通信販売の物語

2009-02-11 02:05:47 | Dano Column
ネットで何でも買える昨今ですが、いわゆる通信販売がいつ頃始まったのかちょっと知りたいと思ったわけで。
最初に通信販売を始めたのはアメリカのモンゴメリー・ウォード。1872年のこと。彼は地方の農村に物を売る行商をやっていたんだけど、そこで農民たちが大きな不満を抱いていることに気がついた。それは自分たちが作った農作物は安く買い叩かれるのに、自分たちが必要とする日用品は高く売りつけられるというもの。当時は農村部には店舗がなく、都市部に買い物に行くのは大変なことだった。そこで行商人が存在していたわけだけど、都市部から農村部に流通する過程で中間マージンが発生するので、農民は高い買い物をさせられることになっていた。モンゴメリー・ウォードは中間業者を介在させず、ダイレクトに商品を届けることができればいいと考え、メールオーダーによる直接販売の仕組みを作ったという。この事業は次第に受け入れられて成長していくんだけれど、後発でシアーズがカタログ販売を始める。これが1896年のこと。で、1900年にはシアーズが売り上げでモンゴメリー・ウォードを追い抜いてしまい、以後、モンゴメリー・ウォードは巻き返すことはできなかったとのこと。2000年にはモンゴメリー・ウォードは倒産してしまうし、シアーズもカタログ販売から撤退、その後はネットショップとしてどちらも復活したみたい。

シアーズといえば、だのじゃん的にはSilvertoneということになりますが、モンゴメリー・ウォードにもギターやアンプのブランドがありました。Airlineです。レゾグラスという樹脂製のボディとアール・デコ調のデザインのギターが知られています。Airlineにギターやアンプを提供していたのはVALCOです。これはリゾネーターで知られているNATIONALとDOBLOが一緒になってできた会社で、エレクトリック・ギターやアンプはSUPROブランドで販売していました。Airlineは1958年から1968年まで続きました。このAirlineにはダンエレクトロもアンプを提供していたことがありました。

通信販売の歴史の背景には「怒りの葡萄」とか「タバコ・ロード」のような世界があったのですね。
コメント (2)
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