勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

名付け親は誰?

2005-08-15 23:58:29 | Weblog
           
 出掛ける時の目的によって持ち歩く本がある。その一つがこの野草の本。こんな前書きがある。
    
           華やかに飾る花よりも
           野辺に咲く小さな花が好き
           というあなたに贈る
        
                ☆

           よく日のあたる散歩路
           いろんな思い出のつまった
           土手や原っぱ 
           田んぼのふち
           野山や林のかげ
           ここそこで
           いろんな名前の花たちと会える
           そして、リュックを背負って
           たまには、もうちょっと
           遠出した時
           旅した時

           あなただけの小さな観察会
           成功を祈ります


 この本は、幼いころ野山で遊んだ郷愁を運んでくれる。
何気ない小さな花にも、懐かしさと、思い出と、ものがたりがある。
そして個性的なその名に驚かされることもある。
       
       
 この花の名、「ワルナスビ」(悪茄子)といいます。
茄子の花に似ていて、野の花にしては存在感があり、手折って持ち帰ろうとして驚いた。茎が棘々で痛くてとても持って帰れない。
名前を調べると「悪茄子」 茄子に似ているから悪いのか、それとも棘があるのが悪いのか?
       
       
 可憐なこの花、他の植物に巻きついて咲いている。ところが名前を調べてびっくり、なんと「ヘクソカズラ」 漢字で『屁糞葛』と書く。
葉に特有の匂いがあるのでこんな名前が付いたという。気の毒な花であるが、葉には血止めの薬効があるらしい。
しかし、別名を「サオトメバナ」という可愛い名も付いている。釣り鐘状の花の美しさを早乙女の花がさに見立てているという。

       
 この野草、云わずと知れた猫ジャラシ、しかしそれは別名で正しくは「エノコログサ」 犬の子草の意味で、花穂が犬のしっぽに似ているからだという。
我が家の近くにも生えているので部屋に生けてみると、涼しげでいい。

 まだまだびっくりするような名前の野草がたくさんあります。

「ママコノシリヌグイ」 (継子の尻拭い) 茎や葉の裏に棘があってその為についた名前だというが、なんと恐ろしい名前なのか。継子もこんな棘のある草で尻を拭かれたのではかわいそう。
よく見る草花だが、今回は見つけることができませんでした。

「イヌノフグリ」 フグリとは陰嚢、つまりタマタマの袋のことである。春の花です。

「ハキダメギク」 牧野富太郎博士が人に聞かれ、とっさにこの名をつけたという。なんと無責任な。


 野草にも見過ごせない面白さがあります。小さな花にもちょっと目を向けてみませんか。
2005.08.15

散策

2005-08-14 23:56:00 | Weblog
 お盆の帰省で都内の道路はいつもの混雑が嘘のよう。僕も涼を求めてぶらりと散策に出掛けた。
蝉時雨を身体いっぱいに浴びての散策は、都会の雑踏の中では普段見過ごす様な小さなものが見えてくる。
何気なく木陰や、遊歩道を歩くと、そこには小さな生き物や、野草がその命を育んでいるのに出逢う。
 
        
       ひと夏の短い命を精一杯鳴く蝉の抜け殻
 蝉の幼虫は、地中で樹木の根から吸汁して、数年から十数年を過ごすという。
       
       
       クローバーの別名、ムラサキツメクサと遊ぶ蝶
       
       
       クローバーには、シロツメクサもある
 このクローバーが「詰め草」と呼ばれるようになったのは、昔、医学の機械を輸入したとき詰め物としてオランダからやってきた草で、優秀な牧草でもあるそうだ。       
       
       
       ヤブカラシ(藪枯し)にとまったカマキリ
 花の下の茶色がカマキリです。この植物は、蔓が2節出ては1節休み、また2節出るといった自然界の妙趣に注目です。よく確認しましたがその配列は見事でした。

