クールジャパン★Cool Japan

今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

YouTube動画、I love new Tokyo 再考(かんむりさんへ)

2009年06月30日 | マンガ
5月日付けの日本への憧れ、YouTubeへのコメントよりという記事に、かんむりさんからコメントをいただきました。パソコンの不都合のためかコメント欄にご返事できないので、ここにお返事させていただきます。

取り上げたYouTube動画は、以下のものです。

YouTube動画、I love new Tokyo 


◆みました (かんむり) 2009-06-28

>"I love new Tokyo"
なるほど、われわれには、どうということはないですが。たしかに、この動画についての、コメントは、賛辞が多いですよね。考えるに、ありふれた東京の風景でも、平和そのものというか、こころのやすらぎみたいのが、感じるひとが、多いのかもしれません。特にアメリカみたいな激烈な競争社会からのひとたちは
そういう印象をもつのかもしれません。
それと、新しいものと古いものとが、混在して、妙に調和がとれている、このへんも原因ありかと。

★コメントいただき私もあらためて考えて見ました。見慣れた東京、むしろ雑然とした東京の風景の動画に、なぜ憧れにもにた熱いコメントが寄せられるのかと。

動画は、なにげない東京の姿を、短いカットの連続で編集していますね。偏りなく東京のありのままの捉えているいるので、それが逆に私たちには分からない東京の魅力を外国の人たちには、強烈に訴えるのかもしれません。

それはかんむりさんが言うように、私たちが当たり前に受けいれている(だから私たちには自覚できない)、日常の東京の平和、やすらぎ、雑然とした中の調和と秩序などなのかも知れません。ともあれ私たちには分からないアピールする力がこの動画にはあるようです。

他のみなさんにも、この動画を見て感じたことをコメントしていただけると、うれしいです。この動画は、東京や日本のどのような魅力をアピールするのかという問題です。

>でも、技術のちからが、かつてより、落ちたとかいう
自信のなさが、論じられることもありますが、
そんなことはありませんよ。たとえば、筑波でおこなっている微生物を使った石油産出実験などは、
うまくいけば日本が、世界最大の石油輸出国になって、日本に世界の富が、集中。ほかにもまだ表面にはでないけど新技術は、めじろおしです。

★そんな技術開発もなされているんですね。知りませんでした。
そのうち、このブログでも、日本の優れた最先端技術について取り上げるのもオッも白いかなと思いました。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「刀を置き、花を手にしたサムライたち」(4)

2009年06月27日 | 全般
◆「刀を置き、花を手にしたサムライたち:「21世紀ネオ・ジャパネスク」大解剖」(4)                                 (朝鮮日報 2008/05/25)

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

◆「貿易は映画の後を追って来る」
 ジェトロだけではない。経済と文化を結び付け、文化を通じ経済的に「食べていけるアイテム」を育てていこうという戦略は、日本の各省庁で同時多発的に展開されている。

 内閣府に設置されている経済財政諮問会議は、日本の21世紀のビジョンについて「開かれた文化創造国家」と規定(2005年5月)し、総務省は「ソフトパワーの強化」、経済産業省は「日本ブランドの創出」といったプロジェクトを進めている。

 日本の戦略は20世紀の米国をモデルにしている。20世紀初期・中盤の米国経済の世界展開に対する戦略は、「貿易は映画の後を追って来る(Trade follows the film)」というスローガンに要約される。ハリウッド映画やテレビドラマ、ポップミュージックなどを通じ、「アメリカのライフスタイル」を世界に広めた後、米国に憧れる世界の消費者に米国製品を売ったのだ。

 『エデンの東』(1955年)でジェームズ・ディーンが履いたリーバイスのジーンズは全世界の若者のハートをとらえ、オードリー・ヘップバーン主演の『ティファニーで朝食を』(1961年)はニューヨーク5番街の一宝石店だったティファニーを世界的なブランドにした。世界の消費者は「米国」を消費するという感覚でマクドナルドのハンバーガーを食べ、コカ・コーラを飲み、フォードの車に乗った。米国という国自体が巨大なブランドだった。

