クールジャパン★Cool Japan

今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

YouTube動画、I love new Tokyo 再考(かんむりさんへ)

2009年06月30日 | マンガ
5月日付けの日本への憧れ、YouTubeへのコメントよりという記事に、かんむりさんからコメントをいただきました。パソコンの不都合のためかコメント欄にご返事できないので、ここにお返事させていただきます。

取り上げたYouTube動画は、以下のものです。

YouTube動画、I love new Tokyo 


◆みました (かんむり) 2009-06-28

>"I love new Tokyo"
なるほど、われわれには、どうということはないですが。たしかに、この動画についての、コメントは、賛辞が多いですよね。考えるに、ありふれた東京の風景でも、平和そのものというか、こころのやすらぎみたいのが、感じるひとが、多いのかもしれません。特にアメリカみたいな激烈な競争社会からのひとたちは
そういう印象をもつのかもしれません。
それと、新しいものと古いものとが、混在して、妙に調和がとれている、このへんも原因ありかと。

★コメントいただき私もあらためて考えて見ました。見慣れた東京、むしろ雑然とした東京の風景の動画に、なぜ憧れにもにた熱いコメントが寄せられるのかと。

動画は、なにげない東京の姿を、短いカットの連続で編集していますね。偏りなく東京のありのままの捉えているいるので、それが逆に私たちには分からない東京の魅力を外国の人たちには、強烈に訴えるのかもしれません。

それはかんむりさんが言うように、私たちが当たり前に受けいれている(だから私たちには自覚できない)、日常の東京の平和、やすらぎ、雑然とした中の調和と秩序などなのかも知れません。ともあれ私たちには分からないアピールする力がこの動画にはあるようです。

他のみなさんにも、この動画を見て感じたことをコメントしていただけると、うれしいです。この動画は、東京や日本のどのような魅力をアピールするのかという問題です。

>でも、技術のちからが、かつてより、落ちたとかいう
自信のなさが、論じられることもありますが、
そんなことはありませんよ。たとえば、筑波でおこなっている微生物を使った石油産出実験などは、
うまくいけば日本が、世界最大の石油輸出国になって、日本に世界の富が、集中。ほかにもまだ表面にはでないけど新技術は、めじろおしです。

★そんな技術開発もなされているんですね。知りませんでした。
そのうち、このブログでも、日本の優れた最先端技術について取り上げるのもオッも白いかなと思いました。

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日本にいると自分まで教養があるように感じた02

2009年06月07日 | マンガ
2009.05.29 に「日本にいると自分まで教養があるように感じた」というタイトルで書いたが、今日はその続編である。このタイトルは、この日に取り上げた中国ブログの中の「日本人は礼儀正しく、教養がある。日本を訪れたからというもの、まるで私自身までもが教養があるかのように感じ、常に追求していた文明社会が日本で体現されているようであった。」という文章からとったものであった。

ところで、なぜ中国人の旅行者は、「日本にいると自分まで教養があるように感じた」のだろうか。これを理解するためには、ある程度中国側の状況を押さえておかなければならない。ここでいう教養とは、もちろん知識のレベルでの教養ではない。人間的なモラルとか礼儀とか社会生活をおくる上での常識などの面で、日本人の教養が高いといっているのであろう。

逆に言えば、中国人の道徳心や礼儀のレベルはかなり低いということなのだろうか。中国など他の国々の状況と比較することで、日本の文化や社会の状況がある程度、客観的に見えてくる面がある。その意味でも、サーチナの他の中国ブログの記事なども参考にして中国の状況を見てみよう。

「次に驚嘆したのは日本の秩序であり、怖いほど秩序があったのである。優雅な銀座、にぎやかな新宿、温泉で有名な箱根など、どのような場所であろうと目にするのは安全運転している車のみであった。耳をつんざくようなブレーキの音やクラクションの音を耳にすることは全くなかった。日本ではクラクションを鳴らすことを禁止されているわけではないにもかかわらずである。

私が日本を訪れたのは5月であり、浅草寺ではちょうど三社祭が行われていた。肩がぶつかりあうほど多くの人々が詰め掛けていたが、雑多な一角にあったトイレには人々が静かに秩序をもって並んでいたのであった。また、日本では犬を飼っている人が多く見受けられたが、犬の叫ぶ声やほえる声を聞くこともなかった。さらには道を歩いていても犬の糞尿すらないのであった。」(「犬は多いが糞尿が無い!」日本の秩序に驚愕 、サーチナ2009/06/03)

「日本に頻繁に出張に行く同僚の話によると、日本人は非常に衛生的だという。日本の学校では校舎に入るときには靴を履き替え、教室も毎日掃除するのだという。また、日本の街中も非常に清潔であり、にぎやかな場所であればあるほど、より衛生だと話していた。初めて訪日した際、同僚はその清潔さに震撼したと話していた。」(日本に対する「反感」が「好感」に変わった理由、サーチナ009/06/02)

ここで中国人が「驚嘆」したり「震撼」したりしているのは、中国には日本で発見したような秩序や清潔さが欠けているからなのだろう。タイミングよく、レコートチャイナには今日付けでこんな記事も出ていた。

