Ed's Slow Life

人生終盤のゆっくり生活をあれやこれやを書き連ねていきます。

トイレのないマンション

2011年05月16日 | Weblog

                         

15日のTBSサンデーモーニングの原発に関する話題で、原子力利用の大きな危険性の一つが「トイレのないマンション」という比喩で素人に分かり易かった。現在の技術では、原子炉で核燃料を爆発させ、その熱を利用してタービンを回し発電するところまでは、略安全に管理できるようになった。しかし核燃料を使い終わったあとに生成される大量の放射性廃棄物を安全に処理する方法が未だ何処の国においても確立されていないのだそうである。

低レベルの廃棄物はセメントで固めて浅い地中に、また高レベル廃棄物(主に使用済み核燃料)はガラス固化して300m以上の深い地中に埋めるというのが現在提案されている方法だそうである。しかし高レベル廃棄物は(核分裂で生じる)毒性が極めて強い核物質を多量に含み、且つ半減期が非常に長い(~数万年)のが特徴で、原発を稼動している国でもまだ(フィンランド以外)実際に処理施設を持っている国はない!その理由は本当に安全に処理する方法が分からないからである。日本の場合は、条件の一つである「地震や火山噴火などの可能性がない安全な場所」が、そもそも存在しない。
更に、高レベル廃棄物は発熱量が高いため、深地中処理ができるような安定した温度になるまでガラス固化してから100年以上どこかで保管しておかねばならない。

云ってみれば、危険な廃棄物を処理する方法が分からないまま見切り発車してしまったのが現在の日本の原発であり、入り口はあって住むことは出来ても、食べた後の排泄物を処理する設備(トイレ)がない住まい(マンション)というわけである。

更に現在、TVなどでは殆んど報道されていないが、福島原発よりもっとはるかに危険なことが北陸の高速増殖炉「もんじゅ」で起きているらしい。核燃料(プルトニウム)を燃やすと更にプルトニウム(核燃料)が生成される「夢の原子炉」といううたい文句で北陸に登場した「もんじゅ」だが、その実体は危険極まりない原子炉だった。福島など他の原子炉は軽水炉型といって冷却に水を使う。これに対してもんじゅでは冷却に液体ナトリウムが使われている。
液体ナトリウムは空気に触れると燃え、水と接触すると爆発するという極めて扱い辛い材料で、10年前このナトリウムが漏れ出す事故で運転が中止された。去年対策を済ませてようやく運転再開にこぎつけたところ、今度は燃料棒の脱着装置が壊れてニッチもサッチも行かなくなってしまったという。このままだと原子炉を止めることも出来ず、発電できないまま年間500億円もかけて今後30年間維持装置を働かせ続けなければならない。

オマケに、もんじゅが設置されている場所は活断層の真上で、もし大地震が起きたら複雑で繊細な構造の高速増殖炉は壊れ易く、もし爆発を起こした場合は福島原発の比ではない甚大な放射能被害が発生すると考えられている。

私にはどう考えても、現時点では原子力発電というのは危険極まりない未完成の技術としか思えない。

                       



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2 コメント

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もんじゅ (MOMO)
2011-05-17 21:50:51
責任者が自殺したとか、落下した燃料取り出し装置の引き上げに20数回失敗したとか…
一応密閉した中で回収が可能な様な追加装置を
検討しているようですが上手くいくのかどうななのか…
福井って日本列島の真ん中辺り、西は大丈夫なんて言ってられませんねぇ~

ところで「ももちゃん」はその後如何ですか?
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内部破損 (Ed)
2011-05-18 09:45:01
炉内の燃料棒取り出し装置の一部が重量物落下によって大きく変形してしまったので、何回トライしても取り出せないようです。

責任を感じて自殺してしまった方はお気の毒です。いい加減な日本の原子力政策の犠牲者だとおもいます。


我が家のネコは未だ病気が治らず自分で食べないで、相変わらずペースト食を無理やり押し込んでいる状態です。
3軒目の医者につれて行きたいのですが、時間がとれなくて・・・><!
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