夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

「懐紙―歌道のあゆみ―」展

2017-01-10 22:28:21 | 日記
センチュリー美術館で開催中の「懐紙―歌道のあゆみ―」展。
熊野類懐紙も出品されると知り、これはぜひにもと観に行った。(1月7日)
今の私には、仮名古筆の優品を実際にこの目で鑑賞することが、何よりの学びになる。

センチュリー美術館は、早稲田大のすぐ近くにあり、開館まで少し時間があったので、大隈庭園で散歩してきた。


「懐紙」(かいし)とは、昔の貴族たちが携帯した「ふところがみ」のことであるが、詩歌の会においては、清書用紙として用いられた。
会場には、主に鎌倉~江戸時代の和歌懐紙が中心に展示されており、その中でも特に後鳥羽上皇側近であった藤原長房や、同時代の歌人の源仲家、藤原清実のものを興味深く見た。

800年も昔のものなのに、紙が多少変色している程度で、色の濃淡、墨継ぎ、筆づかいなどが時を超えて生々しく伝わってくる。
他にも正徹、三条西実隆、飛鳥井雅康などの貴重な遺筆もあり、これからもまだまだこうした作品に触れ、多くのことを知りたいという気持ちになった。