Danelectro VS Fender(7)

2009-07-13 21:11:38 | Dano Column
アンプ編。
本来ならこのアンプ編がネイサンとレオの直接対決といった趣きで、非常に興味深いところなのである。しかし私がアンプの回路に疎いために、核心に迫れないという問題があり、この対決を十分に展開しきれないのが悲しいところである。

アンプ・ビルダーとしては年下のネイサンのほうが先に頭角を現した。1930年代後半に、エピフォンの下請けで製作した「エレクター」や「ゼファー」といったアンプが高い評価を得たのだ。「エレクター」はジャンゴ・ラインハルトが愛用したことで知られている。ネイサンのアンプはノイズが少なく、歪まず、クリーンでウォームなトーンを出すということで評価された。



フェンダーは1946年にフェンダー社を創業してからフェンダーのロゴ入りのアンプの製作を始める。1952年からはツイード、1963年からはブラックフェイスとギターアンプの傑作を次々と発表していく。

歴史的に見れば、マーシャルもメサ・ブギーもフェンダーから派生したものであり、現在のギターアンプの源流はフェンダーということになる。フェンダーのアンプといえばチャンプ、ベースマン、デラックス、ツインリヴァーブなどなど次々に名前を挙げられる人でもダンエレクトロのアンプにどんなモデルがあるかを知っている人は少ないと思われる。このことからもことアンプに関してはフェンダーの圧勝は揺るぎないと言える。

しかし、ダンエレクトロがギターアンプに対して多くの貢献をしたことも決して忘れてはならない。まず、1940年代にはトレモロを実用化したこと、50年代にはリヴァーブ、そして実現には至らなかったが、60年代にはチューブとトランジスタのハイブリッドアンプのアイデアも持っていたのである。
フェンダーが初めてトレモロをアンプに採用したのは1955年、フェンダーのリヴァーブは1963年、ハイブリッドアンプはレオが新たに始めたミュージックマンで70年代初めのこととなる。というように、ダンエレクトロがフェンダーに先駆けていた部分も多々あったのである。



フェンダーには10インチ4発のベースマンがある。マーシャルはこのベースマンの回路のコピーから始まったし、メサ・ブギーもフェンダーのプリンストンをベースマンの回路にモディファイすることから始まった。こうしたことからもベースマンはギターアンプ史上最も重要なアンプだと言える。そしてダンエレクトロはこのベースマンに対抗して8インチ8発のコマンドーをつくった。このやりすぎな感じがたまらない。

コメント (2)
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