 眼を少し違う方向に向けると、普段気が付かなかったものが見えてくる。小さな命も暑さの中で生き生きとしていました。
2005.08.14

お茶とお菓子

2005-08-13 21:12:06 | Weblog
 先日水出し煎茶のお話をしたところ、皆さんから、ほうじ茶や紅茶、コーヒーなどの情報もいただきました、ありがとうございます。

 まず、我がブログにお茶の本場静岡からコメントを下さる禰里吉さん(HPがあります)の、水出しには粉茶がいいですよ、というアドバイスをいただき、早速静岡産の粉茶を買ってきました。何か親近感を感じますね。
お茶はティーバッグに入れてガラスポットで冷やします。やはり、粉茶の方が短時間で出るし、味が濃く、渋茶が好きな僕にはもってこいでした。
それではと、はったり料理学園長としてはこの冷茶に合うお菓子を作ってみました。
同じくブログにコメントを下さるアフィリエイターcoroさんのところから購入した、このブログでも何度かとりあげている寒天があります。
これを使って水ようかんを作りました。
             
 作り方は簡単です。
粉寒天を溶いた水を沸騰させ、その中に市販のこしあんを入れて弱火にして、よく混ぜ合わせ、一煮立ちしてから火を止めて冷まします。よく冷めたら冷蔵庫で冷やして出来上がり。

 《注》
水500ccに分量の粉寒天、こしあんは320gを使いました。甘みはそのままでもいいと思いますが、甘党の僕には少しもの足りず、砂糖を足したほうが美味しいかもしれません。硬さも好みで調節できますが、僕の好みでは少しやわらかめのほうが好きです。
また、そのままだとあんが分離するようなので、固まる直前にひと混ぜしたほうがいいようです。分離してもそれはそれで味わいになるとは思います。


冷茶と合います。皆さん、ご馳走しますよ。
2005.08.13

流灯会(りゅうとうえ)

2005-08-12 22:50:07 | Weblog
 お盆の帰省ラッシュが始まっているらしいが、浅草隅田川では灯籠流しが行われた。
 
 先日紹介した隅田川の親水テラスからの灯籠流しは、浅草寺の僧侶数人による読経が流れる中、川の中央に浮かぶ二艘の船とテラスから次々と灯籠が流されていく。
 
       
                            
       
 
       
              
 暮れなずむ川面を次々と灯籠が漂い始め、ゆっくりと風に流されながら、しだいに川いっぱいに広がり、ゆらゆらと揺らめく姿は見ている者を夢幻の世界へといざない、しばし現実を忘れさせるひとときであった。この灯りがいつまでも消えないで欲しいと思うほど、幻想的な光景でした。
2005.08.12

脚線美?

2005-08-11 22:53:43 | Weblog
 僕は、40代のはじめのころ、椎間板ヘルニアを患って入院しました。
ある日突然、仕事からの帰りに足が動かなくなってしまったのです。足をちょっとでも動かそうとすると、お尻の後ろから足にかけて激痛が走ります。坐骨神経痛です。原因は椎間板ヘルニア。入院治療3ヶ月で何とか仕事に復帰することができましたが、その後も数年おきに坐骨神経痛に悩まされ、4回の入院を余儀なくされました。
3回目の時は今の仕事、つまりダンスは無理と言われ手術も覚悟したのですが、一旦退院をして、他の病院で手術を前提に再入院したのですが、そこでの診断で、手術をしても同じと言われ、半年の静養で再び仕事ができるようになりました。
この時はこれからどのように生きていこうかと、落ち込んだものです。

 ヘルニアは完全に治ったわけではなく、今も右足首はしびれたままです。
30分以上続けて歩くことはできません。しかしダンスは2時間は続けて踊れるのです。
ダンスというのは足で踊るのではなく、身体で踊ります。その身体を支えるのが足であり、それは足を悪くしてより感じるようになったのです。怪我の功名とでもいうのでしょうか、力任せに踊っていたダンスが間違いだと知ったのです。
       
