活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

衆生(しゅじょう)について1

2015年03月15日 | 法理

衆生(しゅじょう) とは、仏教語であり、広辞苑によれば、

しゅじょう (衆生) [仏] いのちあるもの。生きとし生けるもの。一切の生物。一切の人類や動物。六道を輪廻する存在。有情(うじょう)。

と、記されています。


私達は、元々一つの種があって、それから生まれてきたものではありません。

ものの実体というものは、色々なものが集まって出来たものですから、元々あるはずがないのです。


「此の物 (このもの)」というのが一番適切な表現だと思います。

私達は、「此の物」を「人」と言いますが、「此の物」は「人」ではありません。

「衆生」なのです。つまり、本来「すべてのものと同じ」なのです。

「人」と認めようのないものです。

始終変化し続けている訳ですから、実体が無いということです。

ある時は縁に応じて色々なものに姿や形が変化するということです。


有名な御言葉を紹介します。

“衆生本来仏なり”


私達は本来「仏」そのものであり、それは「今の自分自身」であるという事です。

ですから、もっと大きく活かして生きなさい と言っているのです。

おシャカ様の教えの中で言う「仏」というのは、人間 (仏教では“じんかん”と言います) の世界の中でなければ生まれて来ないという事です。


「此の物が此の物」に成った時、「衆生が衆生」に成った時を「成仏 (じょうぶつ)」、「成道 (じょうどう)」、「仏」と言います。

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