CORRESPONDANCES

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Cora Vaucaire est morte

2011年09月26日 10時24分07秒 | シャンソン界の情報(フランス)

Cora Vaucaire が93歳で亡くなった。日本にもファンが多いこの人、Cora Vaucaire のファンの日本人でInternetをする人は、もうそんなに多くないだろう。
マレー半島を縦断する列車の中で、カセットテイプで繰り返しこの人のシャンソンを聞いた思い出がある。表現力が凄い、息遣いのすべてが表現力になる、つばを呑み込む仕草さえ。
La chanteuse Cora Vaucaire est morte
La chanteuse Cora Vaucaire est décédée

日本の新聞にもその死は報道されただろう。この人の歌はどれもみな素晴らしいのだが、Barbaraサイトとしては、Barbaraよりも先にこの曲をレパートリーに入れ、Barbaraに作曲者としての自信をあたえたCora Vaucaireに敬意を表したいと思う。
「あなたが歌わないのなら、私が歌うわよ」と言って。
Cora Vaucaire : Dis quand reviendras-tu ?
・・・・・・・・

他にもたくさんの歌手が歌うようになったが、今日は少しだけ聞きましょう。
dis, quand reviendras-tu ~ martha wainwright :
Thierry Amiel - Dis quand Reviendras-tu ?
Nilda Fernandez - Dis, quand reviendras tu ?
この人がこの歌を歌うのは、初めて取り上げる。
Eva Lopez
You Tubeに登場したアマチュアだと思うがなかなか聞かせる。
少なくとも歌手のLa Grande Sophieよりもはるかに内容を咀嚼している。
Dis quand reviendras-tu

日本人シャンソン歌手の歌うこの曲も今回何人か聞いてみた。
歌唱は素晴らしいが、「何日も何日も」と出るNの音が重なる訳の出だしは、この曲の雰囲気を壊している。しかもVoilà combien de jours, voilà combien de nuits...
のVoilaの音が無視されている。特に最初のVoilà combien de joursの出だしのVoilaは尊重したい。

いつかここにも書いたJe n'ai pas la ver-tu des femmes de marins.水夫の妻の美徳を私は持ち合わせていない、の部分、男性が歌う時はJe n'ai pas la vertu des Chevaliers anciens、つまり、時代がかった騎士のような美徳、に変わることに気づいた。ここは繰り返し言うがこの曲の歌詞で、もっともはっとする重要部分だと思う。新しい太陽で冷えた身体を温めなおすと言う部分も、歌詞としてエポック・メイキングだと思う。シャンソン歌詞論になるが、この意味は非常に大きい。
そういえば、Cora Vaucaireの
この歌詞、「たった今夫を殺しました」という曲想に合わない部分ははっとすると言う点においては、つまり歌詞の衝撃性においては郡を抜いている。この衝撃性を高めるために、のんびりした曲調があるのだろうとさえ思う。
蛇足だが、シャンソンを知らない人にCora Vaucaireのことを言うと、たいてい笑い出す。「コラ、ボケー」と聞こえるらしい。


昔日本で大ヒットしたシャンソン

2011年09月24日 10時37分47秒 | Bruxelles Talks

Marjorie Noel Dans le meme wagon
この人は2000年に動脈瘤の破裂で亡くなっている。
Vicky - L'amour Est Bleu - ESC 1967
Marie Laforet - La plage
Nicoletta - Mamy Blue (live)
Sylvie Vartan: La Plus Belle Pour Aller Danser
France Gall - Poupée de cire poupée de son
Soeur Sourire - Dominique : 英語版
参照:Correspondances過去記事
Soeur Sourire: No.1 & No.2 & No.3 :


どれくらい大ヒットしたかはカバーした
日本人歌手名をみれば、想像がつくはず。
小柳ルミ子 そよ風にのって
天地真理【恋は水色】LOVE IS BLUE
夜霧のしのび逢い 伊東ゆかり:
マミー・ブルー/沢田研二 :