 しかし疲れると足の痺れと痛みはどうすることもできません。
そこで自分流の和らげる方法を見つけました。風呂に入った時、右足を約50度のお湯につけ、きるだけ長く我慢します。それでも3~5分が限度ですが、そうすると、痛みと痺れが少し楽になるのです。
その結果が写真のように真っ赤になります。そして寝る時も含めて一年中靴下は離せません。
       
 寝る時はこの5本指の靴下で寝ますが、はじめは違和感があったのですが、今ではこれが必需品となりました。

 ヘルニアになったのは不幸なことですが、それによりダンスというものを少しだけ深く知ったような気がします。まだまだ知らないことばかりですが。「人間万事塞翁が馬」ですね。
2005.08.11

機転

2005-08-10 22:16:30 | Weblog

 数日前の新聞記事から

 「ご主人が痴漢をして警察に捕まっている。マスコミに公表する」などと嘘の電話をかけ、示談金名目で計350万円を搾取したなどとして男女5人を詐欺などの疑いで逮捕した。被害総額は約2億円に上ると見て調べている。  

 いまだに振り込め詐欺が後を絶たず、それにだまされる人もいるのに驚く。  

 我が家に配達に来る親しくしているお米屋さんの話。配達先の奥さんの所にこの手の電話が掛かったそうだ。
そこのご主人、車で通勤しているという。出かけて間もなく「ご主人が電車の中で痴漢をした、公表されたくなければすぐにお金を振り込め」と来た。
その奥さん、なかなか腹の座った人、「うちの亭主、これで3度目なんです、呆れてますから、煮て食おうと、焼いて食おうと好きなようにして下さい」相手はグーの音も出ず電話を切ったという。
こんな機転の利く奥さんを持ったご主人、浮気もできないかもしれない。
僕の姉のところにも、数回振り込め詐欺の電話があったそうだ。皆さん、気をつけましょうね。
2005.08.10


公約とは?

2005-08-09 22:48:48 | Weblog
 郵政民営化法案否決、衆院解散、9.11総選挙と政治の世界が喧(かまびす)しい。
いったい政治はだれのもの? 多分政治家本人のもの。
郵政民営化によって不都合が生じるのは、強力な集票基盤を失う族議員を含めた政治家本人。
なぜ民営化なのか、何故反対なのかよくわからない。
僕個人としては民営化賛成だったのだが・・・。

 その昔、郵便貯金は10年で約2倍になる時代があった。母の勧めで僕もその恩恵に浴したが、今となっては夢のような話である。
また、郵便局の簡易保険、これも母の強引な勧めで入り、その結果椎間板ヘルニアの4回を含め9回もの入院は、一日15,000円の入院保証で安心して治療に専念できた。
この簡易保険、若かった僕は全然興味を示さなかったが、近くに住む姉のところの集金係りを回してよこし、仕方なく入ったものだった。
後に、どれ程母に感謝したものか。「親の意見となすびの花は、千に一つの無駄もない」ということばを噛みしめたものだった。

 郵政民営化によってこの簡易保険がどうなるのか知らない。そんな議論聞いたこともないし、僕にとってのその保険は満期になり、相応の額が返ってきた。継続したかったが、余りにも病歴が多いという理由で拒否されてしまった。

 それらは別として、ある日郵便が誤配されてきた。郵便局に連絡すると、それをもう一度ポストに入れてくれ、と言う。
何という言いぐさ、怒り心頭の僕は「このまま棄てたらどうなりますか?」
僕の郵便が誤配される可能性もある、それを棄てられたらそれまで。
慌てた局員は切手シールの手土産を持って取りに来た。
そんな体質が気に入らない。それだけで郵政民営化に賛成しているわけではないが。

 参議院で否決されたのに、何故衆議院の解散なのだろうか?郵政民営化は小泉政権の公約だったはず、それを承知で彼を首相にしたのではなかったのか。
またいい加減な公約を掲げて選挙が始まる。政治はだれのため?
2005.08.09

