陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

レア・アースの確保と今後の展開

2010-10-15 15:01:38 | シナ・中共関係
 レア・アース(希土類元素)、例えば、ネオジムやサマリウムを永久磁石材料に添加すると、強い磁界が得られる。こうした性能向上には、日本人技術者のたゆまぬ開発努力に負う所が大きい。それらは、EV用電動モーターの高性能化に貢献し、環境保全にも役立つとあって、レア・アースの存在は益々大きくなりつつある。

 更に例を挙げると、インジュウム(In)はレア・メタルの一つだが、導電性透明膜ITOに用いられる元素である。これも中共が世界の主たる供給先である。我が国企業では、高分子を用いた代替の透明導電素材を今世紀初めから鋭意研究していたが、どの程度開発は進んでいるのであろうか。

 現在の所、これらの物質は世界の中でもシナ大陸、それもチベットやモンゴルに偏在し、多くの国家がシナから輸入してい状況。需給問題に関連し、米国、オーストラリア、カザフスタンなどでの採掘が改めて国際的に注目されている。要は、レア・アースが安値で取引されていたため、中共へ需要が集中した可能性がある。

 尖閣問題で、中共は日本に対するレア・アースの実質禁輸措置を行使した。この身勝手な振る舞いは、WTO提訴に値するが、そうやっても決着が付くまでは時間がかなり掛かるだろう。しかし、WTO提訴で中共が受ける打撃は大きい。

 カントリー・リスクを始め、様々な不足事態を考慮し、レア・メタル(レア・アースを含む)の国内ストックが1年分はあると聞く。それでも、不安定な供給状態では産業経営が成り立たない。このため、各社は多様な工夫を凝らしているようだ。例えば、リサイクルを考慮して


レアアース再利用加速 三菱マテ、廃家電で技術開発本格化
産経新聞 10月8日(金)7時58分配信

 非鉄金属大手の三菱マテリアルは7日、エアコンや冷蔵庫などの使用済み家電製品から、レアアース(希土類)を使用した高性能磁石を回収・再利用する技術開発を本格化させると発表した。平成26年にも事業化する。レアアースをめぐっては、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件後、世界の9割以上を生産する中国の対日輸出手続きが滞る問題が生じた。このため調達先の分散化が急務となっており、レアアースを豊富に含む廃家電などを有効活用する動きが相次いでいる。

 三菱マテリアルが再資源化するのは、エアコンのコンプレッサー(圧縮機)や冷蔵庫・洗濯機のモーターなどに内蔵されている「ネオジム磁石」。パナソニックなどの家電大手と全国6カ所で運営する家電リサイクル工場を活用して廃家電を解体し、低コストで磁石を回収・再利用するためのシステム作りを目指す。

 同社は昨年末から、パナソニックと設立した合弁会社で実験を行い、事業可能性を検討。今年度は新たにNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業にも選ばれた。

 ネオジム磁石を含むレアアース磁石の使用率は、家電の省エネ性能が向上する中で年々高まっている。三菱マテリアルの予測によると、31年度には520万台のエアコンがリサイクル処理され、312トンの磁石が回収可能になる見通しだ。

 電機大手にもレアアース磁石のリサイクルに向けた取り組みがあり、日立製作所はモーターから磁石を自動的に取り出す装置を開発している。手作業による分解と比べて5倍以上の時間短縮が目標で、25年の実用化を目指している。

 これにより、日立グループ全体で調達している年間500~600トンのレアアースのうち1割以上を賄う考えで、「人手に頼っていた磁石の分離作業を自動化すれば、普及を妨げていたコストを引き下げられる」と期待も大きい。

 希少性の高いレアアースをめぐっては、今後も中国が外交カードに使いかねないと危惧(きぐ)する声が多い。一方で廃家電に含まれるレアアースは、ほぼ廃棄されているのが現状だ。このためレアアースを使わない代替品の開発とともに、廃家電の有効活用を目指す動きはさらに加速する見通しだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101008-00000110-san-bus_all