 これはまさしく、21世紀に日本が構想する国家戦略と同じだ。日本政府は2005年の通商白書で「文化交流と経済交流の間には意味深い相関関係がある」と宣言した。つまり日本は、日本という魅力そのものを売ったり、製品・サービスに文化的な魅力を付けて価値を高めたりする戦略を展開しているのだ。

◆「品質」から「品格」へ
 日本の経済産業省(旧・通商産業省)は「株式会社日本」を率いる作戦本部だ。2005年7月、経済産業省は「新日本様式の確立に向けて」という、少し難解なタイトルの報告書をまとめた。報告書は次の宣言文で始まる。

 「付加価値の評価は"価格から質への時代"を経て、"質から品位への時代へと移り変わっている。
(中略)経済のみならず、日本の文化、日本人の感性、日本の心など日本固有の資産を要素とした、総合的な日本の素晴らしさ="日本ブランドの有する価値"を向上させ、世界に発信していくことが肝要である」

 報告書が注目を浴びているのは、「品位・品格」という文化的パラダイムを主張している点だ。報告書は「グローバルな経済戦争の中核をなす競争力は"品格"に変わった」と宣言、製品の「格」で競い合おうという新しい産業戦略を示した。日本経済が価格・品質の競争を経て文化的価値を競う段階に突入したことを知らしめる始発点といえる。

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

本年1月に『日本のポップパワー―世界を変えるコンテンツの実像』のレビューの最後で、以下のように述べた。

「最後に、これはこの本を含めた関連するいくつかの本を読んでの感想だが、日本のポップカルチャーが世界に広がっていく流れは、私たちが自覚する以上に重要な意味をもっているのではないかということだ。もしかしたらそれは、日本人が庶民レベルでもっている世界観、人生観がポップカルチャーという媒体に乗って知らず知らずのうちに世界に広がっていく過程なのかも知れない。大宗教、大思想に強く縛り付けれた一神教的世界観から比較的自由なライフスタイルが世界に波及していく過程なのかも知れない。イデオロギー同士が深刻にぶつかり合って戦争を繰り返してきた歴史に対し、「武器よりもポップを!!」というメッセージを世界に広める意味をもっているのかも知れない。」

日本の経済産業省や各省庁が、「日本ブランドの創出」の創出を語り、「経済のみならず、日本の文化、日本人の感性、日本の心など日本固有の資産を要素とした、総合的な日本の素晴らしさ="日本ブランドの有する価値"を向上させ、世界に発信していくことが肝要である」という経済戦略をとるのは、大いに結構だ。しかし、それがあまりに「戦略」になってしまうと、日本のポップカルチャーが世界に受け入れられた魅力そのものと、まさに逆のメッセージを送りつけることになってしまう。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

KOKIA、ヨーロッパツアー真っ最中

2009年06月21日 | 全般
KOKIAと言っても、あまり知らない人が多いかもしれません。日本であまり知られていないのが残念です。

しかし、フランスを中心にヨーロッパで、その歌唱力が高く評価されている女性JPOPシンガーです。今、まさにヨーロッパ、ライブツアー真っ最中です。

フランス→アイルランド→ポーランド→ベルギーと、真っ最中のヨーロッパ、ライブツアーの様子が遂次ブログで報告されています。

こちらです。→kokiaBLOG

彼女は、大学で声楽を学び、将来を期待される実力をもっていましたが、溢れるばかりの自分の思いを日本語で表現したいと、JPOPのシンガーソングライターに進路を変更しました。日本をベースに活躍していますが、2006年以降はパリで毎年ライブを、2008年にはベルギーでもライブを行いました。特に2008年のパリ公演ではおよそ1,800人を動員し、フランスでも人気が高まり、その才能と実力が高く評価されています。

そして今年はいままさに、上記の国々をライブツア中というわけです。

彼女の人気がどんなものか、動画でご確認ください。いずれも2007年のパリでのライブからです。

KOKIA Live in Paris 祈りにも似た美しい世界 +お客さんの反応

KOKIA「ありがとう」Live in Paris 2007

KOKIA - 調和

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「刀を置き、花を手にしたサムライたち」(3)

2009年06月21日 | 世界に広がる日本食
◆「刀を置き、花を手にしたサムライたち:「21世紀ネオ・ジャパネスク」大解剖」(3)                                 (朝鮮日報 2008/05/25)

