夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

和歌愛愛

2017-01-12 22:15:08 | 日記
今日、私の担任するクラスのLHRでは、新年にふさわしく百人一首大会を行った。

今の若者は、ほとんど百人一首に馴染みがないので、通常の競技用かるたではなく、「五色百人一首」を使う。
これは東京教育技術研究所の作成した、主に小学生向けの教材で、百人一首の取り札100枚を20枚ずつ5色に分けてあり、2人組で対戦し1試合3分で実施することができる。
取り札の裏には、その和歌の上句が書かれており、試合を始める前にそれを見ながら覚えることができる。
歌の読み手は私が務めたので、試合のインターバルを長めにとり、学生たちが少しでも多くの歌を覚えてくれるよう願いつつ、ゆっくり40分ほどかけて5回戦まで行った。


試合を始めると、学生たちが本当に熱中というか、熱狂するのに驚く。
1枚札を取る度に歓声が上がり、ガッツポーズをする者もいる。
荒れたクラスも立て直す、という教材であるのもうなずける。
男女が自然に仲よくなり、みんなで楽しめるのもいいなと思った。
「和気靄靄」をもじって、「和歌愛愛」と言いたくなる。
昔、百人一首のかるた大会が、男女の出会いの場だったという話も思い出しながら、心はなやぐひとときを過ごした。