着々と進む北朝鮮への経済制裁強化策

　ＭＤシステムによる「テポドン２」迎撃方針に関し、閣議決定が近々行われる。それも重要だが、北朝鮮に対する効果的なミサイル試射抑止策は、経済制裁強化である。つまり日本政府が本格的に朝鮮総連を締め上げ、北朝鮮への資金移動を実質的に全面禁止するのが北朝鮮にとっては限り無く怖い手段なのだ。

　従来から我が国政府、特に外務省には「北朝鮮を怒らせると何をするか分からない」と怯える雰囲気があり、そうした外務官僚と北朝鮮利権に結びつく国会議員達が共同するから、経済制裁は中途半端なものに留まっていた。この状況は、朝鮮総連を介して金正日政権にきっちりと伝達されている。だから彼等は日本を舐め切って重油を寄越せとか、拉致問題は解決済みと平気で嘯（うそぶ）くのだ。

　北朝鮮へ日本から一銭も送金出来ないようにし、一切の物品が彼の国へ届かなくすれば、彼等はたちまち音を上げる。そうなれば、ミサイル試射などで恫喝する余裕など生まれるはずがない。要は、弱気を棄て断固とした姿勢を日本政府が取るかどうか、只今それが問われている。

　下記の産経記事は、自民党が経済制裁強化をまとめて政府に提言した内容だ。政府は、早急に具体的な経済制裁強化内容を国民に提示して欲しい。特に、朝鮮総連の資産凍結方法をミサイル発射前に示す事が肝要である。北朝鮮は、拉致問題解決を匂わせて、我が国を揺さぶるだろうが、現時点ではそれに乗せられてはならない。


対北制裁で全面禁輸も視野　送金規制、資産凍結もリストアップ
2009.3.19 21:52

　政府は１９日、４月１３日に期限切れを迎える対北朝鮮制裁措置の延長に際し、北朝鮮への輸出の全面禁止を含めた制裁の強化を行う検討に入った。

　北朝鮮が「人工衛星」打ち上げ名目で弾道ミサイルを発射する動きに出ていることから、北朝鮮への送金規制の強化や在日本朝鮮人総連合会（朝鮮総連）など北朝鮮関連団体の資産凍結といった強い制裁措置もリストアップしている。

　自民党の拉致問題対策特命委員会の古屋圭司委員長は１８日、拉致問題やミサイル発射問題で北朝鮮が誠意のある対応を示さないとして、河村建夫官房長官に追加経済制裁案を提出した。

　政府は、この自民党案を踏まえ、追加制裁の具体案の検討に本格着手した。
　現在は大量破壊兵器関連物資やぜいたく品に限って禁止されている北朝鮮への輸出を全面的に禁止することや、日本から北朝鮮に送金する際に外為法で義務づけられている３０００万円超の報告基準額を、１０００万円超に引き下げる規制強化が挙がっている。

　また、朝鮮総連などの資産凍結を発動する方針だ。北朝鮮による核開発やミサイル関連部品の入手を防ぎ、資金源を断つねらいがある。

　麻生太郎首相は１９日、参院予算委員会で、追加制裁について「実際に（ミサイルが）発射された場合は、国連安保理の反応や北朝鮮の拉致問題への対応などを勘案し、制裁をさらに強める案を含めて総合的に判断する」と語った。中山恭子首相補佐官（拉致問題担当）も同日、首相官邸で記者団に「北朝鮮側から拉致問題で誠実な対応が全くない状況でミサイルを発射する状況が出れば、政府がどう対応するかは常に準備できている」と述べた。

　政府は、北朝鮮が平成１８年７月に弾道ミサイルを発射、同年１０月には核実験を行ったことを受け、貨客船「万景峰号」など北朝鮮籍船舶の入港と輸入の全面禁止を柱とする制裁措置を発動。政府は昨年１０月に４回目の半年間の制裁延長を決めた。

　北朝鮮は４月４日から８日の間に「人工衛星」を打ち上げると予告していることから、政府としてはその動向をにらみつつ、４月上旬にも制裁延長を閣議決定する。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090319/plc0903192154012-n1.htm


　さて、朝鮮総連の有力な資金源は、パチンコ営業である。それは、景品と現金を両替する三店方式が基本システムになっているから、これを賭博と見て全面禁止すれば彼等の資金源は枯渇する。だが、パチンコ遊戯団体から献金を受ける国会議員が多い上に、警察官退職者がパチンコ店に取り込まれているので、三店方式の規制が中々出来ない状況だ。

　西村真悟衆議院議員が中心になって、この両替システムを規制する立法請願運動が起きた。それは、衆参両院議長への請願であり、「名も無き市民の会」のＨＰを開くと請願用紙が手に入る。この地道な運動に、心ある人達が多数協力すれば、両替システムを規制出来るかも知れない。それは、迂遠なようだが北朝鮮への有力な経済制裁に繋がるのである。
http://namonakishimin.web.fc2.com/seigan/pachinko.html

（参考）

　北朝鮮が日米の迎撃に対し「正義の」報復声明