CORRESPONDANCES

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Yvette Guilbert

2013年08月31日 21時27分50秒 | 海外の放送

Du Caf’Conc’a la rive gauche
Yvette Guilbert
le mardi 16 juillet 2013 放送


この放送ではYvetteのよく知られた曲があまりかからない。たとえば「辻馬車」とか「マダム・アルチュール」とか。(訂正:今聴きながら書いているが、アレレ「マダム・アルチュール」がかかっている!)Barbaraはどちらも歌っている。一番知られているものがQuand on vous aime comme ça par Yvette Guilbertではないかと思う。プログラムを見ると最後から二番目にかかるはず。(訂正:最後にかかった!)
日本語のタイトルは「こんなふうに愛されるなんて」

実は私Bruxellesはこの曲をベイスにして、
Yvette Guilbert論を北海道の詩誌「阿吽」に寄稿したことがある。

Yvette Guilbert論 by Bruxelles:

DISCOGRAPHIE: Yvette Guilbert
Yvette Guilbert, la fondatrice :
The Elegant French Music-Hall Star, Yvette Guilbert:

Yvette Guilbert and Freud
About Sigmund Freud
Yvette Guilbert論にも書いているが、あの有名な精神分析医フロイトが贔屓にした歌手であった。家族ぐるみのお付き合いだったと言ったほうが正確かもしれない。フロイトのお気に入り女性はほかにLou Andreas-Salome(1861-1937)がいる。Yvette Guilbertは結婚しているが、実はレスビアンの噂もある。単なる噂の可能性もあるが。Freudの娘Anna Freudにもそう言う噂(こちらはほぼ確実)がある。お相手はTiffanyの創業者の孫娘でもある、Dorothy Burlinghamである。そんなわけでYvetteはAnnaとも理解し合えたわけだ。この時代に職業を持ち成功している女性にはそういう噂がたつのも常だったが。例えば看護婦という職業を打ち立てたナイチンゲールにもその噂はつきまとった。ただDorothyとAnnaの場合は共に暮らし共に仕事をし共に同じ墓に眠っている。深いつながりを持った人生のパートナーだったことは確かである。
BarbaraはYvette Guilbertを継ぐ者と言われることがある。それは古いシャンソンを掘り起こして歌ったこと、それからシャンソンを好きを仕事にしているという客と対した時のプロの姿勢ではないかと思う。一生歌い続けられる歌手は意外と少なかった。YvetteもBarbaraも、早い時期から歌う人生を決めていたのではないかと思う。こうして聴き込むと、そう確かに似ている、共通するものを多く感じる。


Moulin Rouge contre Folies Bergeres

2013年08月30日 10時58分27秒 | 海外の放送

Moulin Rouge contre Folies Bergeres:
le mercredi 17 juillet 2013 放送

オランピア劇場について詳しく書いたことがある。(Music Cross Talk在)しかしMoulin Rouge とFolies Bergeresを取り上げるのは、初めてかもしれない。この放送まず最初にCora VaucaireのLa complainte de la butte((J. Renoir 、 G. van Paris))が流れる。Cora VaucaireのペイジでCora Vaucaire自身が語っていたが、この曲は映画「フレンチカンカン」の主題歌だそうだ。
参照:フレンチ・カンカン 映画
(パリの名物だったムーラン・ルージュの由来を描いている。)
参照:フレンチ・カンカンとは
参照:カンカンダンス・衣装と踊りと音楽
例えば和服を着た人が、裾をつまんで前を丸出しにする姿を想像すれば、この踊りがどれだけ男性向けサービスに徹しているかがわかる筈だ。最後は逆にお尻を丸出しにする、という終わり方のヴァージョンもあるはずだ。


