活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

不生不滅 (ふしょう ふめつ) 1

2015年07月26日 | 仏教
不生不滅 (ふしょう ふめつ) とは「涅槃」という事です。

「不生不滅〈生ぜず、滅せず〉」というものは、人が生きるとか死ぬという事ではありません。


私達衆生の今の目の前に見える形のあるもの、或いは、心の働きというものは全て「不生不滅〈生ぜず、滅せず」という事なのです。

「不生不滅〈生ぜず、滅せず〉」という事は、ものの究極の様子です。

究極というのは、「今の私達」です。

迷っている、不安があるという事は、本当に【それだけのものであって、何もない】。

それを平等といい、究極と言っています。


何もないところでは、何でもあります。

どんなものでも、そこに入り込んでくるだけのものがあるのです。

しかも【比較するものもない、それだけのもの】なのです。


仏教では因、縁、果 と言いますが、結果が直ちに原因になって、次のものを生じさせて来るのです。

ですから、【結果や事実に留まる事は出来ません】。

何故ならば、いつも変化の中にあることだからです。


おシャカ様や歴代の覚者の究極の御示しは、本来は「不生不滅〈ふしょう ふめつ〉」のものなのです。

【思ったときは思いそのものだけ】なのです。

しかし、そこに「人 (ひと) 」の介在があると、思いが思いだけに済まされなくなるのです。

善いとか悪いとか、好きとか嫌いとか、そういう意識が付着する事になってしまうのです。