陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

上海バブル崩壊が進行中

2011-11-30 00:53:53 | シナ・中共関係
 この数年、上海周辺の住宅価格が異常に高騰と伝えられ、あたかもシナ経済が留まることを知らずに発展を継続する象徴のように喧伝されて来た。チャイナ通の人達は、これを「不動産バブル」と見做したが、日経新聞を始めとするマスコミや経済評論家は、日本の投資者へシナ大陸への様々な投資を煽っていた。

 だが、米国政府の中共に対する経済的並びに軍事的警戒感が深まり、欧州経済危機が年初から顕在化するにつれて、中共への国際投資は停滞した。こうした国際情勢変化に加えて、中共政府はバブル対策として、年初から住宅購入の融資残高を制限したが、その効果は大きい。

 このため、夏以降の住宅価格は3~4割も暴落する場合が見られ、それが全国へ拡大しつつある。住宅融資のカネが回らなくなると、建築業や建材製造業への運転資金にも波及し、困り抜いた中小企業は高金利のヤミ金融機関を頼る。

 住宅が売れなくなれば、自動車業界や家電関連業界にも影響が及ぶ。これらの業界は、欧州危機で輸出が低迷しているから、二重に打撃を受ける。それは、株式市場へ直ちに反映するのは当然だ。

 上海バブルが弾(はじ)けて、全国の大都市に波及すれば、市民暴動が起きるであろう。年間10万件以上も各地で暴動が起きているシナ大陸では、それが益々激化し、共産党独裁体制に亀裂が入る。

 欧州の経済危機と共に、上海バブル崩壊から目が離せない。

「バブルがはじけ始めた」中国不動産…世界経済のリスク化も
2011.11.26 16:05

 中国の住宅市場が急速に冷え込んでおり、業界にリストラの波が押し寄せている。価格は下落局面に本格的に突入し、「バブルがはじけ始めた」との声も強まってきた。中国の不動産バブルが欧州危機に続く世界経済のリスクにならないか、世界銀行など国際金融機関は注視している。(SANKEI EXPRESS)

 「急ピッチで建てるため手抜きが多く、地震が起きたらひとたまりもないでしょう」。金融センターとして名高く、屈指の世界都市でもあり、中国の成長を牽引する広東省の経済特区、深セン。20日、マンションの建築ラッシュが続く街並みを見渡しながら、地元の不動産業者が顔をしかめた。

 中国政府によるバブル対策の強化を受け、中国の住宅販売は低迷。中国人民銀行によると、1~9月の銀行の不動産業者や住宅購入者向け融資は、前年同期に比べ約4割も減少した。

 この数値を裏付けるように、深センの不動産店でも客の姿はまばらだったが、突貫工事は今も続いていた。

 不動産業者は「値崩れする前に売り切ろうと皆必死だ」と指摘する。ある店に近づくと、物件の写真や地図を収めたiPad(アイパッド)を手にした従業員が、600万元(約7300万円)の高級別荘をしつこく勧めてきた。

 高級物件が飛ぶように売れた1~2年前に比べると、潮目は完全に変わった。本来であれば9~10月は、最も住宅が売れる時期。しかし、中国メディアによると、今年は深センや上海など大都市の販売が前年の5割前後まで急落した。

 値引きで売りさばいた業者と、値下げ前に買った顧客の間でトラブルも発生している。「誰もジョーカーを引きたくない。いつ値下がりするか分からず、うかつに手を出せなくなっている」。市場には停滞感が広がっている。

 深センでは今年、8000店あった不動産店が5000店に減り、大手の中原地産は最近、「深センで60店舗を閉鎖し、従業員1000人を削減する」と発表した。北京や上海でも不動産店の閉鎖が相次ぎ、各社が事業の整理を急いでいる。

 国家統計局によると、10月に住宅価格が前月より下落したのは主要70都市のうち約半数に相当する34都市。「2014年までに現在の5割に値下がりする」(エコノミストの謝国忠氏)との厳しい見方もあり、金融機関の不良債権が急増することが懸念される。

 上海株式市場では不動産株の売りが広がり、セメント生産や鉄鋼、銀行株なども軟調に推移している。住宅市場の影響を受けやすい家電、自動車販売も低迷し、景気の減速感が強まっている。

