夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

東京の寒さ

2017-01-13 22:07:26 | 日記
先日、東京で買い物をしていて、自分が旧世代の人間に属することを自覚させられる出来事があった。
洋服を買うのに、「セーター」と言ったら若い店員さんに「ニット」と言い直され、「ジーンズ」と言ったら「デニム」と言い直された。
こういうところに年齢が出るのだなあ。


昼食(もちろん燗酒付き)後、出光美術館に行き、「岩佐又兵衛と源氏絵―〈古典〉への挑戦」展を観てきた。
私自身は、岩佐又兵衛の斬新な画風はあまり好きではないのだが、最初の方に展示されていた土佐光吉の源氏物語画帖(重要文化財)は食い入るように見てしまった。
今まで図録の類でしか見たことがなかったが、実際にこの目で見ると、丹念で細密に描き込まれた絵の美しさに心を奪われる…。
これはぜひ、今度の源氏物語講座で、受講者の方々にお話ししなければ。

それにしても東京の冬は寒い。
夏目漱石が確か『こころ』で、「寒さが背中にかじりついたような」と書いていたのは、こういうことをいうのかと思う。