夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

友人の故郷へ

2018-03-17 22:28:49 | 日記
昨日、名古屋駅で両親と別れた後で、私は大垣に移動し、駅前の宿に泊まった。
昨年の今頃亡くなった、大学の同期の友人がこちらの出身で、お墓参りをさせていただきたいと、先日ご実家にお願いしていたのだ。

今朝、駅前商店街で供花を買い、養老鉄道に乗って三つ目の駅で降りると、友人の父君が待っていてくれた。
そのまま車に乗せていただき、墓所へ行く。
友人の墓所は、西に伊吹山、北に遠く御嶽山を望むよき地にあった。
墓石に刻まれた友の名と戒名を見て、改めて彼が帰らぬ人であることを知る。

昨年、彼が亡くなったときは、ご実家での家族葬だけで、弔問や香典の類はお断りされる旨、人づてに聞かされていたため、それからずっと、彼がこの世にいないことがどこか信じられないままであった。
お墓参りをさせていただいて、ようやく気持ちの整理がついたように思った。
彼とはもう、会って話すことも、酒を酌み交わすことも、年賀状やメールが来ることもない。
年来の友人を失ったことは、他の何によっても埋めがたいが、私などより、大切なご子息を失ったご両親の悲しみがどれほどのものであったかを思うと、私の墓参を認めてくれたご厚情に感謝せずにはいられない気持ちになった。

その後、友人のご実家に行き、彼の母君ともお話をさせていただいた。
私はすっかり忘れていたが、大学時代に、私が彼のことでご実家に電話をかけてきたことがあったそうで、やはり母親というのは、子どものことならどんなことでもよく覚えているのだなあと思った。
あまり長くならないうちにおいとましたが、わずかな時間でも、亡き友をはさんでご両親と会話させていただいたような気がする。