経堂めぐみ教会

日曜礼拝のメッセージ動画です。

2月2日 「大逆転」

2020-02-04 11:27:50 | 礼拝
聖書:エステル記6:1~11   

 ユダヤ人はハマンの策略により民族滅亡の危機に直面しますが、エステルはモルデカイの進言、「あなたがこの王国に来たのは、もしかすると、このような時のためかもしれない。」を受けて、自分の命を懸けて、自分の民族を救うために王の前に出ることを決意します。 (5:1)「エステルは王妃の衣装を着て、王室の正面にある王宮の奥の中庭に立った。王は王室の入り口の正面にある王宮の玉座に座っていた。」まさに息を呑む緊張の瞬間です。その時、王は手にしていた金の笏をエステルに差し伸ばしました。彼女のいのちは助かりました。王は彼女に(3)「どうしたのだ。王妃エステル。何を望んでいるのか。王国の半分でも、あなたにやれるのだが。」と尋ねますと、エステルは(4)「もしも王様がよろしければ、今日、私が王様のために設ける宴会にハマンと御一緒にお越しください。」と願います。その夜、王はハマンと一緒にエステルが設けた宴会にやってきました。その席で再び王はエステルに尋ねますが、その場でも答えることをせず、明日もう一度自分が設ける宴会にハマンと来てくださるようにと頼みます。

 そして、この緊迫した状況は、その夜に変わり始めます。(6:1)「その夜、王は眠れなかったので、記録の書、年代記を持って来るように命じた。そしてそれは王の前で読まれた。」その夜、王は眠れなかったので、記録の書、年代記を持ってくるように命じました。そこには過去の重要な出来事が克明に記録されていました。その中で、入り口を守っていた王の二人の宦官が王を殺そうとしていることをモルデカイが報告した、と書かれているのを見つけます。王暗殺計画を未然に防いだモルデカイの功績を発見します。「その夜、王は眠れなかったので」は、10章からなるエステル記の中心であり、正にエステル記のターニングポイントとされています。この一節をもって状況は一転します。ここで王はモルデカイにこれだけの功績がありながら、何一つ栄誉を与えず、昇進もさせなかったことに気づき、王は彼に最高の栄誉を与えようと考えます。それで、王は栄誉を与えたい者の名を隠してハマンに尋ねます。(6)「王が栄誉を与えたいと思う者には、どうしたらよかろう。」と。するとハマンは王が栄誉を与えたいと思う者は自分以外に誰がいるだろうと思い込み、最大限の栄誉を王に伝えます。(9)「王が栄誉を与えたいと思う人には、王服を着せて、頭に王冠をかぶらせ、馬に乗らせ、都の広場に行って『王が栄誉を与えたいと思われる人はこの通りである』と、ふれまわらせてください。」すると王はハマンに(10)「あなたが言ったとおりに、すぐ王服と馬をとってきて、王の門のところに座っているユダヤ人のモルデカイにそのようにしなさい。あなたの言ったことを一つも怠ってはならない。」と命じました。なぜ王の口からモルデカイの名前が出るのか?!今まさに木にかけて殺そうとしていたモルデカイが最高の栄誉をもらい、ハマンはモルデカイの引き立て役をすることになったのです。ハマンの計画は完全に狂い始めました。

 それから、王はハマンを連れて再びエステルの宴会にやってきました。ハマンはすっかり気落ちし、心の余裕を失っていました。宴もたけなわとなったころ、例によって王はエステルに好意を示します。これで三回目です。「あなたは何を願っているのか。それを授けてやろう。」今まで王の好意への応答を引き延ばしてき彼女は、その夜ついに心中を打ち明けます。(7:4)「私も私の民族も、売られて、根絶やしにされ、虐殺され、滅ぼされようとしています。私たちが男女の奴隷として売られるだけなら、私は黙っていたことでしょうが、そうはいきません。その迫害する者は、王のお受けになる損失を償うことはできないのですから。」傍らでこのエステルの訴えを聞いていたハマンの心境はどうだったでしょうか。今までエステルは自分がユダヤ人であることを隠していましたがここで明らかにします。王は(5)「そんなことをしようと心に企んでいる者は、いったいだれか。どこにいるのか。」この問いかけに、エステルは、(6)「迫害する者、敵とは、この悪人ハマンです。」と告げます。それを聞いたハマンはたちまち震え上がりました。ハマンは結局、王の命令により自分がモルデカイのために立てた木に掛けられてしまいます。その後、ユダヤ人を守るための新しい法令が発布されユダヤ人たちは助かりました。

 エステルは、自分の民族の滅亡という危機の中で、神の召しに応答して王の前に立ちました。神から知恵が当てられ、2回の宴会を開き、その時が来た時に、ハマンの策略を王に伝えました。エステルとモルデカイの勇気と信仰によって最大の危機から守られましたが、その背後にあって神はいつも見えない御手をもって、すべてのことを計らい導かれたのです。2回の宴会の間に、王が眠れず年代記を読み、このタイミングでモルデカイの功績が発見されます。エステル記には神の名前が一度も出てきませんが、本当の主人公は神ご自身と言えます。私たちが気がつかなくても、見えなくても、日々の生活の中で、神は私たちに関わってくださっています。私たちが行動するより先に、神が私たちを心配し、守りや救いを備えていてくださいます。エステルとモルデカイは困難の中、神を信じて神の召しに応答していきました。その時に、神は介入し状況が逆転していきました。神は私たちの人生のうちにも豊かに働いていてくださり、ご自身の摂理の御手をもって守り支えてくださいます。(詩篇37:5)「あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。」
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 1月26日 「託された使命」 | トップ | 2月9日「天の神に祈ってから」 »
最新の画像もっと見る

礼拝」カテゴリの最新記事