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

◆農産品は文化商品
 昨年、日本産コシヒカリが中国に輸出されて話題を呼んだ。値段は中国産米の20倍以上とかなり高価だが、中国の富裕層に人気だ。その裏にある日本政府の意図はとてつもなく大きく深い。農業にも日本の文化的な価値を与え、輸出戦略産業として育て上げたいと考えているのだ。

 日本のコメ輸出は日本貿易振興機構(ジェトロ)が後押ししている。もちろん、日本の農産品は価格面では競い合えない。そこでジェトロが考えたのが、農業を文化と結び付ける戦略だった。中国に輸出されたコメを、日本のハイソサエティーなライフスタイルが感じられる文化商品としてマーケティングする戦略だ。

 東京・赤坂のジェトロ本部で会ったナガタ・ミキオ輸出促進・農水産部長は、「農業は一種の文化産業」と話す。「英語の"農業(agriculture)"には"文化(culture)という言葉が入っているではありませんか。食物・食品というものは、その国の歴史や生活様式により確立された文化です。わたしたちは食文化を通じ、日本そのものを海外に伝える活動をしているのです」

 ジェトロは貿易摩擦の影響で19年間、輸出促進業務を中断していたが、2003年に再開し、力を入れるようになった。興味深いのは、重点輸出産業に掲げた(1)コンテンツ(2)ファッション・衣類(3)デザイン(4)農水産・食品(5)機械・部品の5分野のうち、4分野が文化に関係している点だ。

 ナガタ部長の説明は意味深長だ。「わたしたちは今後、文化的な背景を持つ製品を輸出しようと考えています。かつて日本が得意だった工業製品は、技術力さえあれば生産地がどこであろうと関係ありません。でも、文化的背景を持つ製品は、日本で作られたという事実、つまり"メード・イン・ジャパン"であるという事実が重要になってきます」

 日本は、国境がなくなる「脱国家」の時代に逆行し、日本という国家的要素を前面に押し出している。日本的なものでグローバルな経済戦争を乗り切ろうとしているのだ。

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

この韓国記者の関心の中心は、クールジャパンと呼ばれる文化的な価値を、日本がどのように輸出戦略に結び付けていくかということにあるようだ。

たとえば、日本の米や果物を「日本のハイソサエティーなライフスタイルが感じられる文化商品」とするという日本の輸出戦略。農業を文化と結び付け、農産物にも日本の文化的な価値を与えるビジネス戦略である。

ただし、このような戦略が成り立つためには、その国の社会や文化がクールなものとして世界に受け入れられるという状況が成立していなければらない。食物・食品というものが、その国の歴史や生活様式により確立された文化である以上、そこには長い歴史的な蓄積が反映している。その国の歴史や生活様式全体がクールなものとして受けとめられる前提があってこそ成り立つ戦略である。

もちろん食品や料理そのものが、さらにその国の文化を広めていくことは多いにあるだろう。しかし、現在の日本で農産物、食品、料理が文化的な付加価値や魅力に満ちた商品として売り込み可能なのは、全体としてのクールジャパン現象が先行しているからだ。日本の産業界はいわばそれを「うまく利用」しようとしているに過ぎない。さらに言えばいわば「便乗」しようとしているに過ぎない。

もちろんこれをビジネスとして「利用」することは大いに結構なことなのだが、一方で世界でなぜ日本の文化がクールと受けとめられるようになったのか、その分析をしっかり行っていくことがとても大事だと思う。なぜ大事なのかということは、これまでにも少し述べてきたが、いずれまとめて考えてみたい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「刀を置き、花を手にしたサムライたち」(2)

2009年06月15日 | 世界に広がる日本食
◆「刀を置き、花を手にしたサムライたち:「21世紀ネオ・ジャパネスク」大解剖」(2)                                 (朝鮮日報 2008/05/25)

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★  

◆食でなく文化を売る

「NOBU TOKYO」の蒔田浩巳マネージャーは、客がいない閑散とした午後に取材に応じてくれた。海外進出の初期は生魚に対する抵抗感をなくすため軽く火を通したり、サラダにしたりと、いろいろ工夫してみたそうだ。だが、「今は欧米でも"すし"と"刺し身"は低カロリーの健康食として市民権を得ました」と話す。

