江戸前ネギ巻き寿司

オタク一匹の日常を綴る。
※各種作品のネタバレを含みます。
※最近は多肉植物・サボテンの観察日記的な要素も。

火閻魔人。

2007年01月17日 18時45分13秒 | 漫画レビュー
 ども、昨晩は30分程度しか眠れなかった江戸です。なんだか、週に1回くらいはこういう日がありますな。まあ、毎日10時間以上眠っているので、無意識に眠りすぎている部分の辻褄を合わせようとした結果なのでしょうか。しかし、昼寝をしているのであまり意味が無いような気も……(^^;)。


 さて、今日は私に影響を与えた作品の話をしようと思います。
 私が好きなジャンルの中には「妖怪退治物」というのがあります。このジャンルで代表的な作品と言えば『うしおととら』が挙げられるでしょうか(元祖は鬼太郎か?)。まあ、『うしおととら』の話題はまた別の機会に譲るとして、今回は私がこのジャンルで最も影響を受けていると思われる奥瀬サキ(旧 奥瀬早紀)先生の話題。
 最近の奥瀬先生は、『低俗霊DAYDREAM』や『夜刀の神つかい』の原作の仕事が主で、あまり漫画家としては一般人に認識されていないかもしれません。そもそも漫画好きの人間の間でもかなりマイナーな方でしょうし、ぶっちゃけて言うと大衆受けするような作風でもないと思います。でも、私にとってはかなり好きな作家さんなのですよね。

 氏の代表作と言うと『低俗霊狩り』が挙げられるでしょう。かつて『ヤングアニマル』やその前身の前身である『月刊コミコミ』に連載されていた作品です(現在絶版しております。後に文庫版も出ましたが、おそらくそちらも既に絶版しているでしょう)。

     
 これは妖怪退治物というよりは、霊能者漫画と言った方が正しいでしょうね。主人公の「流香魔魅」が各所で起こる幽霊騒ぎをを解決するという内容です。で、これが結構解釈に困る部分もありまして、読んでも人によっては全く理解できないだろうと思える部分があるのですよね。これは奥瀬作品全般に言える事なのですが、これが氏の作品がマイナーの域を脱却できない一つの要因だと思います。
 それでも、時としてとんでもなく秀逸なシーンを描いたりする事もあるので、なかなか見捨てられないという不思議な魅力があるのも事実。

     
 特に2巻収録のエピソード『自動人形』での悪魔召還シーンの迫力は異常! ただ、このエピソードは完結していないのが最大の問題ではありますが……(;´Д`)。つか、奥瀬作品は大抵まともに完結しません。これがまたマイナー作家である要因の一つでしょう。
 それでも、かつて雑誌の煽り文か何かで「鬼才」と呼ばれていたのも頷ける物が随所に見られます。特に注目すべきは、その画力の進歩具合。


 1巻   →   3巻
 約6年の間があるとはいえ、同じキャラには……いや、最早同じ人間の絵とさえ思えません。なんだか、当時は人間の潜在能力の奥深さを見せつけられたような気がして結構衝撃的でしたし、絵を描く人間としてはかなり勇気づけられました。これが奥瀬ファンをやっている最大の理由かもしれません。

 さて、奥瀬作品で私が最も好きなのは……

     
     火閻魔人
 これと、その続編とも言える、

     
     支配者の黄昏
 ですね。こちらは『低俗霊狩り』とは違って完全な妖怪(鬼)退治物。これは、夢枕獏先生の流れを組むハードな内容です(作者も夢枕獏の影響はあると明言してますし)。なんというか、その容赦の無い内容が素敵(「そこでそのキャラ殺すか!?」みたいな)。
 そして、私が「鬼」という存在を好きになった切っ掛けでもありますね(まあ、楠桂の『鬼切丸』の影響も大きいけど)。この作品での鬼は、西洋における悪魔のように「絶対悪」であり、人間の天敵として描かれているので、敵キャラとしてはかなり魅力的な存在です。
 また、そんな鬼を上回る非道さを持ち合わせている主人公、炎を自在に操る魔人「桃源津那美」のダークな魅力が最高。その最強かつ最恐っぷりがたまりません。私が白髪・銀髪キャラを好むようになった切っ掛けは、間違いなくこのキャラの影響です。

 まあともかく、奥瀬作品は現在連載中の物以外だと古本屋でも入手が難しいかもしれませんが、よろしければ一度手にとってみて下さい。いや、面白さは保証しかねますけどね(^^;)。それでも、人によっては心引かれる部分があるはずです。


 じゃ、今日はここまで。明日はちょっと出掛けてきま~す。
コメント (2)
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