Ed's Slow Life

人生終盤のゆっくり生活をあれやこれやを書き連ねていきます。

大仏次郎

2013年11月22日 | Weblog

                  

これまで大仏次郎の本を読んだことはない。名前だけは有名だったからシッカリ
覚えているのに、この人の作品は何一つ覚えがない。^^!


先日、図書館でエッセイ・随筆の棚に大仏次郎の「終戦日記」を見付け、迷わず
借りた。というのも、このところ戦前の忌まわしい時代へ逆戻りさせようとするか
のような、政治の動きがやたら多くなったので、改めて戦争というものがいかに
愚かしいものであるか認識しておこうと思ったからである。

「敗戦」でなくて「終戦」という言葉を使ったことに少々不満だったのだけれど、元
の題名は「敗戦日記」だったものを、単行本発行にかこつけて防衛大学の教授・
福島某という人によって改題されてしまったらしい。

それは兎も角、昭和19年9月から敗戦に至る20年の10月までの1年間の日記
と手紙の一部で、当時の生活の克明な記録が残されている。作者は一般の人た
ちに比べれば遥かに恵まれた生活だったし、住いが鎌倉という郊外の小さい古
都だったという幸運も重なって、幾分悲惨さが薄れてしまってはいるけれど、それ
でも当時の世情と不便さ、理不尽さは十分伝わってくる。

Edは、もの心のついた4才が敗戦の年だったから、物資が極端に乏しかった戦
後の困窮生活しか記憶にないけれど、こういう本を読むと当時の大人たちが、ど
れほど大変な苦労をさせられて生きたか、よく分る。今の若い人達にも知っても
らいたいものだが、無理だろうなあ・・・

                                     

本は読まなかったけれど、子供の頃映画館などなかった当時、夜校庭や広場に
スクリーンを張っただけの”野外劇場”で、入場料10円とか20円で映画会が開
かれ、上映していた映画は「鞍馬天狗」だった。

原作が誰かなどということとは全く無関係に、嵐勘十郎の鞍馬天狗が新撰組の
乱暴、狼藉を小気味よくやっつけるシーンに拍手喝采していたのであるが、まさ
か原作が大仏次郎だったとは、恥ずかしながら今日まで知らなかった。^^!