小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

スキー上達法3

2009-02-21 04:03:08 | 武道・スポーツ
さてスキーについて何か書こうと思うが、私はすでに本に書かれてある事は書きたくない。それは私でなくても代替可能だからだ。なので、あまり本に書かれていない本質的な事を書きたい。上級者と中級者の違い。それは、中級者ではエッジを切り替えた後のターンの前半(山回り)スキーを回す動作が出来ていなく、そのため、スピードの制御が出来ず、そのため、ターンの後半(谷回り)でブレーキをかけてしまっているという滑り方になっているのである。山回りの局面や、山回りの時間が短く、谷回りの時間が多い。中級者ではブレーキの谷回りの連続で滑っていると言える。自分が滑った後のシュプールを見てみればわかる。中級者ではスピードを利用してターンしているので、ある程度の傾斜のある斜面の方が滑りやすいのである。しかしスキーは、ほんの僅かな傾斜があれば十分、滑れる。中級者の場合、平面に近い緩斜面の方が、滑っててあまり気持ちよくないだろう。ごくゆるい緩斜面を滑らすと技術の差がはっきりと出る。上級者なら一定の速度でスピードを自在に調節して、滑れるが、中級者では、それが出来ないのである。つまり中級者のスキーはスピードを利用してそれに頼って滑っているのである。それに対し、上級者はスピードがなくても、スキーを回す運動技術によって、どんな斜面でも、どんなスピードでも調節して滑る事が出来るのである。つまり中級者はスピードを利用して受動的に滑っているのに対し、上級者はスピートを利用しているが、高度な運動技術によって能動的に滑っているのである。では、どう練習すれば上達できるか。まずスキーで一番の要はエッジの切り替えである。上級者ではエッジの切り替えなど、一瞬で簡単にやっているように見えるが、これこそがスキーの運動の要なのである。上級者では、谷回りでの強いエッジングの反動を利用したり、ストックによるきっかけを利用したり、スキー板にかける荷重の増減のコントロールによって、エッジの切り替えの時は、スキーに体重がかかっていない状態をつくり、それで上半身は動かさず、スキーを動かす事によって、エッジを切り替えているのである。ジャンプターンなどが、わかりやすい例である。スキーが全く初めての人はスキースクールのメダカの学校を受けるのが無難だろう。だが、ある程度、滑れるようになった人には、スクールより独学の方が効率がいいように思う。認識の受け渡しは困難であるし、そもそも認識とは自分が内面の感覚として実感としてつかみとるものである。それは感動をもともなう。ある程度、滑れるようになった人には、自分独自の欠点、課題、というものが出てくる。これはスクールの一律の指導では開眼しにくいものである。まず、私はスキーの本、ビデオなどをあらかじめよく見ることによって、考える事が必要だと思う。金の節約にもなる。「畳水練」をあなどる人もいるが、「畳水練」は必要なのである。「畳水練」は、それによって、即、泳げるようにならないだけのことであって、運動の原理は頭で理解しておかなくてはならないのである。
さて私は、スキーの運動の上達として、一、あせらないこと、二、遠くを見ること、三、あらかじめイメージトレーニングをすること、四、1、2、など滑る時のリズムをあらかじめしっかり頭に入れておく、事が大切だと思う。遠くを見ること。これはターンにおいて近くを見てしまうと、ターンの運動の全体像を体で感じる事が出来なくなるからである。悪い意識は頭から消す、という事は全ての運動で言えることである。滑る前に、あらかじめイメージトレーニングやリズムの練習を十分しておく事が大切である。全くの初心者は別として、ある程度、滑った人なら雪面の感覚はわかるものである。さて、イメージトレーニングによって、滑る前にはイメージだけでは気持ちよく滑れる状態になってしまう。しかし、実際、滑ってみると予想と全く違った事態が出てくる。ここで焦らない事が大切である。予想と違う事態が起こった時、すぐに頭を切り替える柔軟性が必要なのである。そのため、イメージトレーニングでは、いくつかの練習メニューを用意しておく事が大切である。予想が外れて、イメージトレーニングを無意味と思ってしまわない事が大切である。特に中級者は、滑れるので、予想が外れるとやけになって、上達しなくてもいいから、今日一日バンバン滑ってやろう、という方に考えがかわってしまいやすい。スキー場について、滑り始めることによって、はじめて「畳水練」でない滑る実感がわかる。そこで、予想が外れた時、さて、何をしてみようかと、スキー場についてから、ちょっとリラックスして、どんな練習をするかを考え直してみるのである。
またパラレルで滑れる人もパラレルにこだわらず、シュテムターンで回る練習をしてみる事も大切である。シュテムターンは、けっしてパラレルを身につけるための一段下のターンではない。山回りのスキーを回す運動はパラレルでもシュテムでも同じである。エッジの切り替えの運動がなくてすむため、かえってスキーを回す運動の練習には有利なのである。

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