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

決まりを守る人はバカ?中国人に欠ける「基本的な道徳観」―中国紙

2009年6月4日、中国紙・中国青年報は、メラミン入り粉ミルク事件や違法炭鉱の爆発事故など 中国全土で発生する考えられない事件の原因は、「中国人の基本的道徳観の欠如」だと論じた。

公務員による汚職、発がん性のある着色料の不正使用など、中国では実に様々な問題が 頻発している。記事は政府が提唱する「国のために命を捧げる」「勇気をもって正しい行いをする」といった類の大げさな道徳モデルを「普通の人には決して真似できないもの」と切り捨て,意味のない道徳教育が中国人全体の「道徳観の欠如」を招いていると指摘した。

記事によれば、中国人に必要なのは基本的な社会ルールを教えること。
中国には「列に並ぶ」「信号を守る」「ぶつかったら一言謝る」「トイレを流す」などの常識的な行為すら出来ない人が多い。決まりを守る人間は「馬鹿だ」という風潮すら存在する。それなのにいまだ「中国は礼儀の国」などと本気で言っているから、世界中の笑い者になっているのだと、記事は指摘した。(翻訳・編集/NN)

レコードチャイナ 2009-06-06 19:20:26 配信

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

このような状態の中国から日本に来て、日本人のなかで行動をし始めると、おのずと日本的な秩序の中で、それにそって行動するようになるから、「日本にいると自分まで教養があるように感じた」と感じるようになるのではないか。この辺の事情を養老孟司は、次のように表現している。

「中国では行列を無視し、ルールを守らないのは、そのほうが得だから。そういう社会システムになっているんですね。日本型の社会をいったんつくると、みんながルールを守ったほうが、結局みんなが得をするとわかる。だから中国人も、日本に住めばたちまち順応して、特別迷惑だということはない。」(『日本人ならこう考える』)

このような違いがあるからこそ、日本に順応することで中国人も自然に「教養が高まった」と感じるのではないか。そして、中国人が「震撼」するこのような日本人のあり方こそ、私たちが大切に守り育てていくべきものだろう。


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日本にいると自分まで教養があるように感じた

2009年05月29日 | マンガ
ここを訪れる方々はご存知の場合が多いだろうが、Serchinaという中国関係の情報を中心としたサイトで、中国人が書いたブログを要約して日本語で紹介するページがある。最近は、年間100万人もの中国人が日本を訪れるので訪問した日本の印象を語る中国人ブログも多い。そして、そのほとんどが日本の清潔さ、日本人の礼儀正しさに驚くという。ここでは、最近、私にとってとくに印象に残った二つの記事を紹介しよう。

なおこのページは、毎日のように更新されているので、関心のある方はどうぞ。→ Serchina【中国ブログ】

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

【中国ブログ】訪日した中国人「まるで自分も教養があるように感じた」 (【社会ニュース】 2009/05/09(土) 18:15)

数年来、私は世界各国を訪問していたが、ついに日本を訪問する決心をした。中国を侵略し、中国人に深い苦しみをもたらした日本にはずっと行きたいと思えなかったのである。

私たちが幼少の頃から受けてきたのは日本を痛恨するという教育であった。企業に就職して日本人との付き合いが出来、日本企業の製品や管理においては日本人を敬服していたが、感情の上ではやはり暗い影が差していたのであった。

しかし、私は時間が経つにつれ、過激な偏見が我々の眼を曇らせているのではないかと気づき、自らの目で日本を見てみようと決心したのである。

私は東京、横浜、富士山、京都、大阪などを訪れたが、まず初めに感銘を受けたのは日本の環境保護と農業に対してである。

日本人は真剣に農業に取り組み、至る所に木々が生い茂ると同時に花が咲き誇り、空気は新鮮で、海や湖、渓流は清らかで底が見えるほどに透き通っていた。土地は肥沃で、植えられている作物は美しく、私はスイスに来たのかと疑うほどであったが、日本はスイスよりも素晴らしかった。

日本人は礼儀正しく、教養がある。日本を訪れたからというもの、まるで私自身までもが教養があるかのように感じ、常に追求していた文明社会が日本で体現されているようであった。

日本人は尊厳のある民族であり、彼らの製品や生活の至る所に尊厳が現れているのを実感した。国家全体、民族全体が尊厳を有しているというのは本当にすごいことである。私は日本を訪れて日本人の精神を深く感じ取ることが出来た。中国の現代社会や中国人民は日本に学ぶべきところが多いだろう。(編集担当:畠山栄)

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

まるで日本が「天国」であるかのような描き方ではあるが、この中国人旅行者に日本がそのように見えたことは確かなのだろう。日本は山が多く、森林の面積は国土の面積の67%に当たり、先進国中、森林の割合が60%を超えるのは、日本とスウェーデンとフィンランドだけだということだから、「至る所に木々が生い茂る」という印象は、もっともなものかも知れない。農業に関する部分など、日本の農業の、高年齢化などの実情を思えば素直に喜んでばかりはいられないのだが。それにしてもこの文章は、逆に中国の環境破壊の深刻さをうかがわせるものになっている。

