今日は、月に1度の源氏物語講座の日。
毎回、『源氏物語』を一巻ずつ進み、和歌を含む場面を取り上げて、受講者とともに読み味わう。
前回は作者と作品についてのガイダンスで、本格的な講座は今回が初めてなので、ものすごく緊張した。
幸い、受講者の方々がみな熱心で、どんどん質問したり意見を言ってくださったりするので、不慣れな私としてはとても助かった。
今回取り上げたのは、桐壺更衣が亡くなる直前に詠んだ、
限りとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり
という和歌を含む一場面。
帝からの寵愛を一身に集めて他の妻たちの嫉妬を買い、いじめ抜かれて病に陥った桐壺更衣が、死を前に苦しい息の下からようやく心中を訴えた歌である。
受講者の方は皆さん女性なので、桐壺更衣がこの歌に託した思いがどんなものだったか、色々と意見や感想を聞かせてくださったので嬉しかった。
自分の体験や知見を重ね、物語の世界に転移するように共感し、語っている様子を見ると、『源氏物語』はやはり女性の物語、女性のための物語なのだなあということを強く感じた。