勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

浅草の光と影

2006-05-30 15:32:04 | Weblog
 「廻れば大門(おおもん)の見返り柳いと長けれど、お齒ぐろ溝(どぶ)に燈火(ともしび)うつる三階の騷ぎも手に取る如く・・・」 

 ご存知、樋口一葉の小説「たけくらべ」の書き出しである。


 浅草吉原はその昔遊郭として栄えた場所であり、遊び帰りの客が、後ろ髪を引かれる思いでこの辺りで遊郭を振り返ったということから「見返り柳」の名がある。


 かつては山谷堀脇にあったという見返り柳は何代目かになり、遊郭の入り口であった吉原大門の交差点の角にある。
その姿は目立たず、ひっそりと佇み、見過ごしてしまいそうだ。
今その吉原大門は交差点の名前として残っているだけで、大門自体はない。


 見返り柳のある大門交差点の斜前には天麩羅の「伊勢屋」があり、開店前から客が並んでいる。

 見返り柳を左に見て大きくカーブした道を行くと、そこは名にし負う風俗店が建ち並ぶ吉原ソープ街である。

 ご覧のように不夜城ともいえるこの一画は、ここにも人生の光と影が渦巻いているようだ。


 その通りを抜けた反対側には、浅草七福神の一つとしても名高い吉原神社がある。
今日写真を撮っていると、一人の若者がお参りしていた。
感心だなと思いながら、お参りを終わって戻る彼を入れてシャッターを押すと、片手で顔を隠した。写真として気に入ったのでアップしようと準備をし、この神社について調べてみると、なんと風俗店に行く前にここでお参りするとご利益があるといわれるという。慌ててその画像は没にした。

 浅草は様々な顔を持つサプライズの多い街でもある。
因みに我が住まいはこの神社とは目と鼻の先にある。
2006.05.30