シャンソンといえば思い出す曲というのは、人によりけりで、一般的なのは、シャンソンといえば「枯葉」「愛の讃歌」、宝塚ファンならばシャンソンといえば「すみれの花咲く頃」「モンパリ」映画ファンならば、おそらく「モンマルトルの丘」「ムーラン・ルージュの歌」ではないだろうか。宝塚歌劇ならコネがある、と祖母が言うものだから、私は幼稚園の頃は将来は宝塚歌劇に入団するつもりでいた。それでその頃から上の6曲を全部知っていたが、映画を見ていないので、告白するがその当時「モンマルトルの丘」と「ムーラン・ルージュの歌」のタイトルが頭の中でごちゃごちゃになっていた。曲の醸し出すイメージが似ていたからかもしれない。どちらも映画の曲でどちらの映画もMoulin Rougeが舞台である。どちらの映画も見ていなかったので、映像としてひらめくものがなかったのだ。ベルギーのブリュッセルで「赤い風車」の映画シナリオ本をプレゼントしてもらった。帰国してずっと後で本を読んで、「赤い風車」のシナリオ本とロートレックのあの映画が同じだとやっと繋がった。
参照:Moulin Rouge (1952).mpg
ロートレックを主人公にするこの映画、胸引き裂かれるほどに暗い救いようのない悲しみに満ちた映画だった。Moulin Rougeなどと言うタイトルなのでイメージとして、劇場のムーラン・ルージュやダンスのフレンチカンカンや、シャンソンの「モンマルトルの丘」を思い浮かべるが、実は全く想像もできない程悲惨な映画であった。この映画にムーラン・ルージュなどというタイトルをつけてはいけない。あんな美しい主題歌を被せてはいけない。幼稚園児だけでなく大人でも混乱してしまう。
Moulin Rouge - Andre Claveau
Juliette Greco - Moulin Rouge
西洋画のファンの方、ロートレックのファンの方は、しかしながらこの映画必見。それからロートレックファンでなくても、シャンソンファンなら、ロートレックは調査しておくべき画家である。ブリュアンやギルベールを描いているからである。私が今いる部屋にもロートレックが描いた黒マント赤マフラーのブリュアンがいる。私は好みとしてはロートレックはあまり好かないのだが、シャンソンファンとして、このポスターを手放す気は全くない。気分が萎えそうな時にもこのブリュアンをみて、シャンソン・ファンとしての矜持を回復している、励まされているのである。もうひとつ、この部屋にはDannyが描いたBarbaraの素描があるのだが、こちらの方はものすごく怖い顔なので、遊びに来た人の評判も悪く、誰か引き取り手はないものかとふと思う時がある。



どちらも観光化しているので、真のシャンソンファンにはさほど興味がない場所かもしれない。「フォーリー・ベルジェール」で私が真っ先に思い出すのは、ゴンちゃんこと上月晃が1975年から3年間、東洋人として初主演した劇場だということだ。ものすごい快挙である。
偶然であるがTVニュースで報じられた上月晃の出棺の場面を覚えている。「ゴンちゃん」の声に送られて、クラクションを鳴らしながら霊柩車が遠ざかっていった。私はひと世代前のズカファンであるので上月晃の現役を知っているわけではないが、何故か身内の死のような深い悲しみを感じた。

追記:2013年8月31日
中国人のお金持ちが世界の観光地に溢れ出ているらしい。ムーラン・ルージュの支配人が観客の中に占める中国人の割合に上限を設けたという記事を最近見た。ほうっておくと連日客席が中国人で埋まるのだそうだ。ムーラン・ルージュの文化的伝統を守りたいという意志の現れなのだろうが、こんなことを日本がすると、人種差別だと非難轟々、内外のマスコミからつるし上げられるだろう。
あなたならこのムーラン・ルージュの支配人の対応を賞賛しますか、
それとも非難しますか?


Cora Vaucaire

2013年08月29日 11時29分48秒 | 海外の放送

Du Caf’Conc’a la rive gauche
Cora Vaucaire  France Musique
le mardi 27 aout 2013

前回のGrecoに続いてBarbaraのDis quand reviendras tu を今度はCoraが歌う、この番組で流れるのでお聞き逃しなく。 Barbara関連ではDrouotも歌っている。Barbaraと聴き比べてみるのもいいだろう。
Cora Vaucaire - Drouot

私の好みの歌唱法ではないが、じっくりとシャンソンを味あわせてくれる貴重な歌手だと思う。この放送ではCoraの素晴らしいヒット曲をあまり聞けない。それでYou Tubeに1980年、日本でのコンサートがあったので、それを追記しておく。ゆっくりじっくり楽しめる。 
Cora Vaucaire Japan Recital in 1980 part 1 of 2
Cora Vaucaire Japan Recital in 1980 part 2 of 2

本当に素晴らしい、うっとり聞かせてくれる歌が多いのだが、1曲を選ぶとするとこの曲だ。美輪明宏と聴き比べてみよう。
CORA VAUCAIRE - Je n'irai pas à Saint-Tropez (Saint-Tropez - 1974
美輪明宏 想い出のサントロぺ(ライブ)

Correspondances 過去記事
Cora Vaucaire est morte


Juliette Greco

2013年08月28日 10時03分55秒 | 海外の放送

1950 Boris Vian & Juliette Greco ↑
Juliette Greco Biographie
Juliette Greco: France Musique
le mardi 20 aout 2013

Miles DavisとGrecoのことはご存知でしょうか?
以前にもこの写真出しましたね。(クリックで拡大)
Grecoがアメリカにおける酷い黒人差別を告発しているfilmとともに出した記憶があります。京都の日仏学館のレコードコレクションから最初に借り出したレコードはGrecoでした。Grecoはコンサートにも行ってるんですよね。35年以上前に。人間的には興味はありますがGrecoのこの歌が好き、というわけではないのです。
強いて言えば一番のお気に入りはこの曲でしょうか。日本語訳 :
Mon Fils Chante - Juliette Greco
うろうろしていたら面白いものを発見。
Juliette GrecoがBarbaraの「いつ帰ってくるの?」を歌っているYou Tube
しかもBarbaraの伴奏で

Barbara et Juliette Greco


Marie Dubas

2013年08月26日 23時13分43秒 | 海外の放送

BarbaraがMarie Dubasを病院に見舞う写真。
かけだしのBarbaraがMarie Dubasのような大スター
にこうして受け入れられるのは、ユダヤ・コネクション

Du Caf’Conc’à la rive gauche
Marie Dubas
le jeudi 1 août 2013 放送

Prière de la Charlotte - Marie Dubas
番組にも登場するが、この曲は特別に聞いていただきたいので、リンクを置く。
長い曲なのでYou Tubeでは聞けないと思っていた。
この曲をこれだけ歌えるのは、Marie Dubasだけだろう。

クリスマスの夜、冬服も買えないで寒い思いをして娼婦が街角に立っている。
客は来ない。楽しそうなカップルだけが目に付く。
娼婦のシャルロットはマリア様に語り始める。

私も少しはいい思いがしたいと。クリスマスですから。
なんだったら、イエス坊やの子守もします。
出来たらたっぷり紙幣の入った、パンパンに膨れた財布を拾わせてください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

シャンソン入門の方には、塚本邦雄著「薔薇色のゴリラ」をお勧めします。


Le tabou et Boris Vian

2013年08月26日 12時05分08秒 | 海外の放送

Le tabou et Boris Vian
le lundi 19 aout 2013放送 


BORIS VIAN / ET LE JAZZ
Les frères Vian "Sheikh of Araby"
Obsèques de Boris Vian 無音:

La Libertè. Anne-Marie Cazalis. 1947. Le Tabou
Grecoといつも一緒にいたと言われる Anne-Marie Cazalis。
Juliette GRECO dit pourquoi elle a été surnommée la muse de l'existentialisme
実存主義のミューズと言われた時代を語る Juliette Greco

Tournage du film "L'Ecume des jours" de Charles Belmont:
「日々の泡」の撮影風景 京都の日仏時代でもまだこの作品は仲間内では大変な話題で、刺激されて読んではみたが、何?何?という感じで、正直言って感動も感想もなかった。私の父も線が細く、Jazzとダンスが好きで39歳でなくなったので、Boris Vianと言えば父のイメージにダブル。私の父はちょっと異国の人、という感じがあったので、尚更だ。
Tournage de "J'irai cracher sur vos tombes":
私より数歳年上の人はこの映画を見た、と言っていたが、私はまだ幼くて、この映画の主題歌を聞いた覚えがあるだけだ。格好良い出だしの旋律で、心惹かれた。この曲はヒットもしていて、ずっとあとになってからだが、この曲を聴きたくてレコードを買った。タイトルを思い出したので、You Tubeでみつけることができた。
褐色のブルース / アラン・ゴラゲール楽団

参照:Correspondances過去記事
Juliette Greco et Anne-Marie Cazalis
参照:Correspondances過去記事
Jean Cocteau (ジャン・コクトー)-1-
Jean Cocteauの「Orphee」には女優のMaria Cazares, 歌手のJuliette Greco,そして詩人のAnne-Marie Cazalisが出演している。


Chez Patachou

2013年08月25日 11時01分38秒 | 海外の放送

左岸派のシャンソン パタシューの店

2013年8月14日放送 France Musique
パタシューは名前こそ知られているが
資料や音源は何冊も何枚もあるわけではない。
知名度の割に、資料は極端に少ない。
私は子供の頃、こういうお母さんがいればいいなと
夢見た記憶がある。
しかし子供がお母さんになって欲しいと
思うような女性ではない。いい女すぎるのである。
パタシューに相当する日本人女性といえば
例えば、草笛光子、たとえば黒木ひかる
(といっても黒木ひかるを知らない人の方が
多いだろう。黒木瞳でもないし、黒木香でもない、
黒木ひかる、である。昔宝塚ファンコンテスト
の司会をしていた、ダンスのうまい黒木ひかる、
ご記憶だろうか?最後はこの人の奥さんに
なっちゃいましたけどね。年が離れていたので
「てごめ」という感じで、その時「てごめ」という
言葉もついでに覚えました。)
パタシューの店が有名なのは、彼女が
ブラッサンスを見出し自分の店でデビュー
させたからです。ここを見落とすわけには
いかないですね。それと、余興で始めた
お客さんのネクタイをちょん切る、という
パフォーマンスが受けたことでも有名。
ネクタイ切りで、思い出しましたが
飛行学校ではFirst Soloのあと、
同じように服をちょんぎられるという
慣例があるんです。切られた布に本人がサインをして
その布は学校の壁に貼り付けられる。
どんなpilotもFirst Soloは人生で一回しかないので
Pilotはみんな、大事な思い出として覚えている
と思いますよ。
パタシュー、歌は素人ですから、そんなにうまくはない、
けど、その楽しい日常的普通さが、魅力だったのでしょうね。
フランス的スノビズムとフランス的気難しさが全くなくて
アメリカでも大成功した、数少ないフランス人歌手
ということになるでしょうか?

PATACHOU PLUS BLEU QUE TES YEUX :
Patachou - Pigalle:
Patachou : Les Vieux Mariés:
Patachou - La Complainte de la Butte


19CD des inédits en particulier : RTL

2013年08月10日 11時55分41秒 | 海外の放送

"Une femme qui chante" :
l'intégrale de l'artiste en 19 CD,
avec des inédits en particulier.
既に紹介はしたが、個別に取り上げたのは初めて。
資料が多すぎて、
じっくり見たり聴いたりする時間が足りないのが現状。
"Une femme qui chante" 19CDの
これまでの未発表曲が何であるか
この番組では、それを聞いて知ることができる。