小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

田中角栄

2009-02-15 04:06:57 | Weblog
You-Tubuで、お笑いの爆笑問題が早稲田大学に乗り込んだのがあった。田原総一郎も出た。田原は魅力ある政治家として田中角栄を上げた。爆笑問題は田中角栄を悪い政治家とみて批判したため、田原が「金権政治がなぜ悪い」と言い返した。まあ、私の考えを述べておこう。田中角栄は清濁合わせ持った政治家といっていいと思うが、私は「濁」とはっきり言い切る事にも少し抵抗を感じる。日本の政治で権力をとるには、派閥をつくって、自分の見方をつくらなくてはならないのである。それには金で面倒を見る事が必要になってくる。政治と金の関係は、政治のシステムとなってしまっているので、このシステムの中で権力をとろうと思ったら、そうするしかないのである。田中角栄がそのシステムをつくったパイオニアでもない。金集めがいかに大変な事か。銀行でも担保がなければ金は貸さない。何か事業を始めようと思っても、必要なのは資金である。では与党政治家になら、誰にでも便宜を計ってもらいたいと思って、企業は政治献金や賄賂をするだろうか。そんな事はないのである。企業は政治家の能力、実力、人格、などをしっかり見て、実力があると思った政治家にしか金は出さない。そこは企業もしっかり政治家を見ている。政治家の実力とは、行動力、決断力、なによりクソ度胸、肝が据わっていること、頭の良さ、などである。東大出の官僚出身のエリート議員は、頭がよく、政策で口先だけ理論的な批判は出来ても、批判を吠えるだけで何も出来やしない。政治家の実力とは度胸なのである。田中角栄は大物だった。クソ度胸があった。頭もいい。隙もない。だから企業も彼に献金すれば、自社の便宜を計ってもらえると計算するから金を出すのである。そして実際、彼は約束した事は守る男だった。面倒見のいい親分気質なのである。人に金で恩を売ったのである。彼はクソ度胸と頭の良さで日本を買い取った男である。それは田中角栄の権力欲による恫喝だけではなく、企業の田中角栄に対する信頼、依存の両方で出来上がったものである。だから田中角栄だけが権力欲にとりつかれた悪い人間とはいえないし、実際、田中角栄は打算のない面倒見のいい男なのである。鈴木宗男も田中角栄と同じである。クソ度胸があり、頭が良く、隙もない。与党議員でも、頭が良くても、度胸も行動力もないヘナヘナ議員には政治献金などしっこない。まあ、悪いのは日本の政治のシステムである。そのシステムを壊そうとした小泉純一郎のような人間は、これもまた田中角栄以上に力と正義感のある政治家である。麻生太郎のようなパフォーマンスだけの首相が支持率が落ちる事は目に見えていた。彼は保守派で、構造改革など望みようもない。彼の頭には権力欲しかない。あんなの早く小沢につぶされればいいと思う。まあ、選挙において、民主党も、「国民がバガだ」とはいえない所がつらいところである。政治家のモラルは、国家の利益と自分の利益の最終的な選択に迫られた時、国家の利益を優先させる事を選べる人間である。そういう点、私は石破さんのような議員は尊敬している。
そもそも田中角栄は、「自分が死んだら骨は太平洋に流してくれ」と言った。彼の大物さはそういう発言からも感銘を受ける。

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