親密な関係になりたいというのが彼女の希望であり期待だった。
 しかし、エヴァはあっさりこう言ってのけたのである。
「む? 昔に会った事があるもなにも、お前は最近作られたばかりだろう?」
「……………」
 その瞬間、茶々丸の只でさえあまり動きが見られな顔の表情は、完全に停止してしまったという。


 ――その後、エヴァは茶々丸から三日間も口を利きいて貰えなくなったどころか、一切の家事さえも放棄されてしまい、茶々丸の有難味を心底思い知ったというが、それはまた別の話であった。

    おわり 



 いかがだったでしょうか? 感想などいただけると嬉しいです。

 じゃ、今日はここまで。
コメント (2)
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今そこにある失われた日々-前編。

2007年01月10日 19時45分47秒 | ネギま!・ネギま!?・UQ
 ども、正月で狂った生活リズムが未だに元に戻らない江戸です。何が辛いって、雑誌の発売日がずれるので、それらの感想を中心にして構成されているこのブログの更新パターンが崩れている事ですね。おかげでただ今深刻なネタ不足です……(大辞典は準備に時間がかかるので、連発できないし)。
 まあ、明日になればマガジンとサンデーが入荷してくると思うので体勢を立て直せるとは思いますが、まずは今日を乗り切る事が肝要だ……(;´Д`)。



 そんな訳で、今日は以前同人誌に載せたネギま!の小説でも掲載しようかと思います。もう1年くらい前に書いた物なので恥ずかしい部分も多いので、出来ればやりたくなかったのですが……(;´Д`)。もちろん古いので現在の原作とは微妙に設定等が変わっている部分もあるはずですし、ストーリー展開の都合上、キャラの性格・背景設定等が改変されている部分もあります。そういうのが嫌いな人は注意してください。
 また、ルビ等の機能が使えないため、同人誌に掲載したものとは微妙にニュアンスが違う部分があります。それとたぶん誤字脱字や文法等の間違いがあるかもしれませんが、気づいたらやわりと指摘していただければ有り難いです(^^;)。
 なお、時系列的には学園祭前の設定です。では、あまり期待せずにどうぞ~。



今そこにある失われた日々

エヴァことエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルは、麻帆良学園本校女子中等部の三年A組に君臨する主である。
 本人は激しく不本意であるようだが、エヴァが現三年A組(基本的に生徒は入学から卒業まで同じ教室を使用し、故にかつては一年A組であり、二年A組でもあった)の教室に通い始めてから、かれこれもう十五年にもなるのは紛れもない事実であった。最早実情がそうなのだから仕方が無い。
 何故、同じ教室に十五年間も通わなければならなかったのか――その経緯は一部の関係者の間では周知の事実なので今更語るまでもないが、事情をよく知らぬ者の為にあえて一言で説明するのならば、
「無期懲役刑」
 ……これが最も実態に近いかも知れない。要するに、過去に少々悪さが過ぎた所為で、その罰として「登校地獄」と呼ばれる呪いをかけられ、強制的に学園へ通わさせられているという訳だ。
 しかしそれは、学園に通う他の生徒達にしてみれば実に不可解極まりない事情である。本来ならエヴァは学園最大の名物生徒として好奇の視線を集めまくり、様々なトラブルの火種になった事だろう。あるいは、まともに学園生活を送る事さえ困難になったかも知れない。
 だが、そこに何の問題も生じさせないのが、エヴァを十五年間も学園に縛り付けている「登校地獄」という呪いの効力であり、また、エヴァが元より持っている容姿の所為でもある。
 エヴァはこの十五年間、まったく歳を取ってはいない。いや、歳はとってはいるが、外見上は幼女とも言える幼い姿から変化していなかった。
 これは彼女が「吸血鬼」という不死身の怪物であるが故である。本人の弁では既に齢百歳を超えているらしいが、実際にはその数倍の年月を生きているという。それだけの齢を重ねてなお成長出来なかった身体が、たかだか十五年程度の時間で変化するはずも無い。
 この容姿のおかげでエヴァは中学生の集団の中にあってもさほど違和感を持たれる事無く、更に呪いの効力もあって、学園生活を特に支障なく送る事が出来る訳だ。この辺も一部の関係者にとっては周知の事実である。
 だが、大きな謎が無い訳でもない。例えば、エヴァの正確な年齢は定かではなかった。
 彼女はいつ、何処で生まれたのか?
 何故、十歳そこそこの年齢で吸血鬼と化さなければならなかったのか?
 その詳細は誰も知らない。
 あるいは――それは当のエヴァ本人でさえも知らない事なのかも知れなかった。


「またネギをボロボロにしてっ!あいつってば、まだ十歳なのよ!? もう少し手加減しなさいよっ!!」
 神楽坂明日菜は吠えた。彼女は三年A組と呼ばれるクラスの中でも、特に活発な部類に入る生徒だ。そんな彼女の声は当然大きく、もしも耳元で吠えられたとしたら、おそらく耳鼻科のお世話になる事は必至であろう。
 幸い耳元では吠えられなかったが、それでもエヴァは耳の痛みを堪えるかの様に顔をしかめた。
「なんだよ、うるさいなぁ。わざわざ人の家に乗り込んできて大声で喚くな」
 ここは麻帆良学園都市の一画にひっそりとたたずむエヴァの家である。彼女は中学生という身分ながらも一戸建てを住処としていた。
 しかし、この家の建設費等をどの様に工面したのか、その辺は一切謎であった。あるいは魔法で元手をかけずに作り上げたのかも知れないし、はたまた誰か――例えば学園長――から与えられたものなのかも知れないが、いずれにしろ、その生活自体はそれなりに裕福そうではある。一応、学園長から学園の警備役としての任務も与えられている様なので、それなりの給金を貰っているという事もあるのかも知れない。
 それはさておき、エヴァにしてみれば突然怒鳴り込まれるなんて事は不本意極まりない事であり、不機嫌そうに反論を返した。
「私はぼーやの望み通りに修行を付けてやっただけだぞ? 感謝されるのならばともかく、文句を言われる筋合いなどないな。大体、ぼーやだって貴様に泣きついた訳でもないだろう。それにも関わらず勝手に怒って怒鳴り込んでくるなんて、余計なお世話の極みだぞ」
「うっ……」
 エヴァが珍しく正論を返したので、明日菜は反論の言葉に詰まる。確かにエヴァはネギに魔法の修行をつけているだけに過ぎない。ただ、彼女の修行はかなり厳しく、その為にネギがケガをしたりヘロヘロにやつれたりして帰ってくる事も珍しくはなかった。明日菜にしてみれば、ネギとは同じ部屋で実の姉弟のように暮らしてきた仲なのだから、彼の事が心配になるのはむしろ当然の事だった。
 しかし、エヴァの修行はネギが自身で望んだ事だった。立派な魔法使いになるという志を持つ彼が、自らに必要な事だと判断し、そしてそれなりの覚悟をもって選択した苦行である。本来は明日菜がどうこう言える類のものではない。
 それでも、ただ黙していても明日菜の心配事が解消される訳でも無いし、どうにも気が収まらないのも事実。だからもう少しネギに負担を強いなくても済む修行方法もあるだろう……と、言わずにはいられなかったのである。
 だが、まさか傍若無人を絵に描いたようなエヴァの口から、まったくの正論が返ってこようとは思ってもいなかった明日菜は、思わず面を喰らってしまった。
 しかしこれは、明日菜の認識が少々甘かったと言わざるを得ない。実際の所、エヴァは伊達に年齢を経ていないのか、実は意外としっかりとした物の考え方が出来るのである。ただ、普段は天の邪鬼な性格の所為で思考と言動を一致させていない事が多いだけなのだ。
 もっとも、エヴァがネギの師匠となってからは、まともな言動も目立つ様にはなってきていた。彼女の従者であるチャチャゼロの証言では「妙ニ丸クナッタ」らしいが、それも当然であろう。師は弟子を教え導くものだが、実はその逆もまた然りで、弟子を指導する過程の中で師は色々なものを学ぶのである。おかけで、最近では普通にいい人のように振る舞う事も、まあ、まだまだ珍しくはあるが増えてきている。
 だが、「三つ子の魂百まで」という諺がある様に、その性根が簡単に変わらないのも事実であった。明日菜が怯んだ見るや、エヴァはその隙を逃さず一気につけ込んでいく。
「まったく、そんなにぼーやの事が気になるのか? やはり惚ほれたな?」
 と意地悪く指摘する。すると明日菜は顔を赤く染め、
「なっ!? 馬鹿っ、そんなんじゃないわよっ! 私はただ、あいつの保護者みたいなものだから心配するのは当然じゃないっ!」
 と、やや狼狽した様に弁明するが、エヴァは更につけ上がって攻めていく。
「ああ保護者、そうだな。確かに貴様の今日の行為は、子供のケンカに口出しする馬鹿親のようなものだ。しかし中学生で一端の母親気取りか。どうりで所帯じみて瑞々しさが無いと思った」
「なっ、なんですってーっ!? まさか私が老けてるとか言うつもりじゃないでしょうね!?」
「んん? まさにそう言ったつもりだったが? 一度では理解できないのか。さすがにバカレッドの称号も伊達ではないな。だが、そんなお馬鹿さんが母親役では、ぼーやの将来が心配だ。いや、案外反面教師として教育には良いのか? あははははははっ!」
 哄笑をあげるエヴァに対して明日菜は激昂した。悲しいかな、エヴァの言葉は、ちょっとだけ彼女にも自覚があったからだ。特に「お馬鹿さん」の辺りが。人間誰しもが自覚している己の欠点を他人から指摘されるのは痛い。特に舌戦中の相手から言われればなおのこと痛い。
「この……来たれ」
「なっ!?」
 明日菜の叫び声と共に彼女の手が光を発し、次の瞬間、その手には巨大なハリセンが握られていた。
 ここに至って明日菜はネギの従者――いわば護衛役――となる事で得た魔法の道具、「ハマノツルギ」を抜いた。これはあらゆる魔法防御を無効化して敵に物理攻撃を加える事が出来たり、召喚された魔物を元の世界へ送り返したりする事が出来る道具で、相手によっては反則的なまでの効力を示す強力なアイテムだ。
 もちろん、呪いの追加効力で魔力が弱まっているとは言え、常に身体の周囲に魔力の防御障壁を展開しているエヴァに対しても、「ハマノツルギ」はあっさりとダメージを与える事が出来る。
 まあ、従者としてまだまだ未熟な明日菜には、「ハマノツルギ」の真の姿である「大剣」を自在に呼び出す事が出来ない為、その攻撃に殺傷力が伴うほどでもないが、それでも殴られれば普通に痛い――いや、明日菜の馬鹿力が加わると、ハリセンといえども最早立派な凶器といえるか。
「馬鹿っ、ヤメロ そいつは反則だろう!」
「そうですよ、明日菜さん。例えケンカでも凶器はいけません」
 これまで事の成り行きを静観していたエヴァの従者の茶々丸も、さすがに仲裁に乗り出した。
 もっとも茶々丸自身は、ケンカをする事自体はそれほど悪いとは思っていない。それは、ケンカができる相手とは対等の人間だと思うからだ。もしお互いのパワーバランスが崩れて対等でなくなった場合、それは一方的なイジメに成り下がる。
 だから、エヴァにとってケンカが出来る相手がいるという事自体は、それほど悪いものではないと茶々丸は思っている。実際、かつてのエヴァはあまりにも強大な能力を持つが故に、人々に恐れられて常に孤独だった。そして、彼女の異名の一つである「人形使い」は、人形(これには半吸血鬼化させられて精神支配を受けた人間も含まれる)を自在に操る彼女の能力が所以であるが、これは操り人形相手に寂しさを紛らわせていた過程で身についた能力なのかも知れない。
 だが、エヴァの操る人形がいかに生きているかの様に振る舞う事が出来たとしても、所詮は操り人形だ。それを側に置いても、寂しさを紛らわせるよりは虚しさの方が先立つだろう。
 もちろん茶々丸とその姉とも言えるチャチャゼロは、かつてのエヴァの人形達から比べればより明確な自我を得ており、例外的な存在だと言えるが、それでもやはりエヴァの被造物(茶々丸に関しては動力炉等一部のみだが)であり従者であるが故に、対等の存在とは言い難い。
 そんなエヴァにとって、対等にケンカが出来る神楽坂明日菜という少女の存在は、非常に貴重なものだと茶々丸は思うのである。実際、明日菜とケンカをしている時のエヴァはどことなく楽しそうだった。だから、本当は仲良くしてくれる事が一番なのだが、ケンカもまた上等である。
