Ed's Slow Life

人生終盤のゆっくり生活をあれやこれやを書き連ねていきます。

透視術

2011年08月24日 | Weblog

                        

品質管理に携わっていると、毎日検査業務を行っている人の透視能力には時々ビックリさせられる。他とのほんの僅かな違いから内部に組み込まれている部品の加工不良を見付け出したりする!

先日、スピードメーター・ギアという部品の組み込み位置が通常のものより僅かに(2mmほど)低いことに気付いた検査員のKさんが呼びに来た。現品を見てみると確かに他のものより沈み込みがやや多い。ギアとギアを押さえているスリーブという部品を外して他の同じ部品と比べてみたが異常は見当たらない。並べて置いてある隣りの正常なユニットとギアとスリーブを入れ替えてみた。結果は同じで異常なユニットの方は相変わらずギアの沈み込みが大きい。

念のため回転を調べたが、スムーズに回るし回転比も合っているところみると中のドライブ・ギアも誤品ということは考えられない。製造した工場に状況を説明して、どういう原因が考えられるか訊ねてみた。するとスピードメーター・ギアを収納しているリア・ベアリング・カバーという部品の加工不良かもしれないとの返事があり、指定部位の寸法を測ったらやはりオーバー・サイズになっていた。

結局リア・ベアリング・カバーを交換することになったわけだけれど、Kさんが僅か2mm程度の違いに気付いてくれたお陰で、表には出てこない内部部品の加工不良が検出できたわけである。改めて人間の能力の素晴らしさに驚いてしまった。

                         



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