廃家電からレアアース回収=中国産の供給懸念で―信越化学時事通信 10月9日(土)13時0分配信

 信越化学工業は9日、廃棄されたエアコンからレアアース(希土類)を回収し、自社生産する希土類磁石に再利用する方針を明らかにした。主要生産国である中国の輸出規制などでレアアースが高騰しており、安定した原料確保につなげたい考え。

 希土類磁石はエアコンの圧縮機のモーター部分に使われており、信越化学はリサイクル業者と組んでレアアースを回収するシステムの構築を目指す。2011年にも始める方向で、複数の業者と交渉に入った。

 回収するレアアースはネオジムとジスプロシウム。同社は福井県坂井市の工場で、希土類磁石の生産過程で発生する端材からレアアースを回収しており、この設備を活用して分離精製する。1台の圧縮機から15~30グラム程度のレアアースが回収できるとみている。 

最終更新:10月9日(土)13時4分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101009-00000055-jij-bus_all


 レア・アースを使わない技術も提案されている。


日本がレアアース不要の次世代モーターを開発、中国依存に変化も2010/09/30(木) 13:03


 日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と北海道大は29日、レアアース(希土類)を使わない次世代自動車用モーターの共同開発に成功したと発表した。環球時報が伝えた。

 尖閣諸島(中国名:釣魚島)で発生した漁船衝突事故をめぐり、中国からのレアアースの対日輸出が一時滞ったことで、日本を含め、世界中でレアアースの稀少性に対する危機感が高まった。世界で生産されるレアアースの9割が中国産であることから、米国では「中国がレアアースを武器化している」との報道も見られた。

 ハイブリッド自動車や電気自動車のモーターにはレアアースが必要不可欠だったが、NEDOと北海道大はモーターの構造を改良し、レアアースを使わずに高出力を実現させた。新しい技術の開発はモーターのコスト低減につながるだけでなく、レアアースをめぐる中国依存にも変化をもたらす可能性がある。(編集担当:畠山栄)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0930&f=business_0930_123.shtml


 前述した導電性高分子に関しては、

レアメタルが不要なクロスカップリング 立命館北研究グループが確立

立命館大学の薬学部北泰行教授の研究グループは、レアメタルを用いないクロスカップリング反応による導電性ポリマーと有機EL素材を開発した。

研究には、ヨウ素反応剤を用いたグリーンケミストリーなクロスカップリング反応を利用する。

クロスカップリングは、今年のノーベル化学賞の受賞が決まった鈴木章氏、根岸英一氏が基礎を築いた触媒を使って炭素同士を結合させ、新しい物質を作るもので、古くから日本が世界をリードしてきた研究分野。

様々な産業に応用されている基礎技術だが、クロスカップリング反応には、中国に依存度が高いレアメタルが必要だ。レアメタルはハイブリッド自動車や家電の生産に必要不可欠なものとなっているが、今回の尖閣問題や輸出規制で供給リスクが高いことが問題視されている。

北研究グループでは、こうした状況を打破し、有害物質を使用しないグリーンケミストリーの観点から新しい技術の開発に1985年頃から取り組んできた。今回、日本の産出量の多いヨウ素を触媒として用いた、環境に優しいグリーンケミストリーなクロスカップリング反応を用いる技術を開発した。これを応用して導電性ポリマー、新しい有機ELなどの素材の開発にも成功した。

北研究グループは、ナガセケムテックス、長瀬産業との産学連携体制を確立しており、2011年度中にはこの技術を実用化する予定。
http://car.jp.msn.com/news/business/article.aspx?cp-documentid=4447930


 国際的にこの問題は広がりつつあり、米国では議会が動いた。


米国もレアアース中国依存脱却へ下院で法案可決 日本への輸出停滞に危機感
2010.10.1 00:34

 【ワシントン=渡辺浩生】米国防総省が、軍事技術に不可欠なレアアース(希土類)の中国への依存が国家の安全保障にも影響を与えかねない、として対中リスクを多角的に分析する報告書を近く公表することが明らかになった。中国漁船衝突事件を契機に日本へのレアアース輸出手続きが停滞している問題が米国内の危機感を高めており、下院本会議は9月29日、国内需要の9割以上を中国から輸入しているレアアースの自給体制の確立を目指す法案を可決した。米国の動きは豊富な資源を政治的に利用する中国の外交方針にも影響を与えそうだ。