「ここはどうか穏便に、明日菜さん……」
 しかし、やはり凶器の使用はあまり感心の出来る事では無い。茶々丸はなんとか二人のケンカを仲裁しようとしたが、明日菜が酷く興奮している上に、茶々丸の頭の上ではチャチャゼロが、
「ケケケ、殺ッチマエーッ!」
 と、無責任に煽っているので、いまいち効果を上げていなかった。というか、チャチャゼロのその態度は、従者としての忠誠心を少々疑わざるを得ない。
「止めないで茶々丸さんっ! こういう生意気なガキは一度痛い目を見させないと教育上良くないわっ!」
「あの……、マスターは明日菜さんよりもはるかに年配なのですが……」
「だったら、なおのこと手加減する必要無し! 大人なら自分の言動がどういう結果を生むのか分かっているはずだわ。きっとこうなる事も覚悟の上なのよっ!!」
 ……もう何を言っても無駄っぽい。このままでは事態を収拾出来そうになかった。もちろん、茶々丸が力ずくで止めようと思えば止められない事もないが、最近では対妖魔専門の戦闘集団『神鳴流』が剣士、桜咲刹那の師事のもとで、剣術や気の扱いを身につけつつある明日菜の動きや力を上回る事は、戦闘モードに移行しないと難しい。しかし、そこまでしてしまっては、かえって大事になってしまう。
「……仕方がありません。マスター、ここは覚悟を決めて下さい」
「コラーっ、茶々丸ーっ!? 私を守るのがお前の役目だろうがーっ!」
「ですが、実力行使を行うと家具等を破損してしまう恐れが……。幸いマスターは不死身ですし、ここは甘んじて明日菜さんの攻撃を受けて頂くのが最も被害を少なくする術かと思います。明日菜さんもクラスメートなのでそんなに無茶な事はしないでしょうし」
「ふふふ……茶々丸さんの許可もおりたようだし、それじゃあ思いっきりいかせて貰うわよ」
 最早どちらが吸血鬼なのか分からない様な凶暴な笑みを浮かべながら、明日菜は「ハマノツルギ」を大きく振りあげる。
「ちょ、ちょっと待て! どう見ても手加減とかするつもりは無いぞ、こいつには!? それに不死身とは言っても痛いものは痛いのだ。やめろーっ! そのハリセンは本気でシャレにならんのだーっ!!」
 さすがのエヴァの顔にも焦りの表情が浮かぶ。無理もない、彼女と明日菜の能力の相性は最悪といってもいい。明日菜の攻撃に対して魔法防御が無効化されるだけならばまだ戦いようもあるが、明日菜が元来から持つ完全魔力無効化能力は「ハマノツルギ」以上に厄介だ。
 なにせエヴァの魔力や気を用いた攻撃がほぼ通用しないのだ。ある程度攻撃が通用するのならば、それで明日菜の動きを牽制したり、防戦させたりする事によって攻撃を封じる事も出来るのだが、それすらも不可能である。
(うぐぐ……魔力で操る人形使いの糸まで無効化されるのは痛いな。せめてもう少し魔力が充実していれば、身体機能を上げて格闘戦も可能なのだが……)
 生憎、今夜は新月。吸血鬼をはじめとする魔の眷属の魔力が最も衰える日だ。元々呪いによって魔力を極限まで封じられている今のエヴァは、普通の人間と変わらない状態まで魔力を激減させている。つまり外見通り普通の十歳児同然の身体能力しか無いと言っていい。
 もちろん、彼女は合気柔術を初めとするいくつかの武術もマスターしており、加えて永年の戦闘経験もあるが、それでも、身体能力では超人の域に達している明日菜の攻撃をいつまでもさばききれるものではない。特に長期戦になれば、子供並の体力しかないエヴァの方が圧倒的に不利となる。
 最早、エヴァに取れる道は覚悟を決めて(「諦める」とも言う)明日菜の攻撃を受け入れるか、無駄な悪あがきをするかのどちらかしかないだろう。……まあ、彼女の性格上、後者しか選択肢は無いのだろうが。しかも結果はいずれも変わらない。
「おのれーっ! 恨むぞナギーっ!!」