ところで、ここに挙げたような内容のブログは、Serchinaに紹介される日本の印象記の類のブログの中の例外的なものではない。むしろかなり多くが日本礼賛のような内容なのである。Serchinaのスタッフが意識的にそういうブログを探してきては紹介につとめているのかもしれない。それにしても日本礼賛に近いものがかなり多いと感じる。もうひとつ紹介しよう。

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【中国ブログ】中国人から見た日本「貧富の差が見えない」 (【社会ニュース】2009/04/18(土) 10:38 )

「日本には貧乏人がいない」と言うべきと指摘されそうだが、これは間違っている。貧富の差が明確に現れる中国とは異なり、日本においては誰が「貧」で誰が「富」なのかを見出すことは難しい。中国の場合、ベンツやBMWに乗っている人や、ホテルに泊まることができる人は「富」の立場の人であり、貧富の差が明確で一目瞭然なのである。

それに比べ、日本では一目しただけでは誰が「富」の立場の人なのかを見出すことは出来ない。日本ではベンツやBMWを見かけることはあまり無いが、日本では金持ちで無ければ購入できないわけではなく、仮にベンツやBMWを所有しているからといって富裕層であるとは限らない。

さらに不可解に思ったのは、日本は資本主義を掲げながらも社会主義のような国であるということだ。今回の訪日は「日本の学校」を視察することであったが、日本の各学校の状況はそれぞれ異なるものの、一つの共通点があった。

それは校長先生と他の先生の差が非常に小さいということである。服装や態度からでは誰がトップの人間なのかを見出すことが出来ないのだ。また、企業においても社長や部長、一般社員の給料の差はそれほど大きくなく、給料の差は年齢の差に起因するのだという。

外国人という視点から中国と日本を比べた場合、あくまでも表面的で局部的ではあるが、私は日本と中国の間には「距離」を見出すことが出来なかった。「距離」というものは同じ道の上を、どちらかが前でどちらかが後ろにいる状態を意味するが、どうやら中国と日本は全く異なる道を歩んでいるようである。
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(出典:Jorling’s Blog 意訳編集担当:畠山栄)

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中国での凄まじい格差の広がりから見ると、一見だれが金持ちで誰が貧乏人か分からない日本の様子は、強く印象に残るのだろう。「校長先生と他の先生の差が非常に小さい」という感想は、面白かった。中国では、校長はどんな風に校長然としているのだろうか。

ところで、2009年1月13日時点のデータで、中国におけるインターネットの個人ユーザーは2億9800万人で、日本の人口の倍以上になるという。そしてブログを書く人は、1億6200万人。これもまた日本の総人口を軽く超える。こうなるといくら中国政府でも、そこに書き込まれる内容をチェックしきることは出来ないわけだ。現に中国政府の管理を超えてインターネットが力を持ち始めているという。インターネットの力で多くの政治家、官僚の不正が摘発されるようになっている。(『中国経済がダメになる理由』)

もしかしたら、日本を訪問した中国人のこうした日本印象記も、中国人の日本人観をたとえわずかずつでもかえていくかも知れない。

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日本人のここが好き

2009年05月26日 | マンガ
これまでの何回か、『私は日本のここが好き!―外国人54人が語る』(出窓社)からの引用を中心に、日本の平凡人、一般人が全体としてきわめて質が高いらしいとくことを、様々な外国の人々の意見を紹介するという形で確認してきた。今回はそのまとめということで、こまで取り上げた各意見の要点を列挙してみた。

◆「‥‥しかし、日本も政治家の実力と実績は客観的に言って三流だ。日本に住んでみると、はし店・魚屋・米屋・工事作業員の努力や実力が、韓国とは明らかに違うように思える。一部の政治家ではなく、国民全員が国の現実に責任を負っているのだ。」 (朝鮮日報のコラム)

◆「日本人は、真面目で勤勉、そして「質」をとても大事にすると思います。社会全体で常にエクセレンスをめざす。自分たちは気がついていないかもしれませんが、これはとても明白な素晴らしい利点です。そして、日本社会の最大の強みは、「一般人」です。日本には世界一の「一般人」がいますよ。」(スコット・キャロン)

◆日本人は、「『これが正しいことだ。自分はそれを正当に行う』と相手が自然にしてくれるからです。他人のためというより、自分自身の満足のいくまで仕事をする。それが誇りであり、名誉なのです。」(田丸メリー・ルイス)

◆「日本では皆が一体となって一つの事に立ち向かい、成功させていくことが出来ます。ですから僕は、日本がこの良い面を保ち続けることが出来れば、日本の未来は明るいと思います。」(ピーター・フランクル)

◆「どれほど日本人が自分の仕事に責任感を持ち、夢中になっているかということ。日本人はそのことに誇りを持って欲しい。世界的に素晴らしい現象なのだから。自分の仕事に誇りと責任を持つという点で、世界一なのだから。その素晴らしさを意識してほしい」(ロルちゃん)

このように多くの人々が、表現の仕方はそれぞれだが、同じような内容のことを言うのだから、やはり客観的に判断しても、それは他にない日本人の資質なのだろう。だとすれば、それをしっかり自覚した上で、失わないように心がけていく必要があるだろう。

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アニメ文化外交 (ちくま新書):YouTubeでのJapan熱を裏付ける本(2)

2009年05月17日 | マンガ
◆『アニメ文化外交 (ちくま新書)

