勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

火の車

2015-03-04 21:04:45 | Weblog



小僧君 今日は暖かくて春が来たみたいだね


あっ おじちゃん もう3月だけど 2月末に来なかったから心配してたよ


ごめんごめん おじちゃんはちょっと忙しかったんだよ


よかった 具合が悪かったんじゃなかったんだね


懐具合はいつも悪くて 火の車だけどね


あらら じゃぁボクが消火に行こうか? 


おじちゃんの懐の火事は大火だから 小僧君のおしっこぐらいじゃ消えないよ


じゃぁ おじちゃんは 火宅の人だね




おいおい 小僧君 なんでそんな難しい言葉を知ってるんだい


えへへ おじちゃん ボクだって勉強してるんだから


火宅の人って 壇一雄の小説にあるけど 本来の意味は 強い火勢に包まれているのに 楽しみに興じている人のことらしいね


まるでおじちゃんみたいだね  


おじちゃんの懐の火事は もう消すに消せない火の車だから 諦めることにしよう


じゃぁ ボクが消火に行かなくてもいいんだね


生前に悪行を働くと 火車(かしゃ)に乗せられて地獄に行くんだそうだよ


その時は ボクが助けに行くから 安心していいよ


小僧君 やさしいね 


おじちゃん 地獄に行く前に また遊びに来てね


小僧君に 天国に連れてってもらいたいから また来るよ


じゃぁ それまで バイバイ


うれしいね 防火で笑顔の 人と町