長い間苦しみながら坐っておられて、ある夜明けの明星を
ご覧になった時、星の光を一つに成られたのです。
一つという事は相手がありませんから、それを光と感じた
自分もなければ、光そのものも無くなったのです。
無くなったままに「無くなった」ということが自覚出来たのです。
その一瞬、観念も又、法だということをお悟りになったのです。
「分かった」ということがすべてになり、何一つとして分からない
ことが無くなったのです。
俗に言うと、「分からないということさえも分かった」のです。
自分自身を発見するという事はそういうことです。