昨年(2006)9月、パナマで話題になった謎の病気(数百人が死亡)は、無糖咳止め・抗アレルギーシロップ剤に含まれていたジエチレングリコールが原因との情報が、同年11月に米国疾病予防センター(CDC)から発表されていた。死亡患者の多くは、60歳以上の男性であったとのこと。どうしてジエチレングリコールが混在したのかは、この時は分からなかった。以上は、愛知県衛生研究所HPの記述より。関連するURLは次のとおりである。
http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/3f/deglc.html
http://www.cdc.gov/about/news/2006_10/panama.htm
<内科開業医のお勉強日記>
http://intmed.exblog.jp/5538719
私は飲んだことが無いので分からないが、水溶性のジエチレングリコールは甘味があると言う。沸点が245℃と高く、凝固点はー8℃だからエンジンの不凍液にも用いられているようだ。甘味のある安い化成品と言うので、グリセリンの代わりに一見似ているジエチレングリコールを医薬添加剤に用いたのかもしれないが、その毒性を全然気にしないところが何とも呆れる。
この化学物質、1985年にヨーロッパ産のワイン添加剤として用いられ、事故を起こして我が国でも数万本のワインが廃棄処分にされた。<毒入りワイン>で、当時はかなり話題であった。
それで、今回の事件の犯人は中共の化学会社である。ニューヨーク・タイムスがかなり詳しい輸出ルート追跡を行い、それを 5月6日に報道。オリンピックを控えた中共政府は、隠蔽は不利と見たのか、直ちにこれを認める発表を行った。何時もなら、中共に不利な報道は絶対にしない朝日新聞がこれを取り上げているので、私は些か驚いた。以下引用する。
中国製医薬品とペットフードから毒性物質 100人死亡
2007年05月09日23時59分 朝日新聞
中国外務省などは8日、パナマ向けに輸出された薬用甘味料のグリセリンと、米国とカナダへ輸出されたペットフードにそれぞれ毒性物質が混入していたと発表した。6日付米ニューヨーク・タイムズ紙はパナマで100人の死亡が確認されたと報道。同省の姜瑜副報道局長は8日の会見で「グリセリンの代わりに医薬品には使用できない化学薬品が使われた」と述べ、因果関係を認めた。
ニューヨーク・タイムズ紙などによると、パナマで昨年、内臓の機能低下などの不調を訴えた多数の患者が原因不明で死亡。患者らが服用したかぜ薬の原料として「グリセリン」と表示があったが、パナマ政府の依頼で米食品医薬品局(FDA)が調査したところ、ジエチレングリコールが含まれていたことが判明した。
ジエチレングリコールはグリセリンと比べて格段に安価。江蘇省にある化学薬品会社がグリセリンに混ぜて製造し、スペインや中国の貿易会社を通じて輸出されたという。
同紙によると、パナマでは365人の死亡報告があり、うちこれまでに100人の死因がジエチレングリコールと確認されているという。同紙は昨年判明したパナマと中国の例は製造元が中国企業と確認できたが、確認できなかった「有毒甘味料」による被害が過去にハイチやバングラデシュ、アルゼンチン、ナイジェリア、インドでもあったと報じている。
一方、中国の国家品質監督検査検疫総局は8日、江蘇省と山東省の2社が製造して北米に輸出されたペットフードからも、樹脂などに使われるメラミンが違法に添加されていたと発表した。
米国とカナダでは今年3月、これらのペットフードを食べた数百匹の犬と猫が原因不明で死亡。FDAが中国側に調査を依頼していた。同総局は2社の責任者らを立件する方針。
同総局はさらに、179社の食料品輸出企業について緊急立ち入り検査をしたほか、粉ミルクやめん類など12種類の小麦製品のサンプル調査も実施。いずれも異状はなかったという。
http://www.asahi.com/international/update/0509/TKY200705090303.html
「老子」73章に曰く、「天網恢恢(かいかい)、疎にして漏らさず」(天の張る網は、目が粗くて逃れることが出来そうだが、悪事は決して見逃されず、必ず露見する)。この祖先の貴重な教えを中共政府は自国民に良く指導してはどうか。ジエチレングリコール問題は、映画「第三の男」のハリー・ライムがペニシリンでやったことと全く変わらない。
中共と言うか、これは支那人の特徴なのかもしれないが、捏造、詐欺、剽窃、違約などが金銭に絡んで頻繁に行われる。それでいてプライドが高く、自己中心で他者を誹謗すると来ているから、中々この民族との付き合いは大変だ。北京市の側にある国立「石景山」遊園地でも、ディズニーのキャラクターを勝手に使い、キティ人形やドラえもんまで自分達の考えたものと言い張るのだから、あきれて物が言えない。
