原爆(ウラン型とプルトニュウム型)の主要原理は、核分裂反応に基く。この反応は、ドイツ人オットー・ハーン博士(1944年ノーベル化学賞受賞)により1938年に発見され、彼の共同研究者リーゼ・マイトナー博士(ユダヤ人)が理論付けした。核力は膨大なエネルギーを持つことが初めて明らかにされたのだ。
その発見の後、多くのドイツ核物理学者・技術者が第二次大戦中に核爆弾開発に関与していたが、完成の前にナチス・ドイツは降伏する。よく知られているように、ナチスの迫害で米国へ亡命したユダヤ人核物理学者が中心になって、1945年7月に原爆を完成させた。ドイツにしてみれば、被爆体験を持つ日本人とは異なる意味で核兵器(あるいは原発に対しても)複雑な思いがあるはずだ。
最近、メルケル独首相にサルコジ仏大統領が核兵器の共有を持ちかけた所、にべも無く断られたと言う。現在、ドイツは原発の新規建設も停止している。
仏大統領、核戦力共有を持ち掛け=メルケル首相は拒否-独誌
9月15日19時0分配信 時事通信
【ベルリン15日時事】ドイツの有力週刊誌シュピーゲル最新号は、フランスのサルコジ大統領が10日の独仏首脳会談でメルケル首相に対し、フランスが持つ核戦力の共有を持ち掛けていたと報じた。ドイツで核兵器保有は政治的タブーになっており、首相はその場で断ったという。
同誌によると、サルコジ大統領は「フランスの核の傘の中には自国だけでなく、隣国も入っている」とした上で、「ドイツも、フランスの核兵器に関する決定権に関与する気がないかどうか検討すべきだ」と述べた。
これに対し、メルケル首相や同席したシュタインマイヤー独外相は一瞬言葉を失った後、同外相が「ドイツは核兵器の保有を目指していない。だからこそ、1975年に核拡散防止条約(NPT)に加盟した」と返答。首相も外相に同調したとされる。
最終更新:9月15日19時0分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070915-00000094-jij-int
非人道的な核兵器に対する嫌悪感が、ドイツ首脳の返答の背景にあるのだろうか。
1970年代末に、旧ソ連がSS20型核ミサイルを東欧に配備した時、当時のシュミット西独首相(SPD)はソ連と張り合うレーガン政権の提案を受け入れ、1984年にパーシングⅡ型中距離弾道ミサイルを国内に配備した(西独と米の共同運用)。これは、冷戦状態だから実施したのであって、1988年中距離核戦力全廃条約(INF)が米国で批准されると撤去された。
ドイツの技術力と財政力を以ってすれば、独自核戦力を保持することは直ぐにでも可能であろう。「ドイツの核兵器保有は、政治的にタブー」との内容を更に詳しく知りたいと思う。
その発見の後、多くのドイツ核物理学者・技術者が第二次大戦中に核爆弾開発に関与していたが、完成の前にナチス・ドイツは降伏する。よく知られているように、ナチスの迫害で米国へ亡命したユダヤ人核物理学者が中心になって、1945年7月に原爆を完成させた。ドイツにしてみれば、被爆体験を持つ日本人とは異なる意味で核兵器(あるいは原発に対しても)複雑な思いがあるはずだ。
最近、メルケル独首相にサルコジ仏大統領が核兵器の共有を持ちかけた所、にべも無く断られたと言う。現在、ドイツは原発の新規建設も停止している。
仏大統領、核戦力共有を持ち掛け=メルケル首相は拒否-独誌
9月15日19時0分配信 時事通信
【ベルリン15日時事】ドイツの有力週刊誌シュピーゲル最新号は、フランスのサルコジ大統領が10日の独仏首脳会談でメルケル首相に対し、フランスが持つ核戦力の共有を持ち掛けていたと報じた。ドイツで核兵器保有は政治的タブーになっており、首相はその場で断ったという。
同誌によると、サルコジ大統領は「フランスの核の傘の中には自国だけでなく、隣国も入っている」とした上で、「ドイツも、フランスの核兵器に関する決定権に関与する気がないかどうか検討すべきだ」と述べた。
これに対し、メルケル首相や同席したシュタインマイヤー独外相は一瞬言葉を失った後、同外相が「ドイツは核兵器の保有を目指していない。だからこそ、1975年に核拡散防止条約(NPT)に加盟した」と返答。首相も外相に同調したとされる。
最終更新:9月15日19時0分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070915-00000094-jij-int
非人道的な核兵器に対する嫌悪感が、ドイツ首脳の返答の背景にあるのだろうか。
1970年代末に、旧ソ連がSS20型核ミサイルを東欧に配備した時、当時のシュミット西独首相(SPD)はソ連と張り合うレーガン政権の提案を受け入れ、1984年にパーシングⅡ型中距離弾道ミサイルを国内に配備した(西独と米の共同運用)。これは、冷戦状態だから実施したのであって、1988年中距離核戦力全廃条約(INF)が米国で批准されると撤去された。
ドイツの技術力と財政力を以ってすれば、独自核戦力を保持することは直ぐにでも可能であろう。「ドイツの核兵器保有は、政治的にタブー」との内容を更に詳しく知りたいと思う。
残念ながらこの件は、シュピーゲル誌の最新号でしか詳細に触れておりません。従ってサルコジ大統領の真意は不明のままです。
サルコジ氏は、最初はメルケル氏をはじめ、ドイツ政府関係者ともかなり良好な関係であったのですが、何分にもかなり癖の強い方のようで、独政府関係者にはもう、うんざりといった空気が出ているようです(それでも独仏友好関係は不変ですが)。
これからサルコジ氏の言動は要注意ですね。
私は以前からドイツが原子力利用に対し否定的であることを不思議に思っています。原発に関しては、ライン川沿いに幾つか設置されたが、チェルノブイリ事故以来止めてしまいましたね。核兵器に関しては、核拡散防止条約に参加したとは言え、日本ほどに強い核アレルギーは無いと思っていたのですが。
核兵器に対するドイツ国民の基本姿勢を知りたいと思います。色々とご教示下さい。
確かに、サルコジ氏は今までの仏大統領と外交スタンスが異なるように感じます。米国と摩擦を起こさぬようにしながら、EUの主張を高めようとしているのでしょうか。