水出し煎茶

2005-08-08 23:31:32 | Weblog
 夏生まれの僕は暑いのが大好き。クールビズが提唱された今年の夏も、エアコンをつけたのは友人が来たときの一度だけ。別に意地を張っているわけではなく、一度涼しくしてしまうとそれに慣れてしまうのが怖いという事もあり、毎日の暑さを楽しんでいます。

 ところが、食後はお茶という僕も、さすがに熱いお茶は飲みたくないときがある。
そこでお茶も水から入れる事ができると知り、やってみた。
       
 ティーポットとして使っていた器に茶葉を入れ、冷やした天然水を注ぎ、冷蔵庫で15分~20分冷やし、氷の入ったグラスに注ぐだけ。これが見事に美味い。
今までペットボトルのお茶は何回か買ったことがある。しかしどれも満足していた訳ではなく、いつも何か物足りなさを感じていた。

 これならおもてなしにも使える。暑い日の来客に、さりげなくこんなお茶の出し方もちょっと洒落ていていいかもしれない。
2005.08.08

岸辺のカフェ

2005-08-07 22:51:32 | Weblog
 台東区浅草では、隅田川親水テラスにオープンカフェを設け、ライトアップによる夏の夜祭が開催されている。
       
       
       
       
       
       
 オープンカフェは9月4日までの午後4時~9時、ライトアップは9月30日までの午後6時~11時まで。ステージではライブもあり、約30店の夜店で飲み物も販売され、暑い夏の夜、川風に吹かれながらの夕涼みで賑わっていました。
2005.08.07      

前頭前野と脳機能

2005-08-06 23:52:17 | Weblog
 前頭前野は大脳の一部で、おでこのすぐ内側にある。思考や感情をコントロールしたり、いろいろな情報を統合して判断したりという、人間ならではの知的活動の中枢で、「脳の中の脳」呼ばれる。慢性疲労などでこの部分の機能が落ちると、善悪の判断が付かない、計算ができない、どこに行くつもりだったのか分からない、などの認知力の障害がおきる。

 まるで自分のことを指摘されているようで耳が痛い。
そこで、昨日紹介したように、料理で少しでも前頭前野の働きを良くしようと思い、アサリの味噌汁を作った。これが前頭前野の働きをよくするとは思わないが。

アサリは水からと思っていたが、お湯から入れるという方法もあるようだ。水から入れると身が硬くなるから、沸騰してから入れるといいという。
どちらが正解か分からない、それぞれに利点があるらしい。
そこで僕がやっている貝類の、より美味しい味噌汁の作り方を紹介します。
       
 鍋にアサリを入れ、酒、(または水 )を貝がひたひたになるくらい入れて火にかけます。
貝が口を開いたらすぐに器に移し、全て移し終わったら鍋に水を足し味噌を溶いて沸騰する直前に火を止め、お椀に入れたアサリに味噌汁を注いで出来上がり。


 こうする事で、貝の身がやわらかく仕上がり、舌触りが全く違います。
貝類は火を通しすぎると身が硬くなります。アサリに限らず、貝類はこうする事で身をやわらかく仕上げることができます。
 味噌には抗癌作用をはじめ、様々な身体にいい作用があるそうで、毎日味噌汁を飲むと良いといわれます。
味噌汁で脳と身体の健康を保ち、もう始まっている我がボケも治るといいのですが・・・? 
2005.08.06 

料理と大脳

2005-08-05 22:45:31 | Weblog
 料理することを習慣づけると、前頭部の血流が良くなり、判断したり計画を立てたりする脳機能が向上するという。

 研究の結果 ①献立を考える ②野菜を切る ③いためる ④盛り付ける・・・このいずれの時も、判断力や計算力などをつかさどる前頭前野が活発に動いたそうだ。

 前頭前野は人間の知的活動の中心で、この機能を保つことが認知症(痴呆症)予防に重要とされる。
この研究を発表した川島隆太教授は「老若男女を問わず、日常的に調理を楽しむことが脳を鍛える。 脳と体の健康のため調理に挑戦してみてください」と話している。
また、普段料理をしない中高年男性に「脳を若々しく保つため積極的に厨房へ」と呼びかけている。
これを理由にご主人に料理を作らせるのもいい考えかも・・・

 この研究に勇気を得て、これからも、我が『はったり料理学園』でも手抜き料理の研究?を続けようと思います。乞う、ご期待!