 自らに呪いをかけた男の名を複雑な想いで叫びつつ、エヴァは玉砕覚悟で明日菜へと飛びかかっていく。一方、それを受ける明日菜は、
「うら若き乙女を年増呼ばわりした酬い、その身でしかと受けなさいっ!」
 バットでボールを打ち抜くかの如く、何の躊躇も無い渾身の力で「ハマノツルギ」を振るった。真芯で捉えればホームランは確実であろう豪快なスイングだった。事実――、
バチイィィィィィィィーンッ!!
「へぶうぅっ!」
 風船の破裂音を思わせる大音響と、踏みつぶされたカエルが上げたかの様な悲鳴と共に、エヴァの身体は宙を舞った。おそらく、走り幅跳びの世界記録を余裕で更新出来そうな距離を飛ぶだろうという勢いだった。もっとも、それはその進行方向に何も障害物が無ければの話だが、不運な事にそれは存在した。
 しかも、エヴァが衝突しようとしている障害物が只の壁程度ならばそれほど問題はなかった。しかし、宙を舞うエヴァの軌道は、明らかにタンスの角の頂点に頭部がクリーンヒットしそうなコースを辿っていた。いくら彼女の身体が軽いとは言え、宙を飛ぶほどの勢いだ。その勢いで激突すれば、タンスの角が頭蓋骨を突き破るという大惨事が容易に想像出来た。
「あっ!」
 明日菜も「しまった」とでも言うかの様に声を上げたが、今更どうする事も出来ない。茶々丸も位置的に助けに入られる様な場所にはいないし、チャチャゼロにいたっては元々魔力不足でほとんど動けない上に、そもそも助ける気がない。
 結局、その場にいた全員が為なす術もなく、
ガスっ!
 エヴァがタンスに激突し、そして床に墜落するシーンを傍観するしかなかった。そして数十秒の静寂の間――。
「えーと……あの、エヴァちゃん?」
 床に倒れ伏しているエヴァに、明日菜はおそるおそる声を掛ける。しかし、
 しーん……。
 返事は返ってこない。無慈悲なまでの冷たい静寂がそこに横たわっているだけだった。
「御主人ハ死ナネーケド、普通ナラ間違イ無ク致命傷ダヨナ、今ノハ」
 さほど深刻そうではないチャチャゼロの言葉に明日菜は青くなった。死なない事と無事は決してイコールではない。苦痛は必ずあるだろうし、むしろ、死ねないからこそ本来なら死んで楽になれる様な苦しみを味合わなければならない事もあるだろう。まあ、不幸中の幸いというか、今のエヴァは完全に気を失っているらしく、痛みを感じているという事は無いだろうが。
 ただ、エヴァの頭を中心にして、フローリングの床に真っ赤な水溜まりが広がっていく光景は、エヴァが不死身だという事を抜きにしても、さすがにかなりシャレにならない状況だった。絵づら的には殺人事件の現場と大差なく、そんな場面に直面して冷静でいられる人間はまず皆無であろう。事実、
「なっ、ちょっ、タオル? 血を拭かなきゃ? いや、それより、まずは包帯? っていうか救急車ぁ~っ!?」
 明日菜は完全にパニック状態になって、右往左往している。
「お、落ち着いて下さい、明日菜さん。マスターの傷はおそらく止血しておけば大丈夫ですから」
 そう言いつつも、茶々丸はベッドのシーツで手際よくエヴァの身体をクルクルとくるんで簀巻きにしていく。……おそらく止血目的ならば傷口に布などをあてればそれで十分だろうに、彼女もなにげに動揺しているようだった。
 しかし、その結果出来上がったのは、純白の布地の所々を赤く染めた人型の布の塊であり、まさしくそれは、これから遺棄されようとしている惨殺死体か、もしくはピラミッドに埋葬されていたミイラにしか見えなかった。
「どうしよう……これ」
「…………」
 ある意味では先程よりも更に凄惨な姿となって床に転がっているエヴァを前にして、明日菜と茶々丸は恐怖に震えた。ただひたすらに震え続けた。
 ちなみに、チャチャゼロも小刻みに震えていたが、笑いを堪こらえているようにしか見えなかった事は、エヴァには内緒にしておいた方が良いだろう。




