LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

UNE JOURNEE ORDINAIRE

2011-04-08 | ON STAGE
実は今パリに来ています。

日本がこんな大変な時期に海外に出かけていくなんて、
と皆様から不謹慎に思われるだろうと思い大変心苦しかったのですが、
ドロンさんの舞台が9日で終演することになったので急遽予定を早めることにしました。
実際この舞台を観なければ一生後悔するであろうとのあせりにも似た気持ちが高まっていたのも事実です。

関空で7日午前11寺半発のエールフランスの便に乗ってから約13時間半後、
パリに到着したのが現地時間で7日の夕方5時。
空港からタクシーに乗ってホテルに到着後あわただしくそのまま劇場に向かいました。

今回上演される劇場はパリのオペラ座から歩いて10分もたたないところにあり、
とてもこじんまりとした、それでも格式のある特別な雰囲気を持つ場所でした。

フランス語がわかりませんので細かなせりふのやり取りの中身の理解は全くお手上げでしたが、
フランス人の観客たちは終始二人の会話を聞いて大いに爆笑しており、
その雰囲気の心地よさもあってドロンさんやアヌーシュカの演技を十分に楽しむことができました。
あるときはドロンさんがボケを演じてアヌーシュカがそれにツッコミをいれ、
また次の場面では二人の立ち場が反対になる、その切り替わりのタイミングが小気味いいです。
このようなコメディータッチで最初から終盤までドラマは進んでいくのですが、
ラスト近くからそのペースが変わっていきます。
ドロンさんらしい孤独な男の悲哀の感情を、いつものように心の内に秘めてしまうのではなく、
珍しく一気に外に爆発させるラストシーンには思わず涙してしまいました。

終わってからのカーテンコールも大変感動的で、
観客の拍手に答えて何度も登場するドロンさんの姿を見てまたまた涙してしまいました。
私はこれまでドロンさんの作品を観て涙が出るようなことはなかったので、ある意味ショックでした。
それはこの作品がもしかしたらドロンさんにとっての最後の作品になるのではないだろうか
というこちら側にある勝手な予感がそうさせたのかもしれません。

いずれにしましてもこの作品を観る事ができてよかったです。
今回は単身行動ですのでドロンさんにお目にかかれることはないでしょうが、
それでも十分に満足しました。

今日の晩と明日のファイナル公演の2回を観て日曜日の午後の便で帰国します。
Comments (13)
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