YouTubeにも世界中から日本への熱い思いが寄せられるが、そういうJapan熱を生み出したいちばん大きな理由は、やはりアニメやマンガなのだ。この本を読んでいると、その当然といえば当然と思われる事実をあらためて再認識させられる。

「アニメバブル崩壊 DVD不振、新番組も減」というようなニュースも流れているが、この本の著者が実際に各地をまわって講演などして得た実感からすると、各国でのアニメ人気は、おとろえるどころかますます熱くなっているように思う。著者もいうように「ここ数年、アニメのDVD海外市場は縮小傾向にあるが、その最大の原因が違法ダウンロードにあること」は、ほぼ確実だろう。人気そのものの衰えではないのだ。

ちなみに本の中に出てくる講演を拾って見る。

2007年12月 チェコ(80名)
2008年3月 サウジアラビア
2008年9月 ミャンマー(450名)
2008年9月 ベトナム(700名)
2008年10月 スペイン(350名)
2008年12月 イタリア(120名)

他にドイツ、カンボジア、ラオスなど2008年中の講演であり、ごく最近のナマの現地報告であることが分かる。読んでいただければ分かるが、講演会での質疑応答やその後の交流など、ともあれその熱気が驚くほどなのだ。違法ダウンロードの問題は深刻だが、反面、インターネットによってかつてないスピードと規模で日本のアニメファンが増大しているのも確かなようだ。しかもその多くは、アニメを通して日本文化のファン、日本のファンになっていく。「日本人が知らないJpan熱」が世界に広がりつつあるのだ。

本のタイトルは『アニメ文化外交』だが、それはこのような日本熱をまず充分に認識して、それを有効な外交手段として活用することは、大きな可能性を秘めている、ということだろう。様々なアンケートでも日本とその文化が世界から好意的に受け止められていることがわかる。その背後にアニメの絶大な影響がある。日本のアニメは「平和をテーマにするものが多い」と理解されているようだ。このソフトパワーを平和な外交手段として大いに活用していくべきなのは確かなことだろう。

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アニメ文化外交 (ちくま新書):YouTubeでのJapan熱を裏付ける本(1)

2009年05月12日 | マンガ
◆『アニメ文化外交 (ちくま新書)

前回、YouTubeへのコメントから読み取れる、日本への熱い憧れについて書いた。今回取り上げる本は、私がYouTubeから受け取るのと同じようなたいへんなJapan熱が、やはり世界中に湧き起っているのだということを、アニメの観点から、しかも最新の情報で教えてくれる。5月10日に出版されたばかりの本だ。

著者は櫻井孝昌。コンテンツメディアプロデューサーという肩書きで、日本のアニメやファッションが世界の中でどのような位置を占め、外交上どのような意義があるかを研究しているという。また、世界中で「アニメ文化外交」講演を行っていおり、本書は各国で行った講演を通して、世界に日本のアニメがどのように受け入れられているかを、じかに肌で感じ取った最新のレポートになっている。

レポートは、ミャンマーやサウジアラビアといった日本のアニメが一見浸透しにくいと思われる国での講演の様子から始まる。両国とも予想を超える聴衆が集まり、会場は熱気に包まれる。どちらもインターネットの動画サイトなどで日本のアニメがかなり浸透しているようだ。

スペインでも日本アニメの人気は驚くばかりだ。フランス・パリの「ジャパン・エキスポ」(2008年13万人以上来場)については、日本でもある程度知られるようになった。しかしスペインでも、バルセロナの「サロン・デル・マンガ」(6万人規模)、マドリッドの「エキスポマンガ」(2万人規模」、アンダルシア地方の「サロン・デル・マンガ・デ・ヘレス」(2万人規模)と主要なものだけで三つの大規模イベントが開催されいることは、日本でもほとんど報道されていないし、私も知らなかった。

日本のポップカルチャーを好きとか嫌いとか言う以前に「僕たちは日本アニメで育っているんですよ」という人々が急増しているという現実。しかも2000年代になってからは、人気のあるアニメはインターネットで瞬時に世界中に広がるという現実。それは一方で、違法ダウンロードによる売り上げの縮小という危機を日本のアニメ業界にもたらしているが、前回のYouTubeへのコメントからも読み取れるようなJapan熱をも急速に世界に広げているのだ。

著者は、世界を講演して回ってその信じられないような熱気をじかに感じており、それが各国を回っての講演レポートの随所に描かれている。このアニメ人気をを何とかして平和的な外交の手段として生かしていきたいというのが著者の願いのようで、私も著者の願いと実践に共感する。

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「漫画に見る韓日の違いとは」

2009年04月13日 | マンガ
4月6日、7日、11日の3回、「日本のポップカルチャーの魅力」と題して、これまでアップしてきたいくつかの記事の内容を箇条書きにまとめた。一部エリートや上流層に作られ支配される消費社会ではない、本当に庶民や女・子どもが主人公の消費社会、知的エリートに統制されない大衆社会が日本に形成されつつあり、そこから発せられるコンテンツだから世界の共感を呼ぶ、という内容だった。昨日の「朝鮮日報」に、ちょうど関連がありそうな記事が載っていたので紹介する。記事といっても本のレビューだが。