今回の一件は、支那産の食品、医薬が極めて危険であることを世界中に知らしめた。犠牲になった人々や、ペットは本当に可哀想である。単なる工業製品捏造ではない、人間の健康に関する犯罪行為との厳しい反省が必要である。その上で何をどのように改善するか、更に国際的信用をどう取り戻すかは全て中共政府の責任で考えねばならぬ。
http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/3f/deglc.html
http://www.cdc.gov/about/news/2006_10/panama.htm
<内科開業医のお勉強日記>
http://intmed.exblog.jp/5538719
私は飲んだことが無いので分からないが、水溶性のジエチレングリコールは甘味があると言う。沸点が245℃と高く、凝固点はー8℃だからエンジンの不凍液にも用いられているようだ。甘味のある安い化成品と言うので、グリセリンの代わりに一見似ているジエチレングリコールを医薬添加剤に用いたのかもしれないが、その毒性を全然気にしないところが何とも呆れる。
この化学物質、1985年にヨーロッパ産のワイン添加剤として用いられ、事故を起こして我が国でも数万本のワインが廃棄処分にされた。<毒入りワイン>で、当時はかなり話題であった。
それで、今回の事件の犯人は中共の化学会社である。ニューヨーク・タイムスがかなり詳しい輸出ルート追跡を行い、それを 5月6日に報道。オリンピックを控えた中共政府は、隠蔽は不利と見たのか、直ちにこれを認める発表を行った。何時もなら、中共に不利な報道は絶対にしない朝日新聞がこれを取り上げているので、私は些か驚いた。以下引用する。
中国製医薬品とペットフードから毒性物質 100人死亡
2007年05月09日23時59分 朝日新聞
中国外務省などは8日、パナマ向けに輸出された薬用甘味料のグリセリンと、米国とカナダへ輸出されたペットフードにそれぞれ毒性物質が混入していたと発表した。6日付米ニューヨーク・タイムズ紙はパナマで100人の死亡が確認されたと報道。同省の姜瑜副報道局長は8日の会見で「グリセリンの代わりに医薬品には使用できない化学薬品が使われた」と述べ、因果関係を認めた。
ニューヨーク・タイムズ紙などによると、パナマで昨年、内臓の機能低下などの不調を訴えた多数の患者が原因不明で死亡。患者らが服用したかぜ薬の原料として「グリセリン」と表示があったが、パナマ政府の依頼で米食品医薬品局(FDA)が調査したところ、ジエチレングリコールが含まれていたことが判明した。
ジエチレングリコールはグリセリンと比べて格段に安価。江蘇省にある化学薬品会社がグリセリンに混ぜて製造し、スペインや中国の貿易会社を通じて輸出されたという。
同紙によると、パナマでは365人の死亡報告があり、うちこれまでに100人の死因がジエチレングリコールと確認されているという。同紙は昨年判明したパナマと中国の例は製造元が中国企業と確認できたが、確認できなかった「有毒甘味料」による被害が過去にハイチやバングラデシュ、アルゼンチン、ナイジェリア、インドでもあったと報じている。
一方、中国の国家品質監督検査検疫総局は8日、江蘇省と山東省の2社が製造して北米に輸出されたペットフードからも、樹脂などに使われるメラミンが違法に添加されていたと発表した。
米国とカナダでは今年3月、これらのペットフードを食べた数百匹の犬と猫が原因不明で死亡。FDAが中国側に調査を依頼していた。同総局は2社の責任者らを立件する方針。
同総局はさらに、179社の食料品輸出企業について緊急立ち入り検査をしたほか、粉ミルクやめん類など12種類の小麦製品のサンプル調査も実施。いずれも異状はなかったという。
http://www.asahi.com/international/update/0509/TKY200705090303.html
「老子」73章に曰く、「天網恢恢(かいかい)、疎にして漏らさず」(天の張る網は、目が粗くて逃れることが出来そうだが、悪事は決して見逃されず、必ず露見する)。この祖先の貴重な教えを中共政府は自国民に良く指導してはどうか。ジエチレングリコール問題は、映画「第三の男」のハリー・ライムがペニシリンでやったことと全く変わらない。
中共と言うか、これは支那人の特徴なのかもしれないが、捏造、詐欺、剽窃、違約などが金銭に絡んで頻繁に行われる。それでいてプライドが高く、自己中心で他者を誹謗すると来ているから、中々この民族との付き合いは大変だ。北京市の側にある国立「石景山」遊園地でも、ディズニーのキャラクターを勝手に使い、キティ人形やドラえもんまで自分達の考えたものと言い張るのだから、あきれて物が言えない。
今回の一件は、支那産の食品、医薬が極めて危険であることを世界中に知らしめた。犠牲になった人々や、ペットは本当に可哀想である。単なる工業製品捏造ではない、人間の健康に関する犯罪行為との厳しい反省が必要である。その上で何をどのように改善するか、更に国際的信用をどう取り戻すかは全て中共政府の責任で考えねばならぬ。
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