陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

《タイスの瞑想曲》を聴く

2016-04-12 12:22:06 | 読書・映画・音楽
 4世紀頃、エジプト・アレキサンドリアの人気舞姫タイスは、それまでの我が泡沫的な人生に飽きが来ていた。聖僧アタナエルは、退廃したアレキサンドリア市街の姿を見て慨嘆する。彼は、その雰囲気を変えようと頽廃の象徴的存在であるタイスを説得し、改悛の意義、そして神への帰依を促して尼僧院へ行くことを熱心に勧める。タイスは、彼のひたすらな真摯さに打たれ、己の来し方行く末を想いつつ、静かに瞑想に耽(ふけ)る。

 ジュール・マスネ(仏)が作曲した歌劇<タイス>第2幕第一場の後に演奏された間奏曲は、タイスが瞑想に耽る姿を観客へ優雅に伝えるように表していて、現在《タイスの瞑想曲》として広く知られるようになった。この歌劇の原作は、アナトール・フランスによって書かれた(1885年)。

 高校生の頃から聞き慣れたこの曲を改めて聴く時、既に70年以上も生きて来た我が身を静かに顧みる機会になるのである。


M. Kamio - Meditation from Thais


https://www.youtube.com/watch?v=_ajCJFgbsFs&nohtml5=False

 演奏者は、神尾真由子さん。1984年大阪府生まれの天才ヴァイオリニスト。10代の頃から数々の国際コンクールで上位入賞の業績がある。米国ジュリアード音楽院修了。2008年、第12回チャイコフスキー音楽コンクール・ヴァイオリン部門で優勝。ロマン派作曲家の演奏が得意のようである。

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