 米国はもともとレアアースの生産国だったが、2000年代初頭にカリフォルニア州の主要鉱山の閉鎖を機に生産を停止した。

 米国防総省は1年前から、中国依存が国家安全保障にもたらすリスクを多角的に調査・分析しており、同省報道官によると10月中旬に報告書を公表する方針。エネルギー省も、(1)国産再開を含めた供給網の多様化(2)代替材開発(3)効率的な利用の促進-を柱とした自給戦略の策定を急いでいる。

 下院が可決した「レアアース再生法案」は、持続可能な供給体制の確立に向けて、研究開発計画や生産施設への資金支援策の策定を政府に指示するものだ。

 法案を提出したダールケンパー議員(民主)は中国漁船衝突事件にからんで中国から日本への輸出手続きが停滞している問題を「危険信号」と呼び、「中国が市場支配を他国への影響力に使いたいなら、米国は国内市場の復活で対抗する必要がある」と訴えた。上院も法案審議を開始する。

 米鉱山大手モリコープ・ミネラルズは傘下の加州の鉱山でレアアースの採掘・生産を再開させる意向を3月の下院公聴会で示した。ただ、米政府監査院(GAO)は4月に議会提出した報告書で、米国の供給網の再構築には最大15年かかるとも指摘している。

 中国は、1990年代初めに最高指導者の●(=登におおざと)小平氏が「中東に石油があり、中国にはレアアースがある」と述べるなど世界支配へ布石を打ってきた。

 中国国内の産業に優先的に供給するため、輸出割当量は年々縮小され、今年の割当は前年比40%減。「12年までに中国以外の世界で重大な不足が生じる」(モリコープ社)という予測もある。

 貿易摩擦に発展する可能性もあり、米通商代表部(USTR)は産経新聞に、中国の輸出制限についての調査を始めたことを明らかにした。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/101001/chn1010010037000-n1.htm


 先進各国のレア・アース確保の意識が急激に変化していることに驚いたのか、中共は少し慌てているようだ。日本虐(いじ)めの方策が、何時の間にか国際的批判を浴びると知って、中共は奇妙な説明をやり始めた。


レアアース 中国、禁輸正当化? 「密輸急増、通関厳しく」
2010.10.14 21:02

 【上海=河崎真澄】中国でレアアース(希土類)の密輸急増を伝え、取り締まりに向け「通関手続きの厳格化」を示唆する報道が相次いでいる。尖閣諸島沖の漁船衝突事件で日中関係がぎくしゃくする中、中国が日本向けレアアースの事実上の禁輸措置を取った後でもあり、日中関係筋は関連性に懸念をもっている。

 中国紙、毎日経済新聞は14日までにレアアース業界関係者の証言として、毎年2万トンのレアアースが中国から密輸されていると報じた。国際市場でのレアアース高騰が密輸を誘発し、各地の税関では密輸犯の検挙が相次いでいるという。

 中国経営報や環球時報なども、昨年の正規のレアアース輸出枠5万トンのうち約40%の2万トンが密輸されたと、ほぼ同時に同じ内容の記事を消息筋の話として伝えた。環球時報は「中東に石油あり、中国に希土(レアアース)あり」と、戦略的な国家資源であるとする位置づけも明確にした。

 レアアース輸出規制問題で、国際社会から「中国脅威論」「中国傲慢(ごうまん)論」が改めて強調されているが、温家宝首相は「レアアースを外国との交渉材料に使うことはない」と疑念の打ち消しに躍起になっている。

 日中関係筋では「一連の報道の狙いは、通関手続き厳格化をあくまで密輸対策のためと正当化したがっているが、レアアース対日輸出が滞っている事態に進展はない」と話している。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/101014/chn1010142104015-n1.htm
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