クールジャパン★Cool Japan

今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

日本のポップカルチャーの魅力(1)

2009年04月06日 | マンガ・アニメの発信力の理由
日本のポップカルチャーが世界に受け入れられているのは、その背景となっている文化や社会が、他の国の人々に何かしら魅力的なものと感じられているからだろう。マンガやアニメを生み出す、日本という国の文化や人々の生き方に引き付けられるものがあり、共感を感じるからだろう。では、日本の文化のどのような面が魅力と感じられ、憧れられているのか。このブログでは、折に触れてこのテーマを探ってきた。ここで、これまでバラバラに触れてきたことを少しまとめてみたい。日本のポップカルチャーの強さの秘密を、ここではまずは大きな視点からまとめ、次第に個別の問題に触れることにしよう。

1)子供観のユニークさ
まず「子供に対する考え方・見方」に魅力がある。マンガ・アニメの中には日本独特の「子供観」があり、それが受け入れられているというのだ。欧米では、子供は未完成なものという認識がある。大人の理性がない存在は、完成された人間としては扱われない。赤ちゃんに対し英語では「it」とう代名詞を使うのはその表れだろう。欧米では、子供っぽいことは否定されるという。「あどけない」「かわいい」という子供らしさは、教育的観点からはマイナスの見方をされるのだ。

一方日本では、「子供は人間らしさの原点」と考えられる。大人になるとは、その無邪気な人間らしさが何がしか失われていくことを意味する。

「日本の躾は、社会のために理性を押し付けるのではなく、人間として本来覚えるべき心がけや行儀礼儀を、本人のために訓練して教えることである。だから、人間の精神世界の内部は自由である。‥‥したがって日本では子供は、そのまま子供らしく暮らせるし、それがマンガに表現されている。」(『数年後に起きていること―日本の「反撃力」が世界を変える』)

2)江戸時代から受け継がれてきた日本的な価値観の魅力
「宗教的な規制がない」、「イデオロギーに縛られない」、「自由奔放に表現する」、「はかないものを愛する」、「自分で働く」、「他人と協力する」などの日本の伝統的な特質が日本マンガの底流に流れている。大宗教、大思想に強く縛り付けれた一神教的世界から比較的自由なライフスタイルが、マンガやアニメに反映されて、大きな魅力をなす。世界が受け入れたオタクやカワイイ(子供らしさの賛美)といった言葉は、単なる表現ではなく、そこに日本人の精神性が反映されており、日本的な文化への憧れが含まれている。宗教やイデオロギー同士が深刻にぶつかり合って戦争を繰り返してきた歴史に対し、「武器よりもポップを!!」というメッセージを世界に広める意味をもっているかも知れない。(『日本のポップパワー―世界を変えるコンテンツの実像』、『あと3年で、世界は江戸になる!-新「風流」経済学』など)

(続く)

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