ドジ

2005-08-04 23:28:15 | Weblog
 我が勤務するダンスホールは店長のもと、多くの従業員と、男女教師とのチームワークで成り立っている。

 2年前に着任した副店長も、控えめではあるが、女性のやさしさとユーモアもあり、才色兼備、いつも笑顔で店長をサポートし、お店の繁栄に貢献している。

 以前から僕のHP の中の新世紀 のページで紹介しようと考えていたが、女性であるがゆえに、顔写真を載せていいものかどうか迷っていた。すでに店長は写真入で紹介をさせて頂いているので、副店長にも思い切って聞いてみた。「ホームページで紹介したいのですがいかがでしょうか?」
すると即答で、快諾してくださった。
早速写真を撮らせていただき、昨日アップしお店に行ってその旨報告した。
すると「お願いがあるのですけど・・・」「えっ、何でしょう?」「名前を木内ではなく木本にしていただきたいのですが・・・」「しまった!!!」
なんということだ。二年も一緒に仕事をしていながら、名前を間違えるとは。

 そもそも僕はそそっかしい。以前お客様に呼ばれたときの話、仲間同士のトラブルを避けるため、記憶が定かではないお客様の場合、いつもそうしているのだが、「僕と踊ったことありますか?」と聞いた。すると帰ってきた答え「そう聞かれるの今日で3回目です」「・・・・・」
なんてドジで、いい加減な僕なんでしょう。
2005.08.04

耳順(じじゅん)も過ぎて・・・

2005-08-03 23:56:36 | Weblog
 志学・而立・不惑・知命・耳順 年齢を表す言葉は数々ある。 
不惑も迷いながら過ぎ、天命も知らず、耳順になっても、人の言うことを逆らわないで聴けるようにもならず、我が誕生日は嫌でも訪れてしまった。

 難しいことはさておいて、普通に過ぎる今日の一日が無事であることの有り難さ。それはこの歳になって感じることの一つでもある。
この数年の間に、親しい友人を何人か失い、この世の無常も知らされた。そして思うのは多少の不都合があっても、健康でいられること、生あることに感謝しなくては。

 一つ歳はとったが、昨日と変わるわけではなし、兼好のいう 「老いぬる人は、精神衰へ、淡く疎(おろそ)かにして、感じ動くところなし。心おのづから静かなれば、無益(むやく)のわざをなさず、身を助けて愁(うれ)へなく、人の煩(わずら)ひなからむことを思ふ」
(年老いた人間は、気力が衰え何事にもあっさりと、こだわりがなく、物に接しても欲望にかられない。心が自然で平静だから、無益なことは慎む。わが身をたいせつにして心配事がなく、他人に迷惑をかけないようにと考える。)
なんて心境になるわけでもなく、煩悩を断ち切れず、欲望と打算に生きる僕です。あ~ぁ 
2005.08.03

間と遊び

2005-08-02 21:12:20 | Weblog
 朝日新聞のコラムに「CM天気図」というのがある。
コラムニスト天野祐吉氏がCMを通して、世評を語るのだが、その口調は柔らかく、それでいてピリリと辛口なコメントがいい。

