活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

2015年07月15日 | 語録
「病は自信不及のところにあり」というお示しがあります。

「病」というのは、自分自身が確信していないという、【自分が自分になっていない】という事を言っています。


ですから、「自信不及 (自信が及ばない)」の、「自信」というのは、「自分はこういう自信を持っている」というような自信ではありません。


一番大きな病というのは、「仏法、道、悟り……」。

こういう事は皆、妄想だという事を多くの人は知りません。


「法というのは、正しいものだ」「道というのは、確かなものだ」というのは、皆 妄想なのです。

そういうものに引きずり回されているという事です。


【しばらくは仕方がない】ですが、そういう事は全部、自分自身を自分で確立する事が出来ないために、そういう病に冒されているのです。

何もないではありませんか。元は。

よく考えてみて下さい。

元は何もないのです。


すべて自分がそういうものを全部作っているという事です。

要は自分を確立する事です。

そうしてもらわなければ修行 (今の事実に徹する) にならないのです。



妄想は妄想のままに成りつぶれて行くことです。

取り除こうとすれば、取り除こうとする意識 そのものが邪魔になるので、永劫 (ようごう) に取り除く事が出来ないという事になります。


ですから、「そのままにしておく」という事です。

自分を忘れなければならないのに、自分という考えを出して、“静かになろう” ということを望むものです。

これを求心 (ぐしん) と言います。


求め心がやまないという事で、外道 (げどう) とも言います。

道を外に求めるという事です。



おシャカ様も昔は道を外に求めておられたのです。

そして、一見明星 (いっけん みょうじょう) して、【縁】と一つになられたという事です。

なので、妄想分別が流れ出るという事は、無駄ではないという事です。



みんな そういうものが【縁】になって、【縁と一つに成る】という事で、【間違いない事実】を お示しになっておられます。