陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

「四川大地震」被害と核汚染

2008-06-12 03:14:18 | シナ・中共関係
 「四川大地震」による被害で、中共の核関連施設にどのような影響があったのか、是非知りたいところだが、独裁国家の軍事情報、とりわけ核関連の情報は殆ど出てこない。その中で、産経新聞の野口東秀記者の報告は貴重である。

ベールに覆われた軍施設を見た! 四川大地震
2008.6.11 21:57

 【成都(中国四川省)=野口東秀】四川大地震で最も深刻な被害を受けた北川県周辺の山岳部で複数の核・宇宙関連施設を確認した。軍管轄下にある核関連施設の実態はベールに包まれており、放射能漏れなど被害は現認できないが、いずれかの施設が被災した可能性は否定できない。

 関係筋は、核関連の重要な基地・研究施設は「山奥の大きな地震に影響されない岩盤の中か山をくりぬいて建設されている」と指摘する。最高の軍事機密ながら、北川県周辺の山岳部では、軍関連施設を少なくとも2カ所目撃した。

 一つは正面玄関に高さ数十メートルのロケットの模型がそびえる。「中国航天」の文字。もう一つの施設は軍の研究施設だった。いずれも一枚岩のような巨大な岩盤が数キロにわたりそびえ立つ山腹方向に向かって施設が伸びていた。

 通信車両が横付けにされたゲートで小銃を手にした兵士が歩哨に立っていた。
 山岳部をさらに走ると、山の頂上にレーダー管制施設らしい建物があった。「一帯は宇宙、核の関連基地、施設がある。海外の救援ヘリの飛行を認めるわけがない」と現地の災害対策に従事する関係者は話す。

 中国は故毛沢東主席が米ソとの戦争に備え、軍関連施設を内陸部に移す政策を実施した歴史があり、今も中国では四川省など内陸部に重要な施設がある。
 軍事専門家によると、四川省には、核、宇宙、兵器関連の基地・貯蔵・研究施設及び関連企業が、北川県や安県を含む綿陽市、江油市、楽山市などに点在する。これら施設はプルトニウム生産、核分裂や核弾頭及びロケットなどを研究する施設で、綿陽市内には物理研究施設が見られた。江油市には、中性子爆弾を製造しているという「857工場」がある。

 広元市には大陸間弾道ミサイルの核弾頭のプルトニウムを製造する「821工場」がある。同工場は「地震発生後、修復工事を行い環境汚染の防止に大きく貢献した」とされ、地震後に「大量のコンクリートが運び込まれた」との情報もある。事実ならば放射能漏れ防止工事の可能性も否定できない。

 唐家山のせき止め湖の排水作業が遅れた背景に、「関連施設に被害が及ぶ」「核廃棄物や軍事化学工業原料が混じった水で下流域が汚染されるために対処を講じている」などの推測も流れたが、事実関係は不明だ。中国メディアには、核施設関連の報道禁止通知が出ているとみられ、こうしたことも推測に拍車をかけたようだ。

 いずれにせよ、中国は新型の核ミサイルの開発、実戦配備段階にあり、いずれかの施設が被災したとすれば今後の核配備計画にどう影響するのか注視される。

 温家宝首相が地震発生直後、四川省に入った際、複数の核の専門家も同行したとみられている。これは中央指導部が地震の規模だけでなく、核関連の被害の有無にかなり緊張したことをうかがわせる。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080611/chn0806112157006-n1.htm


 重要な情報とは思うのだが、残念ながら上記記事では、施設内部の様子は全く分からないし、中共側の伝える話だけで終わっている。実際に核施設が部分的に破壊され、放射能漏れなどが起きていれば、米国の偵察衛星などで検知されると思うけれども、それらの話は流れて来ない。

 ysbeeさんの<米流時評>では、関連する情報を精力的に掲載しているが、こちらも今一つ実態がはっきりしないようだ。唐家山ダムの完全崩壊は脱したとしても、その下流域へは大量の水が流れ込んでおり、それが核施設や核廃棄物処理施設へ与えた影響は依然として不明だ。
http://beiryu2.exblog.jp/8071424/

 本来ならば、IAEAの査察が入って、状況報告と共に適切な対処方法が提案されなければならぬと思うが、軍事施設の場合は手を着けられないのであろうか。

 核物質を含む土壌や水が被害地域に拡散すれば、シナ人民にとって大変なことになる。単なる化学物質と異なり、それらの半減期は万年のオーダーになるから、人間は完全に住めなくなる。旧ソ連が老朽原子力潜水艦を日本海へ不法投棄したことなど、共産主義国は核兵器を欲しがるが、秘密主義に加えて後始末をきちんとしないので本当に困った存在である。

 実際に核汚染が起きているのならば、黄砂などに含まれる放射能の濃度も上がるであろう。それらが話題にならないことで安心は禁物であるが、核汚染は隠し遂せるものではないので、中共は実態を早く公開すべきである。
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