 世界銀行は、中国の住宅価格の下落が「内需や消費者心理に強い影響を与える」と指摘する。国際通貨基金(IMF)も「中国経済のリスク」として、バブル崩壊による腰折れを警戒している。

 中国ではここ数年にわたって続いた住宅価格の高騰に市民の不満が強く、温家宝首相は「引き締めの手を緩めない」と繰り返す。その一方で、景気後退に配慮した政策調整も示唆している。

 12月初旬にも開かれる中国共産党の中央政治局会議や中央経済工作会議が打ち出す来年の経済政策に市場の関心が集まっている。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111126/chn11112616120002-n1.htm


 日本国籍を得た評論家の石平氏は、不動産バブル崩壊の様子を詳しく述べている。

不動産バブル崩壊が始まった
2011.11.10 08:14

 中国では今、不動産価格の急落が進行している。

 たとえば北京近郊の通州市では、今年8月に1平方メートルあたり1・7万元(約21万円)だった分譲住宅の平均価格が9月には1・6万元、10月には1・5万元に下がった。そして10月末、市内で発売中の「東亜逸品閣」という新規物件の販売価格はとうとう1・2万元に下げられた。

 北京市内の場合、今年9月4日までの1週間で分譲住宅の平均価格が12・4%も下落したのに続いて、10月発売の新規分譲住宅のほとんどが、周辺の古い物件より20%程度値下げして売り出されている。

 今月4日、中国各紙のネット版は3日付の『京華時報』記事を一斉に転載して、不動産価格下落の動きは既に全国の地方都市に広がっていると伝えた。たとえば杭州の住宅価格の値下げ幅は10~20%、成都は5~10%、南京は約10%、天津は5~15%であったという。

 価格の急落が突出しているのが経済の中心地・上海である。10月24日から30日までの1週間、上海市内の分譲住宅の平均価格は前の週より10・5%も下がったことが専門機関の調査で判明している。

 たとえば上海市浦東地区にある「中海御景煕岸」という名の分譲物件は販売価格を当初の1平方メートルあたり2・2万元からいきなり1・6万元に値下げした。嘉定区の「龍湖麗城」、閔行区の「星河湾」「長泰別荘」などの分譲物件もそれぞれ、20%から40%ほどの値下げを実施したと報じられている。

 そのうちの「龍湖麗城」は販売の途中で価格を約3分の1も下げたことから、値下げ前に購入した人々が販売センターに押し寄せて打ち壊しの大騒ぎを起こしたことが話題となった。

 このようにして、10月の1カ月間、中国メディアがいう「飛込式」の不動産価格の急落が全国で見られた。それは単なる序曲にすぎない。10月3日、国営の新華通信社が関連記事を配信して「全国の不動産価格は年内に大暴落の可能性もある」との予測を行ったのに続いて、済南大学経済学院副院長の張偉教授が最近、不動産価格は今後「40%以上も暴落するだろう」との不気味な予言を口にした。

 そして10月18日、中国銀行監査委員会の劉明康主席が「全国の不動産価格が40%落ちたとしても、銀行はそれに耐えることができる」と放言したため、「不動産価格40%暴落説」はいよいよ真実味を帯びてきたのである。

 暴落をもたらした最大の原因はやはり、中国政府がインフレ抑制のために実施してきた金融引き締め政策である。中国人民銀行は10月28日、銀行の不動産業者や住宅購入者向け融資が1~9月には前年同期比43%も減少したと発表したが、まさにその結果として、不動産への投機資金が急速に枯渇して価格の暴落が起きる事態となった。

 今年3月3日掲載の本欄は「史上最大の不動産バブルが膨らんできている中、本格的な金融引き締め政策の実施は、いや応なくバブルの崩壊を引き起こすに違いない」との予測を行ったが、8カ月後の今、状況はまさにこの「石平予言」の通りとなっている。

 そして今後においてもインフレの傾向が続くだろうから、政府としては今までの金融引き締め策をおおむね堅持していくしかない。

 そうすると、不動産価格の暴落はもはや誰も止められない。世界経済史上最大の崩壊劇は今、われわれの目の前で演じられているのである。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111110/chn11111008160002-n1.htm
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