四川大地震と数々の問題点

　５月１２日午後２時２８分（現地時間）に発生した四川省の大地震（Ｍ８．０、直下型）、既に２週間以上経過したが、公表された死者は５１、０００人強、行方不明者は３万人近いと言う。まずは、犠牲になられた人々に心からお悔やみを申し上げます。

　１９７６年７月２８日未明に起きた「唐山大地震」（Ｍ７．８、直下型、渤海湾沿岸地域）は、死者２４２、４１９人を数える大災害であった。唐山市では、住宅の９４％が倒壊し、１４８、０００人が亡くなっている。耐震性に弱いシナの建造物は、学校のような公共施設にさえ唐山大地震の経験が十分に反映されていない。今回の四川大地震の犠牲者は更に増えると見込まれるが、それは人災的側面すなわち為政者の建造物設計への無配慮と言う責任も大きい。

　時間が経過したため、被災者の緊急人命救助から、生活確保や食糧支援体制の構築へ問題が移行しつつある。今回、中共政府は、各国からの支援を受け入れているが、現地では支援物資の奪い合いや利権争いが起きていると言う。如何にも「阿Ｑの国柄」と思わざるを得ない。

　これだけの大災害が起きた故、国内の＜業火リレー＞を切り上げるのかと思えば、なおそれは継続されるようだ。多数の被災者達は勿論のこと、救援体制下にある軍・警察組織や消防組織に属する人達、そして医療関係者は疲労困憊しているであろう。それでも＜業火＞は走り続ける宿命にある。

　被災者の生活支援体制が第一に考えられねばならないが、シナ大陸では疫病発生が心配である。大地震の前に、トリインフルエンザと「手足口病」の大量発生が話題になっていた。それらの現状は、一体どうなったのだろう。

　また、四川省に存在する核兵器や核施設に関しても、損傷・被害内容は具体的に公表されていない。核事故は、自国のみならず周辺国へも多大の影響を与えるから、速やかな詳細公表とＩＡＥＡ査察を受け入れる必要があるが、暗黒大陸内の独裁政権はそれを許さない。

　この大災害発生により、中共政権の非人道性に対する批判、すなわちチベット・東トルキスタン問題、ダルフール問題などへの批判は小休止状態である。５００万人以上と言われる被災者の救援・援助活動に、取り合えず国際世論は注目しているのだ。中共政権の動き方次第では、不満を持つ被災者の連帯的暴動が起きる可能性が大いに予測される。それは、＜北京オリンピック＞を弾き飛ばす巨大なうねりになるのかも知れぬ。