陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

シリア空爆と六カ国協議

2007-09-22 11:59:34 | 朝鮮半島
 イスラエルによるシリア空爆事件(9/6)に関して、イスラエル政府及び米国政府は完全黙秘を保っている。「沈黙は金」ではないが、シリアと北朝鮮へ無言の圧力を掛けているのだろう。だが、ハードライナーのリクード党首ネタニヤフ氏(元首相)は黙っていられない性分のようで、以下のコメントが報道された。

イスラエル ネタニヤフ元首相「シリア攻撃」の事実認める9月21日17時14分配信 毎日新聞

 【エルサレム前田英司】イスラエルの右派政党リクードのネタニヤフ党首(元首相)がイスラエル軍による今月6日の「シリア攻撃」を認める発言をし、物議を醸している。シリアはイスラエル軍機の領空侵犯を公表したが、イスラエル政府はこれまで沈黙を守り、報道管制を敷いてきた。ネタニヤフ発言に政界や軍部からは「かん口令を破った」と非難が巻き起こっている。

 ネタニヤフ氏は19日夜、イスラエルのテレビ局チャンネル1で「シリア攻撃」について「私は最初からこの件に関与していたし、支持した」などと発言し、事前にオルメルト首相から概要を知らされていたことを示唆した。さらに、「首相に(作戦成功の)お祝いの言葉をかけたのか」と問われると「個人的にね」と答え、攻撃の事実を認めた形となった。

 イスラエル政府はこれまで一切、事実関係への言及を拒否してきた。政府や軍などにかん口令を敷き、厳しい報道管制も実施。イスラエル・メディアは連日、海外報道の転電に頼ってシリア関係のニュースを伝える状態が続いていた。ネタニヤフ氏の事務所は「具体的な作戦には言及していない」と“失言”の打ち消しに躍起になった。

 16日付の英紙サンデー・タイムズ(電子版)によると、シリア攻撃準備は今春から始まっていたとされる。攻撃をめぐっては欧米メディアが「『核関連施設』を攻撃したとみられる」などと報じ、「北朝鮮がシリアの核開発に協力」との憶測も流れた。

 イスラエルはシリア側に攻撃の詳細を表ざたにできない「事情」があると見て、反撃の機会を与えないため沈黙を続けているとの見方が有力だ。

最終更新:9月21日17時14分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070921-00000018-maip-int


 これと連動していると思われるが、核拡散ではなく、ミサイル技術拡散に関し、小ブッシュ政権は北朝鮮にクレームを付けるつもりだ。

米、北朝鮮に新たな制裁か=ミサイル技術拡散で-テレビ報道
9月22日9時0分配信 時事通信

 【ワシントン21日時事】米FOXテレビは21日、ブッシュ政権が北朝鮮によるミサイル技術拡散に絡み、新たな制裁措置を決定したと報じた。
 制裁が事実とすれば、北京で27日から始まる核問題をめぐる6カ国協議に影響を与える可能性がある。 

最終更新:9月22日9時0分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070922-00000027-jij-int


 9月27日から北京で開催される六カ国協議、一番困っているのはヒル国務次官補だろう。このシリア空爆の一件が無ければ、95万トン重油支援の具体化や六カ国外相会議の開催日程にまで踏み込み、北朝鮮に対するテロ支援国家の烙印を外す予定だったと想像される。

 しかし、こうした事態になればシリア空爆を含めて改めて核拡散問題を話題にしなければならず、頭に来ている北朝鮮は話の内容次第で会議を退席するかもしれない。ミサイル拡散に関しては、北朝鮮も簡単には譲らないだろう。中共も裏でごそごそやっている北朝鮮へ不満が高まり、調停を止めて静観を守る。日本としては、拉致問題を置き去りにするライスーヒル構想の停滞は歓迎するところであり、じっくりと推移を眺めながら経済制裁強化を進めることが肝要だ。


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