「NOBU」は日本人シェフの松久信幸氏(59)がハリウッドの名優ロバート・デ・ニーロとコラボして立ち上げたレストランのブランドだ。もともと二人はシェフと常連客という関係だった。松久氏がロサンゼルスで経営していたすし店にデ・ニーロが通い詰め、意気投合しレストラン・チェーンを作った。ミラノ支店には有名デザイナーのジョルジオ・アルマーニも参加し、話題を集めた。

西洋社会において「NOBU」は高級なイメージを持っている。米ニューヨークのマンハッタン支店はセレブが集まる店として有名だ。レオナルド・ディカプリオ、グウィネス・パルトロウ、ブルース・ウィリス、アン・ハサウェイ、サラ・ジェシカ・パーカーといった人気俳優たちもよくやって来る。世界各地に27店舗を展開する「NOBU」のチェーン店は、どこもその国の上流層をターゲットにしている。

いろいろな話の中でも、特に蒔田マネージャーの「はし文化論」は興味深かった。

「海外店ではフォークとナイフも用意していますが、常連客はたいてい、はしを使います。米国社会では、はしで日本料理を楽しむのが上流層のシンボルのようになりました。米国のエリートたちは、はしの使い方が若い日本女性よりも上手ですよ」

つまり、「NOBU」は料理そのものではなく、日本文化を売っているのだ。「NOBU」だけではない。「すしレストラン」は世界のどの国でも高級なレストランとして知られている。すしや刺し身のような日本食には、「ウェルビーイング」(健康と美容にいいライフスタイル)のイメージもある。

「食」は文化の先兵だ。マクドナルドに象徴される米国の食文化が低価格で実用的というイメージを持つなら、日本の食文化はブランド価値のピラミッド構造で上層部を占めるというイメージがしっかりと定着している。醤油メーカー「キッコーマン」の2006年統計によると、世界に日本食レストランは2万4000店あり、毎年急増しているという。ブラジル・サンパウロにはシュラスコ(ブラジルのバーベキュー)の店よりも「すしレストラン」のほうが多いというデータもある。クモの巣のように張り巡らされた飲食店ネットワークを通じ、日本は文化やライフスタイル、そして国のイメージを売っている。

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

アメリカで爆発的なすしブームが起ったのは1977年あたりかららしい。この年、アメリカ上院にかけられた「栄養問題特別委員会」が、国民の食生活に関する勧告案を発表したが、その中の六つの栄養目標の中に「肉を減らしてもっと魚を食べよう」というのがあった。おりからの自然食ブームで「生魚は究極の自然食」という考え方もダブル効果となって、急にすしを食べる人が多くなったというのだ。(『お寿司、地球を廻る (光文社新書)』)

なお、「栄養問題特別委員会」のレポートは、アメリカでマクバガン・レポートとして知られるが、委員会のリーダーであるマクバガンや原案をまとめた科学者・ヘグスティッド博士は、久司道夫らと何度も話し合って、マクロビオティック(日本古来の食の知恵を生かした食養法)に沿った食事目標を作ったのである。このときからアメリカ社会の食生活は大きく変わったという。だからこのレポートそのものに日本食がブームになる充分な下地があったのである。
(『世界が認めた和食の知恵―マクロビオティック物語 (新潮新書)』や『久司道夫のマクロビオティック 入門編 (Kushi macro series)』を参照のこと。これらの本についての私の書評は→こちらを参照ください。

マクバガン・レポートの食事目標や自然食志向が、すしブームさらに日本食ブームに結びつき、さらに日本食=健康食というイメージを日本人の平均寿命の長さが証明した形となる。同時に、日本文化、日本ブランドのクールさが結びついて、日本食が高級でクールなライフスタイルと結びついていったのであろう。

「NOBU」は料理そのものではなく、日本文化を売っている、という背景には、アメリカにおける健康政策と、健康食としての日本食のブームとが重なり、それにさらに日本の伝統文化とアニメやマンガの文化が融合した形でのクール・ジャパン現象が重なっていった事情があるように見える。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕の日本語はマジンガーZから