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

◆漫画に見る韓日の違いとは(朝鮮日報/朝鮮日報日本語版:2009/04/12)

【新刊】チェ・セッピョル、崔洽著『漫画! 文化社会学的読み方』(梨花女子大出版部)

日本の漫画『美味しんぼ』は、美味しい料理を取材する新聞記者の冒険談を描いた作品だ。この漫画の中で韓国人は、大抵の場合、日本人よりもほお骨が大きく出っ張り角ばった顔の持ち主として描かれている。日本人と韓国人の見た目に大きな違いはないが、このように描く理由は何か。

押しが強く、自国の文化に対する自負が過剰なまでに強いといわれる韓国人に対する日本人の「先入観」がにじみ出ている画法だ。

本書『漫画! 文化社会学的読み方』は、小さな子どもが読む低学年向けとみなされることが多い漫画を、学問分析の対象とした独特な本だ。チェ・セッピョル梨花女子大社会学科副教授と、本紙で漫画愛好家として有名な崔洽(チェ・フプ)経済部記者が、「文化社会学」と「漫画」を同じ器に盛ってもみ溶かし、1冊の本として完成させた。ちなみにこの二人は兄妹同士だ。

二人の著者はひとまず、文化テキストは社会を映す鏡であると同時に、社会によって制限あるいは決定されると見る「反映理論」の観点から、人気漫画『キャンディ・キャンディ』の主題歌を注意深く分析した。

同じメロディーを使ってはいるが、日本の原曲がはつらつとした軽快な感じに編曲されているのに対し、韓国の主題歌は遅めのテンポで味がある、という特徴が見られる。歌詞の面でも、日本の原曲は「そばかすなんて 気にしないわ はなぺちゃだって だって だって お気に入り」といった明朗快活な内容を盛り込んでいる。一方韓国の主題歌は、「寂しくても 悲しくても わたしは泣かない 我慢して 我慢して 我慢しなきゃ 泣いたりなんかしない」という悲しみに耐える内容となっている。

著者らはこれを「1970年代の両国における女性の立場の違いから生じた現象だ」と分析している。「キャンディは本来、戦いながら自分の人生を開拓する積極的で活発な少女だが、当時の韓国社会は、そうした積極的な女性を受け入れられる雰囲気ではなかったため」、韓国ではキャンディが「耐える天使」として翻案された、というのがその解釈だ。

日本の漫画『魔女っ子メグちゃん』は、韓国では『妖術天使コップニ』とタイトルそのものが変わった。主題歌の歌詞も、日本の原曲では「二つの胸の膨らみは 何でもできる証拠なの」というところ、韓国では「たとえ女に生まれても 男でもできないことをてきぱきこなす」と、極めて受動的な内容に改められている。これもまた、同じ流れで読み解くことができる。

また著者らは、無条件に漫画を暴力的で有害な媒体だとみなす既存の見方について批判した。16世紀のイギリス国王財政顧問トーマス・グレシャムが残した「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉のように、「堕落した大衆文化が美しい高級文化を駆逐する可能性がある」との視点には、無理があるというわけだ。

人気連載漫画『鉄腕アトム』は、日本のロボット産業を変貌させた。また、2003年まで『週刊少年ジャンプ』で連載されていた人気漫画『ヒカルの碁』のお陰で、1998年には390万人にも達しなかった日本の囲碁人口が、2004年には450万人に増えたという。こうした点には、自然とうなずける。(ソン・ヘジン記者)

★★★~~~~~★★★~~~~~★★★

1970年代の日本ですでに、「はつらつとして軽快」、「明朗快活」な、「戦いながら自分の人生を開拓する積極的で活発な少女」が、マンガやアニメの主人公となり、ひろく共感を呼び、受けられていた。一方、韓国では「積極的な女性を受け入れられる雰囲気ではなかったため」、キャンディが「耐える天使」として翻案さたという。

しかし、テーマソングのイメージを変えてもストーリーを中心とした作品全体を変えることはできないから、キャンディの積極的なイメージはそのまま作品のメッセージとして韓国でも受け入れられていったであろう。あるいは、自分の国にはない何かとして、違和感を感じつつ、同時に魅力や憧れを感じていたのかもしれない。いずれにせよ、韓国の少女たちの意識に少なからず影響を与えていたのだ。

少なくとも一面において、マンガやアニメに、日本の大衆社会(この場合はとくに女性)の生き方や価値観が反映されていることは確かであり、それが、それを見る様々な国の人々への強烈なメッセージとなっているのも確かであろう。

日本発のマンガやアニメを楽しむ世界の人々は、そこに自国の社会や文化にない何かを発見し、それをクールと感じている場合が多いのだ。
コメント (1)
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『はだしのゲン』投票、ついに目標の1000に!アニメランキング4位

2008年12月28日 | マンガ
ついに1000票の大台に乗りました。

皆様、本当にご協力ありがとうございました。

★『はだしのゲン』は、アニメランキングのトップ4位に躍り出て、世界にその存在を知られる可能性がひらけました。

次の目標は、1500票。総合のランキングにも掲載される条件の投票数です。

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★現在、ブログなどで 「はだしのゲン」を世界へ!! という取組みを行っています。アニメ『はだしのゲン』を世界中の人に少しでも多く見てもらい、原爆の実態を知ってもらおうという運動です。IMDbという世界的な映画情報サイトでアニメ 『はだしのゲン』 に投票していただき、このアニメの存在を世界に知ってもらうことを呼びかけています。