:中尾ミエ アイドルを探せ:
弘田三枝子 夢見るシャンソン人形

小柳ルミ子 ドミニク

シャンソンを全く知らない人でもある程度の年齢の人なら
歌える筈。しかし若者は聞いたこともないかもしれない。
ヒット曲とはそういうもの。そしてまたそこが、
日本でシャンソンとしてヒットした曲との違いでもある。


Frederic Botton et Greco

2011年09月14日 07時14分55秒 | 海外の放送

偶然Helene HazeraのChanson BoumでFrederic Bottonの過去放送を聴いた。
その放送に関しては、調べてみると以前すでに取り上げていた。
Chanson Boum : Frederic Botton
Correspondances 過去記事
放送でFredericが最後にJuliette Gréco のLes pingouinsを歌った。
勿論FredericがGrecoに提供した彼の作品である。
Grecoで聞いてみたくなった。
Juliette Gréco - Les pingouins:You Tube
歌詞を探していると
こういう頁にいきついた。
ということはYou Tubeのコメントにもあったような解釈をすべき歌なのだ。

なんだかFredericの作品でRegineの歌ったLa Grand Zoaも気になってきた。
You Tube:声はRegineなのだが、動画を見ているとこれもその手の歌詞なのだとわかる。
じゃFredericの作品でBarbaraの歌うL'absintheはどうだろう。
Barbara L'absinthe: You Tube
どうということはない。VerlaineとRimbaudが出てくるだけだ。でも何故VerlaineとRimbaudの必要があるのか。ふたりの名前はすでに歌詞の内容の一部なのだろうか。だとしたら。

参照;
Frederic Botton:Wikipedia
参照:
Regine: Wikipedia
(余談になるが1967年のOkazouという曲、これは石井好子さんのレパートリーに入っている。録音はないし、実際歌われたかどうかはわからない。日本語歌詞は永 六輔氏、内容は、ご飯のおかず、ということにして、歌詞をすっかり変えてあるそうです。いきなり「おーかーず」とでて、「おかず」が繰り返される歌。いったいどんなお弁当のおかずの歌になっていたのでしょうか?内容を伺っておけばよかった。私の持っているRegineのLPにこの曲ははいっています。
追記:9月14日
Regineのことを朝吹登水子さんが著作でぼろくそにかいておられる、という話からRegineの話題に移って、その時私が石井先生にレパートリーに入れてみてはどうですかとお勧めして断られたのがこの曲
Régine - Pourquoi un pyjama ?
後年自ら実際にレパートリーに入れられたのがこの曲
Les Petits Papiers - Régine
Regineは声も歌唱も素晴らしいが
石井先生の「小さな紙切れ」のほうが
それを上回る。Regineの声の中にある辛辣さが
ない分、声でより優れていてしかも上品に仕上がっている。
そもそもRegineの声の強さに対抗できるのは
石井先生のお声くらいでしょう。
この選曲は本当によかったと思います。
近年この歌は不正就労者・滞在者追放反対の歌として
政治的役割を担うようになってきた。)

ものすごく若いFredericの映像を見つけたのでリンクしておきます。

参照:
Marie France: Wikipedia
参照:
Helene Hazera: wikipedia
ここまで参照をならべると、BarbaraのL'absintheの歌詞の意味もはっきりしてきますよね。それにしてもこの曲、文学的でしゃれていますね


Ricet Barrier: Le chanteur fantaisiste

2011年09月09日 05時43分49秒 | シャンソン界の情報(フランス)

少し古い情報になってしまったが、今年の5月に亡くなっている。
Le chanteur fantaisisteを調べていて、そのことを知った。
まず死亡報道から
Ricet Barrier is dead
Ricet Barrier, amuseur barré
Ricet Barrier : Le chanteur fantaisiste est mort:

Ricet Barrier: wikipedia: RICET-BARRIER:

Ricet Barrier Isabelle v'la le printemps :
Ricet BARRIER -
Y a plus d'sous :
L'enterrement de Ricet Barrier:

Je suis mort, je suis bien mort
S'il vous plaît ne pleurez pas sur mon sort
Elle est enfin venue la femme que j'adore
Elle suit mon corbillard, je la sens près de moi
Son Rimmel fout le camp

Qu'est-ce que suis content
Tu es venue à mon enterrement
Toi qui n' venais jamais à mes rendez-vous de mon vivant
Tu ne te promenais jamais en moto, seule avec moi
Aujourd'hui c'est fête, nous voilà réunis dans l' même convoi
Tu m'as dit non toute ma vie
Le jour de ma mort tu me dis oui
L'amour auquel je ne croyais pas
Est né le jour de mon trépas

Qu'est-ce que suis content
Tu es venue à mon enterrement
Hum ! Qu'elles sont belles tes fleurs
Tu en as eu au moins pour quinze mille francs
Toi qui dédaignais tous les bouquets de roses que je t'offrais
Aujourd'hui c'est toi qui m'apportes une couronne signée "Regrets"
Moi, j'ai pleuré toute ma vie
Le jour de ma mort tu pleures aussi
Dommage que tu me dises "Je t'aime"
Dans le langage des chrysanthèmes

Qu'est-ce que suis content
Tu es venue à mon enterrement
Moi qui voulais me foutre à l'eau
À chaque fois que tu me disais "Nan !"
Je ne pouvais pas supporter l'idée de vivre sans toi
Mais je me disais "Fais confiance au destin, ton heure viendra"
Fallait que je défonce un platane
Pour que tu veuilles bien devenir ma femme
Tu verras comme ça sera coquin
Tous les jours, ce s'ra la Toussaint

Oh bin mince ! Vous pleurez vous aussi !
La mort n'est rien quand l'amour suit
Elle est enfin venue, la femme que j'aime tellement
Elle suit mon corbillard, je la sens près de moi
Si j'avais su, j' s'rais mort avant
J' s'rais mort avant
Oh oui, bien avant !


Marc Ogeret : autour de la commune

2011年09月01日 18時53分28秒 | 歌手の紹介に関して

ある方からMarc OgeretのCDをたくさんお借りして何気なく聞いていたら「Autour de la commune」の最後に「L'internationale」が聞こえてきて驚いた。
以前さまざまな言語でのL'internationaleの聞き比べをしたことがあった。しかしこうして一人のシャンソン歌手が歌う、L'ineternationaleは初めてだった。
Marc Ogeret :
Autour de la Commune :
Marc Ogeret:
Wikipedia:
L'internationale (1871) :
Marc Ogeretを聴く:Maintenant que la jeunesse
Marc Ogeret : CD紹介:
Aragonがどんなポジションの詩人であるかがわかっているので、Aragonを歌う歌手に共通するものも見分けがついてきた。Aragonを好む歌手はタイプ的にも男女を問わず似ている。声の出し方も、歌い方も、何よりその生きる社会人としての姿勢も、共通するものがある。

ところで
Paris Communeである。勉強しないとね。
シャンソンだけでなく、フランスという国は、やはりフランス革命を経た国なのだ。すべてに於いてここを素通りするわけにはいかない。フランス革命、人権宣言、シャンソンの奥の奥に常にその光が見える。悪く言えば、革命、人権に対する独断的妄信がある国だとも言える。共和国の理念は血によって勝ち取られたのだから、無理もない。
ブルボン王朝→第一共和制→第一帝政→ブルボン王朝→7月王政→第二共和制→第二帝政→第三共和制 
Paris Communeは第二帝政と第三共和制の間。CDにあるように第一インターナショナルとも関連している。

ところで
L'internationaleですが、ご存知ですよね。あの政治の時代、右であろうと、左であろうと、誰でもどこでも耳にしたので、誰でもいつでも歌えるくらいにいきわたった、起て、飢えたる者よ、今ぞ日は近し、聞いたことありますでしょう?
シャンソンとしては聞いた事が無い?多分。

フランス語オリジナル版: