匂いに敏感なたっ君。どんど焼き見学です。
孫達は臭いに敏感だ。特にたっ君は。それ以上に我が家の女性陣も。異臭があると、まるでいじめのようにきつい口調でたしなめる。 ・・・のように、だったら良いが、実際本当にいじめに遭っているとさえ思われる。本当にそうなのか、自分では判らないのが辛いところだ。
<o:p></o:p>
今日、会社の帰りに散髪屋に行った。基本的に月に1度は散髪するのだが、12月はなぜか忙しかったのと、待ち時間が掛かるのが嫌で行かなかったのだ。
<o:p></o:p>
掛かりつけの散髪屋さんは夫婦二人でやっており、家庭的な雰囲気で、腕も確かな上に料金も協定価格の半値以下なのでリタイアした後はずっとこの店にお世話になっている。主として旦那がカット、奥さんが顔剃り・シャンプーの役割だ。旦那とは一回り以上も違う40代前半の奥様は歴史書で知っている光明皇后によく似たふくよかな体形で、肝っ玉母ちゃんじゃないけれども何故か安心感を覚える女性だ。
<o:p></o:p>
その奥さまが、昨年の春に乳がんに罹り、それからずっと旦那一人(土日はパートさんを雇って)で店を維持していた。がん治療のために数ヶ月間は毎月きつくて苦しい治療を受けなくてはならず、入院ではないけれども自宅で闘病生活を送っていたのだが、小学校の子供もいて、苦しい雰囲気だったと旦那から聞いてもいた。
<o:p> </o:p>
どんど焼きには獅子舞も出ていて、私たちは大きな口に挟まれて無病息災を祈って貰いました。
ドアを開けると、その奥さまが顔を出した。半年以上の闘病生活を無事に終えたのだろう。思わず、「病気はもういいの?」と言いたい気持ちを抑えて、笑顔で「お帰り!」と表現した。昔通りの私好みの体型だったが、顔の色艶・張りが随分衰えているような気がした。ただ声は細いものの明るく闊達な感じだったので、直に元に戻るだろうと思えた。様子を窺っていると、旦那はやはり気遣っているようで、奥様に無理をさせないように配慮していた。
<o:p></o:p>
「良かった、本当に良かった」と、しみじみ思った。この散髪屋を初めて知った時、「散髪なんて材料費がいらないので1300円も貰えれば充分ですよ!」と笑顔で教えてくれた旦那さん、そして昨年、「家系がら心配していたけど、女房がとうとう乳がんに罹って、もう一人雇わないとやって行けないので、申し訳ないけれど、その分200円上げて1500円にさせて貰います」と遠慮しながら言いだした旦那さん。自転車に乗っていた子供が信号無視の車にぶつかられて、その慰謝料(自転車修理費)を請求しようかどうかと悩んでいた旦那さん・・・心労の種は無くならないだろうが、随分と楽にはなったはずだ。 これで店の名前通り「ファミリー」の復活、これからも仲良く店をやって行って欲しい。
<o:p></o:p>