陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

中共で死刑になった4人の日本人

2010-04-13 00:05:18 | シナ・中共関係
 中共で麻薬密輸違反に問われた日本人4人が、この数日間の内に死刑執行された。麻薬運搬で死刑とは、随分中共の法律は過酷なものである。それだけ、麻薬犯罪が多発していると言うことか。

 中共の裁判プロセスが明らかにならないまま、死刑が執行されてしまったのは我が国政府の怠慢だ。私は、死刑を認める立場であるが、4人の日本人が短い期間の間に麻薬密輸で死刑にされたことへ強く疑問を覚える。

 「国民のいのちを大切にしたい」と繰り返しのたまう鳩山首相は、今回の死刑執行に際して遺憾の意を表明しただけで何ら行動をとらなかった。そして「刑罰が厳しすぎるという思いはある、一般国民は『中国はこわい国だ』と思うかもしれない。しかしそれが日中関係に亀裂を生じさせないよう政府として努力していく」とも述べている。

 日本人のいのちよりも、日中関係が大事と言わんばかりの発言である。この鳩山発言は、中共の首相が言うべき言葉ではないのか。

 昨年12月、英国のブラウン首相は、同じように麻薬密輸で英国人が死刑になった時、通告を受けてから様々な形で中共政府に粘り強く働きかけた。自国民保護の立場で、交渉を懸命に行ったのだ。死刑が執行されると、同首相は中共を厳しく非難した。

 鳩山首相は言葉が軽いだけでなく、本当に国民のことを思っているとは考えられない。何か外国が絡む問題になると、それが表に現れる。

 ところで、就任以来死刑執行を止めている千葉景子法務大臣、中共政府へクレームをつけたのだろうか。また、国内で人権を五月蝿く言う人達が、中共大使館へ抗議デモを行ったとは聞いていない。


中国:日本人死刑執行 生活困り運び屋に 予想外の重罪に自暴自棄

【北京・浦松丈二】中国遼寧省高級人民法院(高裁)は9日までに、麻薬密輸罪で死刑が確定した日本人4人全員の刑を執行した。中国各地の空港では、覚せい剤を日本に持ち出そうとした日本人が逮捕される事件が相次ぎ、裁判で「預かっただけ」と主張しても「密輸の行為犯」として死刑を含む重罪が言い渡されている。密輸団が、日本の困窮者を狙い撃ちして運び屋に仕立てる手口が横行。刑を執行された死刑囚には、予想外の重い刑に一時、自暴自棄になった人もいたという。

 刑が執行された森勝男元死刑囚(67)=福島県出身=は、03年7月に覚せい剤約1・25キロを隠し持って帰国しようとして空港で拘束され、04年2月の1審で刑事犯として日本人として初めて死刑を言い渡された。

 森元死刑囚は逮捕後、「定年退職して金に困っていた」と供述し、日本国内で密輸を持ちかけられ、報酬20万~30万円で請け負ったことを認めた。裁判では、日本に逃亡した共犯者に「監視されていた」と主張した。

 森元死刑囚を知る関係者は「1審判決直後は(制度の違いなどから)『どうなってもいい』と自暴自棄だったが、その後、減刑嘆願を書くなど生きようとしていた」と様子を明かした。

 また、刑が執行された鵜飼博徳元死刑囚(48)=岐阜県=も「他人に頼まれた。中身を知らなかった」と主張した。しかし、両元死刑囚は麻薬密輸の「行為犯」と認定され、死刑が確定した。

 一方、両元死刑囚らに密輸を指示した覚せい剤密輸団のリーダーとみられる武田輝夫元死刑囚(67)=名古屋市=は裁判で「(共犯の)中国人から『もうけたい』ともちかけられた。死刑になっても構わない」と認めた。
 北京の日本大使館によると、中国では麻薬関連犯罪で少なくとも30人が逮捕、起訴され、うち20人(元死刑囚4人を含む)の判決が確定、10人は未確定で未決拘置中。同大使館は法律の知識がある中国人スタッフ1人を近く増員、すべての裁判を傍聴していく方針だ。

毎日新聞 2010年4月10日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100410ddm012030014000c.html
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