陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

習近平政権は<張り子の虎>か : 虚仮威しの防空識別圏

2013-11-30 02:48:16 | シナ・中共関係
 今月(霜月)になって、左脚下肢部が著しく痺れるようになり、気温低下で血行循環が不良になったと感じた。昨年来の腰や左脚の故障が完全に治っていないのだろうし、寄る年波のせいかも知れぬ(笑)。

 それでも、2日間を要する木々の雪囲いを少々手伝ったりして、冬将軍の到来に備えた。冬タイヤは、昨年交換したままであったから、今年は楽である。視力低下で殆ど車に乗らないから、交換は不要であった。

 さて、11/23、つまり大嘗祭の日に、シナ・中共が尖閣諸島を含む東シナ海上空に突然防空識別圏(ADIZ)を設定した。これは、1969年に我が国が設定したADIZと重なり合う。日本政府は、即座に駐日中共大使を外務省に呼び、厳重抗議を行った。そのようなADIZ設定は認めないと言うことだ。シナ・中共は、我が国を恫喝する道具にしたいのであろうが、それは軍事衝突を招く危険な挑発でもある。

 この日、空自の哨戒機とF15戦闘機、海自の警戒機は、予定通り我が国のADIZを定常飛行したが、何の障害もなかった。

 優柔不断のオバマ政権が、珍しく早い応答を示し、日本政府を支持すると共に、11/26にはグアム島アンダーセン基地からB52戦略爆撃機2機を発進させ、我が国と中共のADIZが重なる部分を1時間に亘って遊弋飛行した。中共側からは、スクランブル発進は無かった。米国は、中共の面子を見事に潰した。習近平の中共は、張子の虎かと言わんばかりの行動だ。

 豪州、韓国、台湾、フィリピン、そしてEUも中共の勝手な振る舞いを極東の不安定化を招くとして厳しく批判、世界中の有力紙も揃って中共の無謀さに警鐘を鳴らした。米国の素早い行動、それに国際世論の批判姿勢は、習近平総書にしてみれば予想外の出来事であろう。我が国にとっては、有利な状況が生まれたのである。

 張陽氏が大紀元紙上で評論をしている。

相手にしないことは上策
文・張陽

【大紀元日本11月27日】中国が23日、東シナ海に防空識別圏を設定したことで多事多難の極東情勢に新たな変数が加わった。日本のみならず、アメリカ、台湾、韓国、オーストラリアなどからも抗議や反発の声が相次いだ。そして、25日夜、米軍B52戦略爆撃機2機が中国の設定した防空識別圏を飛行し、中国の挑発に立ち向かう形となった。この行動に対し、中国側はいまだに反応がない。日本政府の要請に応じ、全日空、日本航空両航空会社も27日、中国側に飛行計画書の提出をやめることを発表した。北京政府の挑発はかつてない門前払いを食らっただけでなく、米国に「逆挑発」までされている。

 中国政府の防空識別圏設定の狙いが尖閣諸島の主権の主張を強めることにあると思われているが、実際のところ、共産党政権が解決できない巨大な国内危機に臨み、極東にいざこざを引き起こし、国民の視線を国外に逸らすのが真の目的であろう。これまで日本は中国政府にとって、非常に都合のいい存在であり、国内で解決できない危機に臨むたびに尖閣諸島、教科書、靖国神社問題を持ち出し、国民の共産党政権への怒りを日本に転嫁していた。この策略はまた、しばしば奏功した。日本はいつも真剣に中国共産党(中共)の遊び相手となり、中共にとって日本ほど都合のいいカードはない。今回の事件でも、中国政府が防空識別圏を設定することを発表した直後に、全日空と日本航空の両社は中国政府に飛行計画書の提出を決定したが、これは中国国内で大きく報道された。