2009年06月14日 | アニメ
◆今日は、YouTubeで見つけた、イタリア人による日本語のスピーチを取り上げたい。(「刀を置き、花を手にしたサムライたち:「21世紀ネオ・ジャパネスク」大解剖」の記事は続くが、今日はちょっと別の話題。)

画像はこちら。→Speech Contest Title: 僕の日本語はマジンガーZから

画像のトップに「大阪日本語スピーチコンテスト 2006年3月16日」とあるが詳細は分からない。日本に来た若者(たぶん)が、幼き日に見たテレビ・アニメ「マジンガーZ」以来のロボット熱が昂じてついに日本にまでやってきたという内容。

前に『アニメ文化外交 (ちくま新書)』を紹介したが、その中で著者は、日本のポップカルチャーを好きとか嫌いとか言う以前に「僕たちは日本アニメで育っているんですよ」という人々が急増しているという現実を紹介していた。このイタリア人の若者もまさにその一人である。幼き日に夢中になったことは、のちのちまで大きな影響を与える。そのような影響を受けた国と文化にそのまま強い好感を持ち続けるのは、ごく自然なことである。このスピーチコンテストで語られるような影響が、世界の若者たちに広がったのだ。

以下にスピーチの内容を一部省略して掲載する。(聞き取れないところは○○や?で表示。)

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

マジンガーZは、ほんとに古いテレビマンガですが、僕の世代には、とても有名でなつかしいです。これは、ボクがはじめて見たテレビマンガで、覚えているのは6歳のころのスーパーロボットです。マジンガーZは、日本のマンガでイタリアのマンガではないことを知ってから、ボクの日本への憧れはスタートしました。そのころのボクは、日本にはマジンガーZみたいなのがごろごろ歩いていると思いました。(中略)

その次のショックはガンダムです。またまたボクに火がつきました。おもちゃ屋さんで、マジンガーZや、ガンダムや、○○や、見つけたら、絶対に買ってもらうまで動きませんでした。そのあとも、10歳、15歳になってもロボットへのあこがれは変りませんでした。もちろん絶対に日本へ行きたい、行ってやると思うようになりました。はじめは、バカにしていたママが、イタリアの日本人学生のホームステイ(?)が始まりました。それからボクと日本人との友だちづきあいが始まりました。ボクの部屋にロボットと一緒に日本人もごろごろするようになりました。

そしてボクは、とうとう去年の7月に日本に来ました。日本に来てすぐに京都と奈良に行きました。古い木造の建物のあいだからロボットが出てきてもおかしくないほど、ぴったりだと思いました。イタリアの古い石造りの建物はとても有名ですけど、日本のお寺や神社にロボットはいちばんぴったりだと思います。

今では、ホームステイの部屋に一個ずつロボットが増えて押入れがすごく一杯で閉められない。家族の人は、あきれてびっくりしました。いつもホームステイのお母さんは、「マテオさん、どうしてこんなことに。止めて下さい」 でも私は止められない。実は止めたくない。

(ロボットが)どこが、どうしてそんなに好きですか、と聞かれますが、イタリアのファッションやデザインの側からは考えられない、ちょっと少しおおげさな形が好きです。ボクのロボット熱は、いくつになっても止まりません。終わりです。

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「刀を置き、花を手にしたサムライたち」(1)

2009年06月13日 | 全般
◆「刀を置き、花を手にしたサムライたち:「21世紀ネオ・ジャパネスク」大解剖」(1)                                 (朝鮮日報 2008/05/25)    
以下に数回に分けて紹介するのは、去年の5月、朝鮮日報オンライン日本語版に(1)から(6)として掲載された記事(朝鮮日報・金正薫・経済部長によるレポート)である。新聞に掲載されたあと、様々なところにコピーされて話題にもあがったと思われるので、読んだ記憶のある方も多いだろう。

あらためてここに紹介するのは、「クール・ジャパン」というテーマが、隣国・韓国の視点からではあるが、コンパクトにまとまっており、これをもとに私の観点から「クール・ジャパン」について少しばかり所感を記してみたいからである。

この(1)でも、すでに言及されているが、記事の関心は、文化的なパワーやブランド力をビジネスにどう生かすのか、という点にあるようだ。「クール・ジャパン」は日本における21世紀の国家戦略でもあるから、その「魅力戦略」から韓国が何を学ぶかという点に大きな関心があるようだ。