皆様による、数分でできる投票が、あと500(総数で1500)集まれば、このアニメが、アニメランキングだけでなく、総合ランキングにも掲載され、ますます世界に知られるようになります。

ぜひ投票をお願いします。またブログ「はだしのゲン」を世界へ を紹介していただいたり、呼びかけ文 をブログやメールに貼り付けていただけると、なお目標が実現しやすくなります。詳しくは、呼びかけ文 や、 「はだしのゲン」への投票を!! をご覧ください。

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マンガはブラジルにどう広がっているか01

2008年01月13日 | マンガ
引き続き『をちこち(遠近)』の、№19(10・11月号)から記事を紹介しながら考えていきたい。今回取りあげるのは「斬新かつハイブリッドなブラジルマンガの創造へ」(ソニア・M・ビベ・ルイテン)というブラジルからのレポート。

ブラジルは、日系移民が多いので、かなり古くから彼らによってマンガが読まれ、アニメが見られてきた。しかし、ブラジルに大量にマンガが入ってくるようになったのは、米国やヨーロッパでマンガが流行するようになったを追う形だったという。そのころ日本の出版社が、積極的にマンガを輸出しはじめたのである。

報告によると、「ブラジル国内26州のうち、15の州でアニメ大会が開催され、各州で独自のフェスティバルを催す都市の数は11にのぼる。サンパウロ市の例を見ると、市内で開催されるアニメ関係のひとつのイベントだけでも7万人が詰めかける」という。

ひとつのイベントで7万人というのは、非常に多い人数である。しかもイベントに参加する大部分日系人ではないというから、ブラジルでもマンガ・アニメは相当に普及しているといえる。

◆次の姉妹ブログもお楽しみください。
世界史・日本史★クイズで楽しめ
英語の名言・癒しの言葉
精神世界と心理学・読書の旅
瞑想と精神世界   
精神世界の旅

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★現在、ブログなどで 「はだしのゲン」を世界へ!! という取組みを行っています。アニメ『はだしのゲン』を世界中の人に少しでも多く見てもらい、原爆の実態を知ってもらおうという運動です。IMDbという世界的な映画情報サイトでアニメ 『はだしのゲン』 に投票していただき、このアニメの存在を世界に知ってもらうことを呼びかけています。

皆様による、数分でできる投票が、あと300集まれば、このアニメが、アニメランキングのトップ10内に躍り出て、世界にその存在を知られる可能性が見えてきます。

ぜひ投票をお願いします。またブログ「はだしのゲン」を世界へ を紹介していただいたり、呼びかけ文 をブログやメールに貼り付けていただけると、なお目標が実現しやすくなります。詳しくは、呼びかけ文 や、 「はだしのゲン」への投票を!! をご覧ください。

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マンガはフランスにどう広がっているか

2007年12月27日 | マンガ
引き続き『をちこち(遠近)』の、№19(10・11月号)から記事を紹介しながら考えていきたい。今回取りあげるのは「マンガの出版形態が『バンド・デシネ』に変革を迫っている」というフランスからのレポート。

「バンド・デシネ」は、フランス独自のコミック形態だが、その独自のコミック文化が、日本のマンガの進出に押されぎみだという。フランスでの新刊コミックの4割強は、MANGAだというのだ。2006年のコミック売り上げのベスト50のうち19点が日本のマンガだという。

日本のマンガの成功を受けて、バンド・デシネの業界では、日本マンガの出版形態に倣おうとする動きが見られるという。作家レベルでは、90年代後半から、日本のマンガの画風を真似たり、コマ割を日本風したりの影響が見られた。現代では、さらに出版形態も日本式を取り入れた例が見られるようになった。具体的には、版型を小さくし値段をおさえるなどだが、読者の意見を作品に生かす試みも日本のマンガの方式の影響を受けている。

さらには、フランス人が日本式のMANGAを作る例も見られる。昨年、フランス人作家によるMANGA誌「SHOGUN」も創刊された。日本の週刊マンガ誌をそっくりまねる形態だという。また、デルクール社は、女性作家Jennyの少女漫画風作品「Pink Diariy」をヒットさせたという。女性による女性のためのコミックの道を切り開いたのは、日本マンガの功績のひとつだろうという。絵柄も日本風であり、しかも日本人の女の子キヨコを主人公とするという。

以上からも、たんにに日本マンガが受け入れられるだけでなく、その出版形態や、フランス人によるコミックの創作法にまで広く影響を与えているのがわかる。画風が真似られるだけではなく、ストーリーの展開や、作品にもられる考え方にまで、何かしらの影響を与えていると思われる。

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皆様による、数分でできる投票が、あと300集まれば、このアニメが、アニメランキングのトップ10内に躍り出て、世界にその存在を知られる可能性が見えてきます。

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フランス人の「日本熱」はマンガから

2007年12月17日 | マンガ
今日は、『フランス人「日本熱」 来日者数10年で倍 漫画で関心』というasahi.com(2007年12月05日)の記事からを紹介します。

