家出した父が危篤だという突然の知らせ。
ナントの病院に駆けつけた時には、すでに息を引き取っていた。
見知らぬ街、ナントには、雨が降っていた。・・・
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小雨降る ナントの街
沈む心に 暗い空
それは1年前 同じような朝
初めて駅に 降り立った時
ナント 見知らぬ街の 見知らぬ雨に
おびえるように あとずさりしていた
マダム 来てやって下さい
25番地 グランジュオールー
急いでください 危篤なんです
家族を捨てて 私を捨てて
勝手気ままに 生きていたはずの父よ
うらみつらみと 幼い思い出
雨の向こうで ただ揺れ動いていた
25番地 グランジュオールー
今もよみがえる
廊下の隅の 冷たく薄暗い部屋
ドアの前に立つ 見知らぬ男達が
近づく私に 息をのんだとき
言葉ではなく たじろいだ眼で
その意味に気づいた すでにすでに遅かった
私 会いに来たのに
25番地 グランジュオールー
眼に涙たたえて 息絶えていた
最後のこの世の証に 振り返りながら
私の微笑だけを ひとり待ちわびたはずの人よ
去り行く前に 立ち止まりながら
私のあたたかさだけが ほしかった筈のお父さん
海へ続く小道の
暗い庭の石の下で
すべてを忘れて 静かに眠っていてください
モン ペール モン ペール
小雨降る ナントの街
最後の寄る辺 暗い空
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歌: Barbara 歌詞: Barbara 訳詩: Bruxelles
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