Danelectro VS Fender(2)

2009-07-01 19:02:11 | Dano Column
ギターに関しては当然のことながらフェンダーが先んじていた。
1950年のエスクワイア(というかテレキャスター)や1951年のプレシジョンベースは、量産化に成功したエレクトリック・ギター、ベースとしては史上初ということになっている。



ソリッド・ボディで、ネックとボディをボルトでジョイントする工法は当時としてはありえなかったわけで、板切れに弦を張っただけとか、トイレの便座みたいだとか散々な言われようだったそうだけど、こうした工法の採用によって製造工程が簡略化され、量産化できるようになったのである。
エスクワイアの特徴としては1ピックアップでありながら、3wayのスイッチでトーンを切り替えることができるというのもある。リアの位置ではトーンをバイパスし、センターではトーン回路を通り、フロントの位置ではトーンが0の状態になるというもの。

ダンエレクトロが初めてギターをつくったのは1954年のこと。ソリッドボディではないものの、フェンダーと同じようにボルトオンネックを採用し、フェンダーよりもさらにローコストのギターをつくり出した。


その後、1956年にUシリーズを出すのだが、その1ピックアップのモデルにエスクワイアと酷似したトーンスイッチを採用した。これはフロントの位置ではトーン回路を通り、センターではトーン回路をバイパス、リアの位置ではローがカットされるというもの。


ダンエレクトロがギターを初めてつくった頃にフェンダーはすでにストラトキャスターを生み出していた。ダブル・カッタウェイ、バックとエルボーにコンター加工がなされたボディにより、プレイヤビリティの向上が図られたのに加え、ピックガードに電装系をすべて取りつけることによって、さらに製造が容易になった。

ダンエレクトロは1959年にショートホーンシリーズを出すのだが、ここでストラトキャスターのように電装系をすべてピックガードに取りつけたモデルを出した。


ダンエレクトロはシアーズ&ローバックから通販で販売する低価格ギターをつくるよう要請され、それに応えるべくローコストのギターをつくっていくことになるのだが、その際、フェンダーの工法から多くを学んだだろうことは想像に難くない。

と、ここまではフェンダーの後塵を拝するダンエレクトロという構図であるが話はそこでは終わらない。
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