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日本の漫画やアニメが根強い人気を持つフランスから、日本にやってくる人が増えている。「漫画を原文で読みたい」と日本語を学ぶ留学生、アニメゆかりの場所を巡るフランス人向けツアー。漫画を入り口に、日本文化に関心をもつ若者も少なくない。

漫画が留学などのきっかけになったエチエンヌさん(左)とブラサクさん=東京都世田谷区の駒沢大学で「大きな森に神木、鳥居。景色が漫画の背景と一緒で感動した」。駒沢大学に留学しているガエル・ブラサクさん(22)は、「日本の原風景」を求めて訪れた長野でそう感じたという。「漫画を原文で読みたい」と、大学入学と同時に日本語を学び始めた。やがて芥川龍之介や太宰治と、興味は文学にも広がった。

東京でインターンをする大学院生、ジュリアン・エチエンヌさん(24)が一番好きな作品は、侍文化を描く「るろうに剣心」。「もう刀は持っていないだろうが、その精神は日本にまだ残っているのでは」と考えた。

京都外国語大留学生のカリーン・パルマさん(21)は漫画の翻訳家を目指す。「語学上達はもちろん、漫画でみた日本の生活を感じたかった」

フランス人の日本の大学などへの留学生は、06年で417人(文部科学省調べ)にとどまるが、「予備軍」は急増中だ。フランスでの日本語学習者は、06年には1万5534人(国際交流基金調べ)と84~85年の約5倍。ヨーロッパ諸国では最も多い。近藤安月子(あつこ)・東大教授らが日本語を学ぶ動機などを尋ねた05年の調査では、「漫画・アニメ」が最多の30%で、専攻学生の8割が留学を希望していた。

漫画は旅行者数にも影響しているようだ。06年のフランス人の来日者数はここ10年でほぼ倍増の12万1310人。フランス人向けに、秋葉原や宮崎駿監督が館主を務める「三鷹の森ジブリ美術館」、コスプレイベントなどを巡るツアーを企画する会社も登場した。

フランスで日本アニメの放映が本格的に始まったのは80年代後半。91年には「ドラゴンボール」が出版された。これらで育った世代が成人になりつつあることが背景にある。京都精華大マンガ学部の牧野圭一学部長は「日本の漫画は政治から歴史、囲碁など幅広い対象を扱い、日本文化のカタログの役割を果たしている。19世紀、浮世絵を通じて日本に関心を持ったことに似ている。新しいジャポニスムですね」と話している。

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確かに、浮世絵を通していち早く日本文化を発見し、ヨーロッパでジャポニスムの流れを最初につくったのはフランスだった。ヨーロッパでいちばん早く日本のマンガ文化を受け入れたのもフランスだった。歴史は繰り返すのだろうか。

フランスを中心として、マンガやアニメを中心としたJPOPが人気を呼ぶ状況は、確かに浮世絵が流行したのと比較できるかも知れない。19世紀後半にフランスを中心としてみられたジャポニスム(日本趣味)は「生活全体が深く自然と調和し,文化・芸術のすべてが自然に根ざしているという日本人と自然との結びつき方が,ヨーロッパの作家たちに強い衝撃を与えた」ともいわれる。

現代のジャポニスムは、マンガやアニメを通して、現代日本人の生活や文化のどのような側面が、フラン人に「衝撃」を与えているのだろうか。

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マンガはアメリカにどう広がっているか

2007年12月16日 | マンガ
引き続き『をちこち(遠近)』の、№19(10・11月号)から記事を紹介しながら考えていきたい。この号は、「マンガからMANGAへ」というタイトルの特集で、先に紹介した対談のあとは、各国でMANGAがどのように受け入れ、広がっているかの現時報告である。まずは、アメリカからのレポートを取り上げよう。

「MANGAは北米出版界史上空前のヒット商品」(市村恭一)というレポートである。1980年代初頭、北米に日本のマンガがほとんど進出していない状況を切り開いたのは、日本人の開拓者たちであり、レポートはそのパイオニアたちの活躍を報告している。

その努力の甲斐あって、現在では、北米マンガファンの総数は、約150万~200万人と推定されるようだ。売り上げ規模は日本の20分の1規模で、4年前の6~7倍に急成長しているという。

現在、北米で人気があるのは、やはり「サムライ」「着物」「忍者」「Jホラー」といった伝統的日本に関係するものが多いようだ。一方で、「カワイイ」や「雅やか」、「平和で仲良し」といった現代日本的な作品も人気が出てきているという。

「平和で仲良し」というのは、まさしく「一億総中間層」的な、階層格差の少ない日本の社会の特徴を表現するものであり、そのような日本の社会の魅力がマンガを通して認識されつつあるということだろう。

日本は、様々な面でコンテンツの宝庫だが、しかしまだ文化や習慣の違いが障害となって、北米で受け入れられにくい作品も多い。しかし、今アメリカでは、食文化やJPOPを中心とする音楽、伝統的なスポーツなども受け入れられはじめた。それにともなって、そうしたものをテーマとするマンガもされに広がっていくだろうと、レポートは報告している。

