夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

すみいろ

2016-05-15 21:44:25 | 日記
岡山市の林原美術館に、企画展「すみいろ――古筆・宸翰(しんかん)・大名の書――」を観に行ってきた。
藤原定家の日記『明月記』原本の新出断簡や、伝冷泉為相筆『古今和歌集』や現存が確認されていない『後嵯峨院御集』の断簡など、初公開の重要資料ばかりで、見ていてワクワクしどおしだった。


岡山藩の初代藩主・池田光政自筆の『風葉和歌集』抜書は、3月に山陰地域の研究者の会合で発表があったものの現物なので、特に興味深く見た。

この企画展は先月12日から始まっていたが、今までずっと都合がつかず、会期が終了する今日になってようやく観に行くことができた。
主催者側の挨拶文に、
「すみいろ」があらわすのは王朝の雅(みやび)や歴史だけでなく、それが書かれた時代や、書いた人のこころや美意識です。本展を通して、書が持つ様々な魅力を感じていただければ幸いです。

とあったように、名筆家や天皇・大名の書の見事さに魅了され、また尽きぬ興味を刺激されて帰って来た。