現に、次回以降の記事(2)(3)では日本の料理や食の問題に深い関心が払われているが、その後、韓国は国をあげて韓国料理を世界5大料理にしようというキャンペーンを大々的に行っている。これは明らかにクール・ジャパンの一部である日本料理の国際化に強い刺激を受けてのことのようだ。
そんな韓国の取組みも少し取り上げながら、数回にわけてこの記事を追ってみたい。

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

日本の将来を心配する人がいるが、その必要はなさそうだ。日本人は「TOTOの便器」に徹底した清潔感を、 「トヨタの車」に美しい日本刀のラインを取り入れる。品質ではこれ以上、競争が成り立たない時代に、日本は 「品格」を売り始めた。「高級イメージ」「日本ならではの物」を売り、新しい日本に向かって疾走している。

東京の渋谷・原宿一帯は「ストリート・ファッション」の世界的な聖地だ。週末になると自由奔放に着飾った若者 たちが街にあふれ、世界各地から集まってきた外国人と「ないまぜ」になり、独特の魅力を爆発させる。こうしたエネルギーのみなぎる街は、世界のどこを見てもここしかないのではないだろうか。

欧米のファッションデザイナーが渋谷へ「クール・ハンティング」に訪れるのは、もうおなじみの風景だ。渋谷発 のカジュアルファッション「A BATHING APE」や大阪が発祥の「EVISU JEANS」は各国の若者から支持される 世界的なブランドになった。渋谷の中心にある「東急ハンズ」前で会ったイギリス人女性リサ・スタンレーさん (英会話学校講師)は、紙袋を両手いっぱいに抱え、「東京はファンタスティックな街」と幸せそうに笑った。

聖地は東京都内のあちこちにある。世界のマンガ・アニメオタクが「聖地巡礼に行く」と言えば、秋葉原のマンガ・ キャラクター街に行くという意味だ。六本木ミッドタウンは洗練された消費欲を刺激するショッピングの聖地だし、汐留からレインボーブリッジへと広がる東京湾の幻想的な夜景は、ロマンチックな観光客の聖地だ。

日本経済のパワーは、全盛期を過ぎたと言ってもいいだろう。日本の製造業が世界経済を左右し、円が世界各国を引っかき回した1980年代のような時代はもう来ない。高齢化時代に入った日本経済は、ますます老いて いく可能性が高い。

しかし、文化的なパワーは違う。日本は経済力の代わりにマンガ・アニメーション・ゲーム・ファッションなどに 代表される大衆文化のパワーで世界を魅了している。清潔で、安全で、環境に優しいというイメージにより、 ほかのどの国よりも強力な国家ブランドを確立した。世界はそんな日本を「エコノミック・アニマル」ではなく 「クール・ジャパン(魅力的な日本)」と呼び始めた。また、「クール・ジャパン」は日本における21世紀の国家戦略でもある。日本政府・財界・学界は国の魅力とブランドの知名度を高め、これを生かして新たな豊かさを生み出すための戦略作りに熱を上げている。経済・技術に文化を融合させ、競争力を高めようと「魅力戦略」を展開している。

「クール・ジャパン」を取材するにはどこに行けばいいのか、と複数の日本人に聞いてみたところ、一番多かった 答えは「NOBU」だった。「NOBU」は世界的に有名な日本料理店だ。ニューヨーク・ロンドン・ミラノ・香港など世界 10都市以上に27店舗を展開しており、東京支店は都内の中心地・虎ノ門にある。

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本にいると自分まで教養があるように感じた02

2009年06月07日 | マンガ
2009.05.29 に「日本にいると自分まで教養があるように感じた」というタイトルで書いたが、今日はその続編である。このタイトルは、この日に取り上げた中国ブログの中の「日本人は礼儀正しく、教養がある。日本を訪れたからというもの、まるで私自身までもが教養があるかのように感じ、常に追求していた文明社会が日本で体現されているようであった。」という文章からとったものであった。