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マンガは世界にどう広がっているか04

2007年12月15日 | マンガ
日本で唯一の国際交流専門誌『をちこち(遠近)』の、№19(10・11月号)から「マンガは文化の相互理解をもたらす」という夏目房之介氏と山田奨治氏の対談を紹介してきた。前回(03)では、日本は、「一億総中流」といわれるように、巨大な中間層があったからこそ、マスとしてのマンガ市場が出来、そこにいろいろな表現が芽生えてきたのではないかという指摘を紹介した。

日本の社会は、階層性のきわめて少ない、巨大が中間層が中心をなす社会だ。そのような社会そのものの価値観が、マンガの中に自ずと反映されており、それが日本のマンガが受け入れられるひとつの背景になっているかも知れない。

外国からやって来てある程度、日本の社会を知った人々が驚くのは、日本では貧富の格差がそれほど大きくなく、人々がほとんど同じような暮らしを営んでいるということだという。日本以外の国々では貧富の差が非常に激しく、金持ちの暮らす場所と貧困者が暮らす場所は明確に分かれている場合が多い。

しかも、両者の環境はまったく異なっているという。富裕層が暮らす市街は清潔で治安もよい。逆に貧しい人々が暮らす街は不潔で、治安も悪いことが多い。日本にも、山の手と下町の呼び方はある。私も東京の下町に暮らしている。しかし、だから自分が下層だとコンプレクッスに陥ることはない。下町に住んでいる富裕層もたくさんいる。しかも、どちらに住んでいようと、安心して住める。下町の方がより危険だと感じたことは、もちろん私もない。

外国人がもっと驚くのは、山の手の人間が下町に、下町の人間が山の手に自由に往来できることだという。そんなことを指摘されると逆に日本人の私たちが驚いてしまう。日本以外の国々では、必ずしもそうではないらしい。

ある外国人はいう。「日本では、金持ちも庶民も同じ商店街で買い物をし、気軽に言葉を交し合っている。そこには、欧米のような階級社会はないのだと知った。それは‥‥‥、まさにユートピアの一つの形であると感じた。」

日本が格差社会になりつつあるというが、上流社会と下層社会が画然と区別され、そこに普通の交流すらない、などということはない。世界のほとんどの格差社会とは、やはり違うのである。

マンガは、そうした巨大な「中間層」に消費され、そのような普通の日本人の意識や希望や挫折や喜びや悲しみを反映している。日本人には意識しにくいが、マンガには、外部から見た日本の社会の魅力が、自ずと反映している。だからこそ、それはクールと感じられ、好感ももって受け入れられるのだろう。

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マンガは世界にどう広がっているか03

2007年12月08日 | マンガ
◆アジアの中間層の形成と日本のマンガの受容

国際交流専門誌『をちこち(遠近)』№19(10・11月号)より、「マンガは文化の相互理解をもたらす」という夏目房之介氏と山田奨治氏の対談をめぐって続けたい。

3)日本のマンガの浸透は、社会的な中間層の形成と一体となっている。それが、タイやインドネシアの状況を見るとはっきりと分かるという。中間層の子弟たちは、マンガをクールでかっこいいものと感じ、尊敬している。基本的に戦後の日本のマンガは、大衆社会とそれを支える中間階級の文化なので、他の国でもそういう階層が増えれば増えるほどマンガが受け入れれていくのであろう。

日本は、「一億総中流」といわれるように、巨大な中間層があったからこそ、マスとしてのマンガ市場が出来、そこにいろいろな表現が芽生えてきたのではないか。

これは、とても興味深い視点だと思った。マンガがクールな何かとして受け入れられるひとつの理由がここにあるのかもしれない。今こそ「格差社会」などといわれるが、それでも日本の社会は、階層性のきわめて少ない、巨大が中間層が中心をなす社会だ。そのような社会そのものの魅力が、マンガの中に自ずと反映されていても不思議ではない。

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マンガは世界にどう広がっているか02

2007年12月07日 | マンガ
◆女性自身のためのマンガ

さらに国際交流専門誌『をちこち(遠近)』№19(10・11月号)より、「マンガは文化の相互理解をもたらす」という夏目房之介氏と山田奨治氏の対談を読んで、興味深かったことをいくつか、取り上げていきます。

対談の中で興味をもった話題をいくつか取り上げると、

2)女性が、近い年代の女性に向けて描くというマンガのジャンルを発達させたのは日本だけだという。欧米でもアジアでも、女性たち自身のメディアがあることが衝撃的なようだ。女性自身のためのマンガというのは、文化的な影響が強く、特に東アジアでは、同じようにマンガを描きたいという女性が多いという。2000年代以降、欧米でも急速に女性による女性のための日本マンガを読むようになっている。

これは、マンガを通して、その背景にある日本の文化や価値観が世界にひろがっていく例のひとつだろう。日本のマンガやアニメが世界に受け入れられる背景には、その背後にある文化や生活様式の全体が、好意的に受け入れられ、ひろがっていくプロセスがあると見てよい。

ある社会の中で女性の地位が高いかどうかは、何を基準にしてそれを判断するかで大きな違いがあるだろうが、上のような事例もふくめ全体的に見た場合、意外と日本の社会は、女性の活躍の場、女性を元気にする仕掛けが多いのかもしれない。

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