CORRESPONDANCES

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Barbara ナント

2015年10月16日 21時56分47秒 | Barbara訳詩集

家出した父が危篤だという突然の知らせ。
ナントの病院に駆けつけた時には、すでに息を引き取っていた。
見知らぬ街、ナントには、雨が降っていた。・・・
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小雨降る ナントの街
沈む心に 暗い空

    それは1年前 同じような朝
    初めて駅に 降り立った時
    ナント 見知らぬ街の 見知らぬ雨に
    おびえるように あとずさりしていた

        マダム 来てやって下さい
        25番地 グランジュオールー
        急いでください 危篤なんです

    家族を捨てて 私を捨てて
    勝手気ままに 生きていたはずの父よ
    うらみつらみと 幼い思い出
    雨の向こうで ただ揺れ動いていた

        25番地 グランジュオールー
        今もよみがえる
        廊下の隅の 冷たく薄暗い部屋

    ドアの前に立つ 見知らぬ男達が
    近づく私に 息をのんだとき
    言葉ではなく たじろいだ眼で
    その意味に気づいた すでにすでに遅かった

        私 会いに来たのに
        25番地 グランジュオールー
        眼に涙たたえて 息絶えていた

    最後のこの世の証に 振り返りながら
    私の微笑だけを ひとり待ちわびたはずの人よ
    去り行く前に 立ち止まりながら
    私のあたたかさだけが ほしかった筈のお父さん

        海へ続く小道の
        暗い庭の石の下で
        すべてを忘れて 静かに眠っていてください

                    モン ペール モン ペール

小雨降る ナントの街
最後の寄る辺 暗い空 

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歌: Barbara  歌詞: Barbara   訳詩: Bruxelles 
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