ところで、なぜ中国人の旅行者は、「日本にいると自分まで教養があるように感じた」のだろうか。これを理解するためには、ある程度中国側の状況を押さえておかなければならない。ここでいう教養とは、もちろん知識のレベルでの教養ではない。人間的なモラルとか礼儀とか社会生活をおくる上での常識などの面で、日本人の教養が高いといっているのであろう。

逆に言えば、中国人の道徳心や礼儀のレベルはかなり低いということなのだろうか。中国など他の国々の状況と比較することで、日本の文化や社会の状況がある程度、客観的に見えてくる面がある。その意味でも、サーチナの他の中国ブログの記事なども参考にして中国の状況を見てみよう。

「次に驚嘆したのは日本の秩序であり、怖いほど秩序があったのである。優雅な銀座、にぎやかな新宿、温泉で有名な箱根など、どのような場所であろうと目にするのは安全運転している車のみであった。耳をつんざくようなブレーキの音やクラクションの音を耳にすることは全くなかった。日本ではクラクションを鳴らすことを禁止されているわけではないにもかかわらずである。

私が日本を訪れたのは5月であり、浅草寺ではちょうど三社祭が行われていた。肩がぶつかりあうほど多くの人々が詰め掛けていたが、雑多な一角にあったトイレには人々が静かに秩序をもって並んでいたのであった。また、日本では犬を飼っている人が多く見受けられたが、犬の叫ぶ声やほえる声を聞くこともなかった。さらには道を歩いていても犬の糞尿すらないのであった。」(「犬は多いが糞尿が無い!」日本の秩序に驚愕 、サーチナ2009/06/03)

「日本に頻繁に出張に行く同僚の話によると、日本人は非常に衛生的だという。日本の学校では校舎に入るときには靴を履き替え、教室も毎日掃除するのだという。また、日本の街中も非常に清潔であり、にぎやかな場所であればあるほど、より衛生だと話していた。初めて訪日した際、同僚はその清潔さに震撼したと話していた。」(日本に対する「反感」が「好感」に変わった理由、サーチナ009/06/02)

ここで中国人が「驚嘆」したり「震撼」したりしているのは、中国には日本で発見したような秩序や清潔さが欠けているからなのだろう。タイミングよく、レコートチャイナには今日付けでこんな記事も出ていた。

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

決まりを守る人はバカ?中国人に欠ける「基本的な道徳観」―中国紙

2009年6月4日、中国紙・中国青年報は、メラミン入り粉ミルク事件や違法炭鉱の爆発事故など 中国全土で発生する考えられない事件の原因は、「中国人の基本的道徳観の欠如」だと論じた。

公務員による汚職、発がん性のある着色料の不正使用など、中国では実に様々な問題が 頻発している。記事は政府が提唱する「国のために命を捧げる」「勇気をもって正しい行いをする」といった類の大げさな道徳モデルを「普通の人には決して真似できないもの」と切り捨て,意味のない道徳教育が中国人全体の「道徳観の欠如」を招いていると指摘した。

記事によれば、中国人に必要なのは基本的な社会ルールを教えること。
中国には「列に並ぶ」「信号を守る」「ぶつかったら一言謝る」「トイレを流す」などの常識的な行為すら出来ない人が多い。決まりを守る人間は「馬鹿だ」という風潮すら存在する。それなのにいまだ「中国は礼儀の国」などと本気で言っているから、世界中の笑い者になっているのだと、記事は指摘した。(翻訳・編集/NN)

レコードチャイナ 2009-06-06 19:20:26 配信

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

このような状態の中国から日本に来て、日本人のなかで行動をし始めると、おのずと日本的な秩序の中で、それにそって行動するようになるから、「日本にいると自分まで教養があるように感じた」と感じるようになるのではないか。この辺の事情を養老孟司は、次のように表現している。

「中国では行列を無視し、ルールを守らないのは、そのほうが得だから。そういう社会システムになっているんですね。日本型の社会をいったんつくると、みんながルールを守ったほうが、結局みんなが得をするとわかる。だから中国人も、日本に住めばたちまち順応して、特別迷惑だということはない。」(『日本人ならこう考える』)

このような違いがあるからこそ、日本に順応することで中国人も自然に「教養が高まった」と感じるのではないか。そして、中国人が「震撼」するこのような日本人のあり方こそ、私たちが大切に守り育てていくべきものだろう。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする