前回までで日本文化のユニークさ8項目に従って、これまで書いてきたものを集約し、整理する作業は終了したことになる。
今回からは、これまでマンガやアニメなど日本のポップカルチャーについて発言した記事を集約・整理するつもりである。これらについても、日本文化のユニークさを8項目にできるだけ沿ってまとめていきたいが、8項目のすべてに該当するわけではない。8項目のうち、2・3の項目との関係でマンガ・アニメの発信力を語ることになると思う。
最初は、個々の項目に関連した記事を扱うのではなく、マンガ・アニメが世界に広がる理由を全体としてどのように見るかを検討するための項目を確認する。
◆マンガ・アニメの発信力の理由02
ここでは、発信力の理由を以下の4項目に分けている。日本文化のユニークさを8項目を意識してたてた項目なので、何となく関連は分かると思う。これはあくまでも暫定的な分け方で、今後項目を増やしたり、文言を変えたりするかもしれない。
①生命と無生命、人間と他の生き物を明確に区別しない文化、アニミズム的、多神教的な文化が現代になお息づき、それが作品に反映する
②子ども文化と大人文化の明確な区別がなく、連続的ないし融合している
③宗教やイデオロギーによる制約がない自由な発想と表現
④民族や言語、階級などによって分断されない巨大で知的な庶民を基盤にする
さて、鳴海丈の『「萌え」の起源 (PHP新書 628)』は、すでに書評で取り上げたことがあるが、この本で著者は、日本の伝統との関連という視点から日本のマンガ・アニメの発信力を語っており、その発信力の理由を次のようにまとめている。これも参考にしながら、私が整理していくうえでの項目を最終的に決定したい。上に述べたように、今はまだ暫定的なものである。
ア)日本人は本来、生命と無生命を区別しない文化を持っている。
イ)日本人は「小さくて丸っこくてカワイイもの」に愛着を感じる。
ウ)日本のヒーローは他人のため、自分を捨てて、見返りを求めずに戦うことで存在意義を見出している。
エ)日本人の理想とする正義とは、敵を否定し殲滅することではなく、みんなで幸福になるために互いに知恵と力を合わせることである。
オ)これら日本古来の感性と文化が手塚治虫の出現によって拡大され、マンガ・アニメをはじめとする戦後のサブカルチャーに受け継がれた。
カ)それは日本独自のものでありながら、言語や思想や文化の壁を越えて世界に受け入れられる普遍性を持っている(らしい)。
《関連記事》
★日本のポップカルチャーの魅力(1)
★日本のポップカルチャーの魅力(2)
★子供観の違いとアニメ
★子どもの楽園(1)
★子どもの楽園(2)
★マンガ・アニメの発信力の理由01
★マンガ・アニメの発信力の理由02
★マンガ・アニメの発信力の理由03
★『菊とポケモン』、クール・ジャパンの本格的な研究書(1) ※1
★『菊とポケモン』、クール・ジャパンの本格的な研究書(2)
★『「かわいい」論』、かわいいと平和の関係(1) ※2
★『「かわいい」論』、かわいいと平和の関係(2)
★『国土学再考』、紛争史観と自然災害史観(1)
★『国土学再考』、紛争史観と自然災害史観(2)
★『「かわいい」論』、かわいいと平和の関係(3)
★マンガ・アニメの発信力と日本文化(1):「かわいい」
★マンガ・アニメの発信力と日本文化(2)融合
★日本発ポップカルチャーの魅力01:初音ミク
★日本発ポップカルチャーの魅力02:初音ミク(続き)
★マンガ・アニメの発信力と日本文化(3)相対主義
★マンガ・アニメの発信力と日本文化(4)相対主義(続き)
★マンガ・アニメの発信力と日本文化(5)庶民の力
★マンガ・アニメの発信力:異界の描かれ方
★マンガ・アニメの発信力:BLEACH―ブリーチ―(1)
★マンガ・アニメの発信力:BLEACH―ブリーチ―(2)
★マンガ・アニメの発信力:BLEACH―ブリーチ―(3)
★マンガ・アニメの発信力:セーラームーン(1)
★マンガ・アニメの発信力:セーラームーン(2)
★マンガ・アニメの発信力:「かわいい」文化の威力
※1と※2は、カテゴリー「マンガ・アニメの発信力の理由」ではく、「coolJapan関連本のレビュー」の中に入れたものを前後の関係の必要上ここに入れたものである。
今回からは、これまでマンガやアニメなど日本のポップカルチャーについて発言した記事を集約・整理するつもりである。これらについても、日本文化のユニークさを8項目にできるだけ沿ってまとめていきたいが、8項目のすべてに該当するわけではない。8項目のうち、2・3の項目との関係でマンガ・アニメの発信力を語ることになると思う。
最初は、個々の項目に関連した記事を扱うのではなく、マンガ・アニメが世界に広がる理由を全体としてどのように見るかを検討するための項目を確認する。
◆マンガ・アニメの発信力の理由02
ここでは、発信力の理由を以下の4項目に分けている。日本文化のユニークさを8項目を意識してたてた項目なので、何となく関連は分かると思う。これはあくまでも暫定的な分け方で、今後項目を増やしたり、文言を変えたりするかもしれない。
①生命と無生命、人間と他の生き物を明確に区別しない文化、アニミズム的、多神教的な文化が現代になお息づき、それが作品に反映する
②子ども文化と大人文化の明確な区別がなく、連続的ないし融合している
③宗教やイデオロギーによる制約がない自由な発想と表現
④民族や言語、階級などによって分断されない巨大で知的な庶民を基盤にする
さて、鳴海丈の『「萌え」の起源 (PHP新書 628)』は、すでに書評で取り上げたことがあるが、この本で著者は、日本の伝統との関連という視点から日本のマンガ・アニメの発信力を語っており、その発信力の理由を次のようにまとめている。これも参考にしながら、私が整理していくうえでの項目を最終的に決定したい。上に述べたように、今はまだ暫定的なものである。
ア)日本人は本来、生命と無生命を区別しない文化を持っている。
イ)日本人は「小さくて丸っこくてカワイイもの」に愛着を感じる。
ウ)日本のヒーローは他人のため、自分を捨てて、見返りを求めずに戦うことで存在意義を見出している。
エ)日本人の理想とする正義とは、敵を否定し殲滅することではなく、みんなで幸福になるために互いに知恵と力を合わせることである。
オ)これら日本古来の感性と文化が手塚治虫の出現によって拡大され、マンガ・アニメをはじめとする戦後のサブカルチャーに受け継がれた。
カ)それは日本独自のものでありながら、言語や思想や文化の壁を越えて世界に受け入れられる普遍性を持っている(らしい)。
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※1と※2は、カテゴリー「マンガ・アニメの発信力の理由」ではく、「coolJapan関連本のレビュー」の中に入れたものを前後の関係の必要上ここに入れたものである。
「子供に与えるモノ」の縛りがキツ過ぎる感じだよな。
或いは「子供に与えるモノ」だけじゃ無く、
全てにおいて「縛り=戒律」が厳しい
(または厳しかった)のかも知れないが。
日本以外の国では戒律は文字通り「神の命令」だから、
おいそれと破れなかったワケで。
そーいう戒律とは無縁だった日本だけが自由なのは当たり前なのかな。
なんせ坊さんが妻帯出来る国だからなーw