本日(5/7)フランス大統領選挙の決選投票が行われる。非政党・中道派のエマニュエル・マクロン候補(39)が下馬評通りに勝つか、それとも民族派の国民戦線、マリーヌ・ルペン候補(48)が「トランプ的」逆転で大統領の座を射止めるか、大変興味が持たれる。
5月に入って、両候補の舌戦は鋭くなり、最後のTV討論はマクロン候補が優勢と欧州マスコミが伝えたが、果たして実態はどうであったのか?マクロン候補は、ルペン候補が虚偽の発言で誹謗中傷をしたと提訴の構えを見せていた。最終段階で、マクロン候補の事務所にサイバー攻撃があり、メール内容や会計資料が流出したと言う騒動も起きている。どうやら、マクロン候補はタックスヘイブンのケイマン島に秘密口座があるらしい。
両候補共に主要政党の明確な支持を得ていないので、有権者の間にも戸惑いが見られる。有権者は、「ペストを選ぶか、コレラを取るか」と冷めた目で見る向きもあるようで、大量の棄権、あるいは白票投票が行われるのかも知れぬ。
フランスTV・F2を見ていたら、こんな場面があった。北フランスの町にある家電メーカー、ワール・プール社が経営悪化のためポーランドへ工場移転を計画し、従業員解雇の問題が起きた。マクロン候補は、町の商工会議所の重鎮を交えて、ワール・プール社の経営者と懇談をする計画を立てた。すると、ルペン候補はマクロン候補が商工会議所で会談する同時刻にワール・プール社へ乗り込み、従業員を集めて大演説会を行い、同社のポーランド移転を阻止すると述べて、やんやの喝采を得ていた。
また南仏海岸の漁港で、彼女は早朝から漁船に乗り込み、漁師達と共に獲物の品定めをした。EUは、魚のサイズ規制が五月蠅く、折角捕れた魚も少し規格より小さいと海に戻さねばならぬ。漁師の不満は大変大きいようだ。ルペン候補は、こうした規制を緩和しなければならぬと述べていた。このように、ルペン候補は現場の人々の気持ちを汲み取るような選挙活動をし、TV報道で大いに宣伝している。
ところで、欧州の政界を陰で操る<ビルダーバーグ会議>(Bilderburg Conference)という組織があって、ユダヤ金融資本、フリーメーソン、王侯親族などが参加する秘密会議である。一昨年6月の<ビルダーバーグ会議>には、元ロスチャイルゴ銀行副社長のマクロン氏が参加しており、彼を大統領候補にすることが支持されたらしい。オランド政権の産業相であったマクロン氏が突然閣僚を辞任し、大統領候補に名乗りを上げたのは、こうした背景があったのだろう。
私は、フランス文化を維持するためにも、ルペン候補が勝利して欲しいと願うが、果たして勝敗やいかに?結果は、日本時間8日の早朝に判明する。
(追記 5月8日06:30)
決選投票の結果は、マクロン氏の勝利となった。ルペン女史も予備選以上に票数を伸ばしたが、マクロン氏に900万票の差をつけられた。仏史上最年少の大統領の登場である。フランスでは、この後総選挙が行われるが、国民戦線がどれ位議席を獲得するか興味深い。マクロン氏は新政党<共和国・前進>を立ち上げるようで、その結果内閣は連立与党が形成されると予想する。
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