 前編はここまで。後編はこちらからどうぞ。そういえば、これが私のweb小説のデビュー作という事になりますか。うあー、なんだか無駄に緊張する~(((( ;゜Д゜))))。

  じゃ、今日はここまで。
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フル稼働→完全停止。

2007年01月08日 16時44分17秒 | 同人
 ども、17時間睡眠から目覚めた江戸です。あ~久しぶりに15時間の大台を超えてしまった。でも、前日はほぼ30時間ほど覚醒を続けていたので、それの反動ですな。最後の方では椅子に座ったまま意識を失ったり(;´Д`)。

 で、私が眠っている間に甥や姪が帰ったので、ようやく落ち着いて暮らせます。そういえば、彼らにお年玉をあげた記憶がないなぁ……(ひでぇ)。でも、お年玉なんて、むしろ私が欲しいくらいですよっ!(←無職) ……貧乏同人作家の明日はどっちだ(;´Д`)。


 さて、今日は甥や姪の相手をしていてネタの準備をする余裕も無かったので、今やっている原稿でも晒しておきますか。


     

 これは下描き。無駄な線が多いので汚いです。あと、筆圧が強い所為もあって、消しゴムでも消しきれない跡が残る事も(その場合はホワイト修正したり)。でも、目が悪い所為か、薄く描くとデッサンの狂いとかが分からなくなるんですよねぇ……(^^;)。だから、この時点では本来必要の無い陰影をつけてみて、イメージを掴みやすくしてみたり。そして更に原稿が汚くなっていく……と。


 次にペンとベタを入れた物(別のページですが)。

      


 なんか縮小するとデッサンが狂って見える部分があるなぁ……(^^;)。原寸だと気にならないんだけど……。
 で、これにトーン処理をしていく訳ですが、私はかなりトーンを使う方なので、印象がガラリと変わる筈です。そして、最後にセリフを貼って完成。

 それにしても、この原稿には茶々妹の靴底にベタは入れていないのですが、昨日更新した絵には入ってますな。私はベタを入れた記憶は全くありませんし、事実原画には入って無いのですが、何故そんなことになったんだか……?