 しかし、今回はアメリカが率先して中共の投げ出したボールを受け止め、スマッシュを打った。日本は官民一致で中共の設定した防空識別圏を無視することにした。これはまさしく日米同盟の絶妙な共同演出だ。今回の対応は日本社会に非常に大事なメッセージを伝えている。今まで中共が虚勢を張るというやり口をしばしば使い日本を利用してきたが、実際のところ中共は張子の虎に過ぎない。これからも中共がまた尖閣諸島や、教科書、靖国神社問題を用いて日本を利用すると考えられるが、相手にせず、堂々と日本の主張をすればいい。中共が防空識別圏を設定した今回の事件は結局、日本国民に自信を持たせることになり、中共のならず者の本質を一層認識させることになった。
http://www.epochtimes.jp/jp/2013/11/html/d39452.html


 在日シナ人の陸遥氏の意見は

張子の虎はだれだ? 防空圏問題
文・陸遥

【大紀元日本11月29日】日中関係は薄氷のごとくでも、文化のつながりは実に深遠。日本で長く生活すると、そういう発見にたびたび出会う。最近もまた、ある言葉の共通性に感心した。

 その言葉は「紙老虎」。漢字からも読み取れるように「紙の虎」、つまり、「張子の虎」だ。表現こそ違うが、同じものを指す。その奥の意味まで同じであることが興味深い。どちらも「虚勢を張る人」としての意味を持っている。

 ここのところ、この言葉の英文直訳は欧米メディアでも露出度が高い。中国が威嚇めいて設定した防空識別圏にアメリカの戦闘機が土足で入った後の記者会見で、ある記者は、北京政府が「paper tiger」と見られていることに懸念を抱かないかとの質問をしたからだ。

 それに対し、外交部の報道官は冷静沈着に「『紙の虎』という言葉には特別な意味がある。往年の毛沢東主席がおっしゃった『紙の虎』は何を指すのかを調べるといい」と記者の不勉強を退けた。

 確かにpaper tigerは欧米圏では新出単語だが、「紙の虎」は毛沢東のお気に入りの慣用語だ。「自分が強大だと称するすべての敵勢力はみな、紙の虎に過ぎない。その理由は彼らが人民から脱離しているからだ」。毛沢東はまた、たびたび、アメリカを「紙の虎」と吐き捨て、「米帝国主義(米帝)」を罵倒した。

 しかし、そんな毛沢東は1970年代には紙の虎・米帝と仲良くし、さらに、米帝と仲良くできたことを北京の偉業だとし、得意げだった。

 今では、毛沢東から政権を引き継いだ北京の幹部や地方の幹部、大中小の機関の幹部、幹部でなくても財を成した富裕層などはこぞって、子女を紙の虎・米帝の所に送りこんでいる。どれにも当たらず国内にとどまるネットユーザーらは羨望の眼差しで「米帝」を米国の愛称として使い「米帝様」と表現する。

 前出の報道官はさすが中国史、いや、中国共産党史に詳しい。とっさの質問に対しても、毛沢東の教えを持ち出し「アメリカこそ紙の虎だ」と暗に米国を批判した。だが、紐解くと毛沢東の敵勢力や紙の虎への定義はどれも今の北京政府にピッタリと感じるのは筆者だけではなさそうだ。

 そんな北京政府は防空識別圏の設定のついでに、在日中国人に対して緊急事態に備えた連絡先の登録を呼びかけた。あたかも緊急事態がすぐにでも起きそうに煽るのも張子の虎の「虚勢」を連想させる。ただ残念なことに、多くの在日中国人は緊急事態を恐れるよりも、個人情報がすべて大使館に握られることに不安をもつ。「緊急の時は頼れ」と言われても、それが寄りかかると倒れてしまう頼りのない張子の虎だったら躊躇してもおかしくない。
(13/11/29 12:09)
http://www.epochtimes.jp/jp/2013/11/html/d64651.html


 近日中にバイデン米副大統領が来日し、その後中・韓を訪問する予定だが、この中共ADIZ設定について話し合われるのは間違いない。今の所、我が国の姿勢を支持しているオバマ政権であるが、シリア空爆問題に見られたようにオバマ大統領は変節するかも知れない。

 我が国のADIZ内で、空自戦闘機と中共戦闘機が交戦する場合も考えられる。早く自衛隊法を改正して交戦規定(ROE)を充実することが政府に望まれる。
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