『CM天気図からの抜粋』
 茶の間で柳葉敏郎さんが、「朝は納豆だよなあ」とつぶやきながら、一人朝ごはんを食べている。 と、そこにとつぜん、スーツにネクタイ姿の児玉清さんが現われる。
 とつぜんのチン入者の理不尽な質問にびっくりしている柳葉さんに、その顔をしばらくじっと見つめてから、児玉さんが口を開く。
 「ハイッ、正解は“大豆ノススメ”」
この「・・・・・ハイッ」というときの「・・・・・」の部分、つまり“マ”のとり方と、「・・・・・」を支える児玉さんのキマジメな表情がいい。
 この「・・・・・」が、みのもんたさんの場合は長すぎるし、表情もイジワルっぽくなる。それがみのもんたさんの持ち味ではあるのだが、僕には児玉さんの「・・・・・」のほうが、本物の「・・・・・」を感じさせてくれるような気がする。
 いまのテレビにはあまりに「・・・・・」がないということにも、このCMは気づかせてくれる。切れ目なくしゃべりつづけているテレビの中に、不意に「・・・・・」が現われると、そのことで僕らは、「・・・・・」ということばの持つ雄弁さに、あらためて気づかされる事になるのだ。(コラムニスト・天野祐吉)

     
        ☆  ★  ☆  ★  ☆  ★  ☆  
 
 以前、女優のいしだあゆみさんが言っていた。 
若い頃、森繁久弥主演の「11人の孫」というテレビドラマに出演していた時の話。
リハーサルでのこと、森繁氏が台詞の途中、空白の時間があった。ADが彼に台詞を伝えたその時、彼は烈火のごとく怒ったそうだ。
「これは“間”なんだ、そんなことが解らないでドラマなんかやるな!」
その時に“間”というものを教えられたという。


 また“遊び”も時には必要かもしれない。
車のハンドルもそうであり、我が職業のダンスを踊るときの二人のポジションも、ピタリと張り付くのではなく、そこに遊びがないとうまくいかない。それは生きていく過程でも同じ、ピンと張り詰めたままでなく、何処かに緩みがなくてはいけないのではないか。
“間”をとること、そして“あそび”を持つこと、それが長続きのコツではないかと、半年を過ぎたブログへの思いであると同時に、生きる術(すべ)でもあるような気がする。
 
 間抜けにならないブログを心がけたいが、はたしてうまくいくだろうか?
2005.08.02

我がブログ考

2005-08-01 23:51:13 | Weblog
 今年の2月2日にはじめたこのブログも、ちょうど半年になった。
手探り状態で気楽にはじめてみたものの、何とか半年が過ぎ、改めてブログというものを考えてみた。

 そこでブログの精神では大先輩といえるのではないかと思われる、吉田兼好の「徒然草」をもう一度紐解いてみました。

原文
 「つれづれなるままに、日暮らし硯(すずり)に向かひて、心にうつりゆく由(よし)なしごとを、そこはかとなく書き付くれば、あやしうこそもの狂ほしけれ。」

通釈
 「今日はこれといった用事もない。のんびりと独りくつろいで、一日中机に向かって、心をよぎる気まぐれなことを、なんのあてもなく書きつけてみる。するとしだいに現実感覚がなくなって、不思議の世界に引き込まれていくような気分になる。」
 
 「人から見れば狂気じみた異常な世界だろうが、わたしには、そこでこそほんとうの自分と対面できるような気がしてならない。人生の真実が見えるように思えてならない。独りだけの自由な時間は、そんな世界の扉を開いてくれる。」 『角川書店発行の徒然草より』


 この訳を読むにつけ、まさしくブログの世界を言い表しているようで恐ろしい気さえする。
この徒然草が書かれたのは、今から七百余年前だという。

 ブログをとおして自分を見つめ、新しい世界を拓(ひら)き、この世の無常を肯定的に捉(とら)えていけたらと思いながらも、言行一致の難しさも感じる。しかし、肩肘張らずに、そこには適度な遊びと間も取り入れながら・・・。
徒然草の序段を読んでの、我がブログへの思いです。
2005.08.01