 じゃ、今日はここまで。明日は何処かへ出掛けるかも知れないので、更新は遅れるかも。
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今の内。

2007年01月07日 00時28分51秒 | 落書き
 ども、騒がしい甥と姪に辟易していた江戸です。年をとると子どものテンションにはついて行けませんわ(;´Д`)。


 さて、今は子ども達が大人しくなったので、今の内に更新作業をしておきましょう。って言っても、特にネタもありませんので、描きためておいた絵でも貼っておきましょうか。

 まずはコレ。

     

 同人誌用に描いた漫画の一コマ。モノクロなのは、スカートの柄をカラー化前提で描いていなかったので、着色が無理だった為(いや、時間をかければ出来ない事もないのだけど……)。
 ちなみに、見た目は茶々妹だけど中身は茶々丸だったり。非常にややこしい。

 次はこちら。

     

 某氏への年賀状用に描いた物に着色した物。なので、原画はもう手元にはありません。本の感想をよく送ってくれる人には、嬉しくてイラストとか描いて送っちゃいますね(まあ、暇があればだけど)。
 それにしても、この絵はアニメっぽい塗りにしてみたけど、意外と面倒くさいですな。ブラシツールで着色する時の数倍時間がかかったよ……(;´Д`)。


 じゃ、今日はここまで。
 
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もっけの話。

2007年01月06日 00時59分03秒 | 漫画レビュー
 ども、今日は甥や姪が来るらしいので早めに更新している江戸です。小さい子どもが側にいると落ち着いて作業は出来ませんからなぁ。毎度彼らが来る度に「自分には子育ては無理」と実感させられます。いや、子育て云々以前の問題が大量にあったりしますがね……orz。


 さて、今日は先日眠れないときに読んでいた『もっけ』の話。

     
     もっけ①~⑥(熊倉隆敏)
 霊感を持っている姉妹の物語を描いた本作ですが、最近はアニメ化も決まりましたよね。今月号の『アフタヌーン』を買い逃したので、その後の詳細な情報はよく分かりませんが、楽しみではあります。
 
 で、先日読んでいて今更のように気づいたのは、「お婆ちゃん、1話目の時点で亡くなっていたのね……」という事。連載で読んでいると普通に登場してくるので、一時期はまだ生きているのだと勘違いしていました。そして、30話でいきなり遺影になっていて驚いたという事があります。
 しかし、コミックをよく読んでみると、初期の頃は全くお婆ちゃん登場していないので、既に故人だという事も分かりますし、お婆ちゃんが登場しているエピソードだけ、静流と瑞生が微妙に幼く描かれている事も分かります。つまり、そのエピソードだけ数年前だったりするのです。しかし、その事に気づくのに数年かかった(;´Д`)。
 そんなに頻繁に読まないとはいえ、1話完結方式で時間軸もバラバラに構成されているので気づきにくい罠です。だけど、こうやって読む度に新たな発見があるというのも面白い物です。まあ、それが「分かりにくい」と感じるか、「深い」と感じるかは読み手次第ではありますが。

 まあ実際の所、陰陽道なのか修験道なのか、その手の本を少しくらい読んだ程度では判別もつかないような専門用語も出てくるので、難しく読もうとすれば難しい作品だと思います。私もこういう心霊関係の作品を描いてみたくて、関係書籍は結構読んでいる筈なのですが、それでも全く知らない事ばかり。まだまだ勉強不足だと言う事を実感させられます(ちなみに、私は心霊関係は好きですが、宗教は嫌いです)。
 でも、あまり深く考えず、空気を楽しむようにまったりと読む事も可能なので、おすすめの作品ではありますね。単純に類似しているとは言い難いですが、以前アニメでもやっていた『蟲師』が大丈夫な人なら楽しめるのではないかと。むしろ、あちらよりはハードルが低いと思いますよ。


 じゃ、今日はここまで。
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