活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

二重の迷い

2015年07月21日 | 法理
人間社会では子供の成長、すなわち物心ついた時を「知恵がついた」といいます。

しかしこれが一重の迷いなのです。

それは子供の時代には、「物心つく時の観念 (認識以前の存在事実) を観念だという自覚」がないからです。


そしてそのまま成長してしまい、観念に観念を生じ、思いに思いを重ねて社会生活を送るようになるのです。

普通、人はこのことを知る由もないし、たとえ知り得てもその源を知らないので、手のくだしようがないのです。

さらに、成人してからも「観念以前の事実 (本質)」を知ることが出来ないまま、「自己の現実と観念との間」に矛盾が生じてしまうのです。

これがもう一重の迷いです。


ですから我々は、本質 (認識以前の存在事実) を知らなければならないのです。

おシャカ様は初めて認識の発生したことを知り、「観念が錯覚を起こして迷うという事実」を見極めたのです。