函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

沖縄はどうなっているのだろうか

2018年05月12日 06時33分39秒 | えいこう語る

▼私が住む地域は、太平洋に向かって左右に岬が突き出たU字型をした地形だ。自宅はUの底に位置するので、毎日海を見て生活している。

▼水平線が岬と岬で区切られているので、太平洋がちょっぴり狭いと感じることもある。その水平線を見て時々思い出すのは、昔し映画で観た第二次世界大戦の、ノルマンジー作戦や沖縄上陸作戦の時の、ある朝、水平線上を埋め尽くすほどの敵の艦隊が並び、一斉に砲撃を始めるシーンだ。

▼国会中継を観過ぎたせか、大臣や官僚に似てしまい、最近記憶がとみに薄くなってきた。10年ほど前だったと思うが、右側の岬から突然戦闘機が現れ、低空飛行で左の岬をに飛び去るというのが、何度か続いた。

▼砂浜に座って釣りをしていたが、大轟音と共に戦闘機が低空飛行で飛び去り、思わずのけぞりそうになった記憶がある。

▼私の上を通過したすぐ後、周囲の山々に響くドカン・ドカンと、まるで爆撃でもしたかのような音が鳴り響き、憂鬱な気分になったのを思い出したのが、数日前に再び起きたのだ。

▼外に出ると、後方の山から戦闘機の轟音が聞こえてきた。一機が海に向かい左旋回したと思うと、二機目が近距離で後を追いかけるように飛んで行った。まさに戦闘訓練だ。その後戻ってきたのか、計3回同じ行動を繰り返した。

▼最近、米軍の飛行機事故が相次いだ沖縄県、毎日がこんな状態なのだろうか。沖縄には「憲法9条」は通用していないようだ。いまだに米軍の占領地という感じだ。

▼沖縄には無用のように見える「9条」でも、存在することで「憲法違反」を主張できる。だが「9条」が改正されたら、沖縄県は「地位協定改正」どころの話ではなくなる。本格的な「米軍占領基地」ということになるに違いない。

▼戦争に負けて、米軍の駐留を許したので、人権無視の不平等「地位協定」が存在し、今に至っているていると思っていた。

▼同じ敗戦国のイタリアやドイツの地位協定は、ドイツでは国内の航空法に従わせ、警察権も確保しているという。訓練もドイツの許可でおこなうという。

▼イタリアの米軍基地は、イタリア軍が管理し、イタリア軍の司令官が常駐している。自治体の要請で、飛行ルートが変更されることもあるという。

▼このことは作家の池澤夏樹さんが、朝日新聞に書いている。さらに、初めからこうだったのではなく、何度かの交渉で改正されたという。どちらも敗戦国でありながら、主権を確保する努力を行ってきた結果だという。

▼ではなぜ日本だけが、地位協定を改正できなかったというのは、白井聡著の「国体論・菊と星条旗」」が根源的な答えを提示しているという。

▼「国体とは天皇を原点に頂く、君臣相睦みあう家族国家を理念として、全国民を強制する体制」のことだという。だがこれは敗戦で崩壊した。

▼しかし、大日本帝国憲法による天皇が消えた後の空白に【アメリカ】が入り込んだと白井氏は分析し、そういう形で新たな国体が継続されたのではないかと指摘する。

▼今まで考えたことがない、目の覚めるような指摘だ。米国は天皇の戦争責任を免除した。それは、天皇を中心とする世界でも特異な国柄をみて、天皇を処罰しなかった。

▼単に統治をスムーズにするために、天皇を利用したのではと考えていた。だが、象徴天皇という隙間にアメリカが、滑り込んだため、アメリカは天皇と肩を並べる存在となってしまったのではないか。

▼そうであれば、いまだにアメリカには「朝貢外交」に見えるアベ総理の姿勢が理解できる。「森友・加計学園問題」で苦境に立たされると、トランプ大統領に「北朝鮮の拉致問題解決」を頼みに行く。

▼そんな気弱な外交を見透かされてか、米朝会談前に北朝鮮は米国の拉致者だけを開放している。その解放の瞬間をテレビで観て、直感的に日本の拉致問題の解決は、米朝会談では会話の外に置かれたのではないかと思った。

▼アベ総理は拉致問題を頼みに行ったことで、米朝会議での非核化の進展の見返りの、米国の経済支援の肩代わりをさせられるのではないかと、そんな邪推を持ってしまう。

▼「日米地位協定」の改善もままならないことや、米国に追従する外交が続いているのを考えると、白井氏が指摘する、天皇の隣に米国が鎮座しているという指摘は理解できる。

▼「9条改正」で、自衛隊を軍隊にするというのは「日米安保下」で「米軍の極東部隊」に編入されるということではないか。そこで、米軍は大幅に撤退し、日本軍にその役目をバトンタッチするという目論見か。

▼北海道の片田舎で、戦闘機が低空したことに驚き、あらぬ妄想を抱いてしまった。だが、戦闘機や、墜落しやすいオスプレイが毎日飛び交う沖縄県。

▼戦争は73年目前に、終わっているはずなのに、いまだに沖縄は血なまぐさい米軍機が飛び交ってる。沖縄の空は「米国の空」なのだ。

▼沖縄の青い空は、実は「アメリカンブルーの空」なのではないかと考えると、なんだか気持ちがブルーな今朝の私だ。