陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

中華航空機が那覇空港で炎上

2007-08-20 23:43:14 | 台湾関係
 今日午前10時半頃、台湾の旅客機(中華航空)が那覇空港で事故を起こした。一時、テロかと心配されたがそうではなく、また死傷者は無かった。60秒間で乗客乗員165人全員が無事脱出したと言う。将に「危機一髪」であったが、まずは一安心。

着陸後に燃料漏れ引火、国交省調査で判明…中華航空機炎上

 那覇市の那覇空港で20日、着陸・駐機後に爆発、炎上した中華航空120便=ボーイング737―800型機、猷建国機長(47)=は、右主翼下のエンジン付近から燃料が漏れ出し、引火していたことが国土交通省の調べでわかった。

 事故機は2002年7月に製造された新型機で、国交省航空・鉄道事故調査委員会では、燃料タンクからエンジンに燃料を供給する管に不具合が起きていた可能性があるとみて、本格調査に乗り出した。

 国交省などによると、同便は日本時間の午前9時23分に台北を離陸し、同10時27分に那覇空港に着陸した。管制官の指示で空港北側の駐機場に移動し、乗客を降ろすため、同32分過ぎにエンジンを停止させた。

 地上で待機中の整備士が、機体右側の第2エンジン付近から燃料が漏れて煙と炎が出ていることに気付き、機長に対し無線で乗客の避難を行うよう指示。消火器で火を消し止めようとしたが、エンジン停止の数分後にいきなり爆発したという。

 日本人乗客23人を含む乗客乗員165人は全員、脱出して避難し、けが人はなかった。乗客は、機体4か所にある「シューター」(滑り台型の脱出装置)を使って機外に避難。乗客には幼児2人も含まれており、このうち7歳女児が脱出後に気分が悪くなり、病院に搬送された。地上にいた整備士1人も軽傷を負った。

 事故当時は風が強かったため、漏れた燃料は機体左側の路面に流れ出し、広い範囲で火があがった。その強い火勢にさらされたため、主翼左側の第1エンジンや主翼内部にある燃料タンク付近で爆発を繰り返し、客室部分なども焼いて約1時間後に鎮火した。

 国交省によると、同便は飛行中にはトラブルはなく、那覇空港の滑走路にも燃料が漏れていた痕跡はなかったという。エンジン内部には延焼を防ぐための消火装置があり、乗員が操縦席から作動させる仕組みだが、エンジンは停止直後に爆発していることから、作動させる間もなかったとみられている。

 那覇空港は、那覇市中心部の南西約5キロに位置する24時間空港。全長3000メートルの滑走路が1本あり、国際線は台北、ソウル、上海の3路線が就航している。

 国交省は20日、事故機と同型のエンジンを搭載している日本航空、スカイマーク、エアーニッポンの各社に対し、保有する計23機を同日中に緊急点検を行い、結果を報告するよう指示した。
(2007年8月20日22時0分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070820it13.htm?from=top


 夏休みで、子供達も何人か乗っていたようだが、着陸後で本当に良かった。8月は、1985年にJAL便が墜落し、500人以上が命を落としたた忌まわしい想い出がある。それにしても、中華航空(チャイナ・エアライン)は事故を良く起こす会社だ。

All About の鳥海高太朗氏のまとめによると、日本乗り入れ航空会社別の1970年以降の死亡事故率、すなわち「Rate」=100万フライトあたりの事故率は次のとおり。これが低ければ安全(無事故ならゼロ)、高ければ危険。但し、中共の航空会社はデータ無し。

7.60 エジプト航空
7.16 チャイナエアライン(台湾)
6.83 トルコ航空
4.89 エアインディア
3.84 パキスタン航空
3.54 イラン航空
2.58 コリアンエアー
2.47 フィリピン航空
2.44 ガルーダインドネシア航空
1.60 タイ国際航空
1.50 シンガポール航空
1.45 キャセイパシフィック航空
1.36 日本航空
1.14 アシアナ航空
0.92 マレーシア航空
0.90 ヴァリグブラジル航空
0.81 KLMオランダ航空
0.74 ニュージーランド航空
0.73 アリタリア航空
0.59 アメリカン航空
0.55 エールフランス
0.37 ユナイテッド航空
0.33 エアカナダ
0.28 ノースウエスト航空
0.22 全日空
0.22 ブリティッシュエアウェイズ
0.19 スカンジナビア航空
0.19 ルフトハンザドイツ航空
0.18 コンチネンタル航空
0.16 デルタ航空
0.00 エミレーツ航空、ヴァージンアトランティック航空、フィンエアー、オーストリア航空、カンタス航空、エバー航空

 一般に、欧米の航空会社は事故が少ない。JALの数値が大きいのは、御巣鷹山の事故のせいだろう。ANAは、中々良い成績を達成しているようだ。事故率の高い航空会社は、軍人出身のパイロットが多いためだろうか。
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2 コメント

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奇跡的 (ysbee)
2007-08-22 08:31:20
茶絽主さん こんにちは。
いつもコメントとTBをありがとうございます。

この事故は、アメリカのメディアでも、軒並み写真入りのトップ扱いでした。
爆発時も鎮火後の写真も、すさまじいですね。
犠牲者が出なかったのが不幸中の幸い。「ミラクルだ」と言ってた局もありました。

掲出の事故率のデータ、たいへん参考になります。

>事故率の高い航空会社は、軍人出身のパイロットが多いためだろうか。

なるほど、そういう見方もあるんですね。
コンチの数値が非常に低いのが意外でした。(笑)
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中華航空の経営者 (茶絽主)
2007-08-25 03:42:50
ysbee 様

コメントを有難うございます。それにTBも。
航空機事故は、一瞬の内に起きますから怖いですよね。事故後、中華航空は事故検証中なのに、ロゴマークをペイントを塗ったり、ガムテープを張って隠しました。
事故調査委員会が許可したらしいですが、作業員を事故機に触らせて、物品が無くなったり、計器を操作されたりする恐れあり。これは、調査委員会の判断ミスと思います。

以前喫煙許可の頃、米国へ行く時は、専らUAを利用していましたが、日本人乗客が少なくてしかも後の喫煙席はガラガラ、往復エコノミー3座席を利用して寝ていました(笑)。スッチーとお喋りしながらね。あの頃は本当に良かったです。
昨今は専らAAを利用します。ダラスがフランチャイズで結構便利ですし、JLと提携しているからです。それに、安心出来ますから。
昨年暮れ、ハワイへ行った時はJLでした。機内食の貧しさやJLの経営の拙さをチーフとお喋りして、時間潰しをしてました。
米本土へ行かれることが多いと思いますけれど、色々とお気をつけ下さい。
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