テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 名建築の、朝の美味 ~

2021-02-21 23:34:57 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きぶんはァ、おはなみィ~♪」
「がるる!ぐるがるるぅる!」(←訳:虎です!桜が咲いちゃう!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日はダウンジャケットもコートも不要!
 ぽかぽかと春めいた日曜日のしめくくりは、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  


 
      ―― たべるたのしみ ――



 著者は甲斐みのりさん、2020年9月に発行されました。
 先日は、甲斐さんの作品を原作とする
 『名建築で昼食を オフィシャルブック』を
 御紹介いたしましたが、
 こちらはエッセイ集ですね。

「おいしいィおはなしィ!」
「.ぐるるるがる!」(←訳:54篇を収録!)

 冒頭の『はじめに』で
 甲斐さんは述べています。

  《私にとって食べることは、
   生きることだ》

 若き日の、
 一心不乱に働き、
 かつ貪欲においしいものを求めて
 食事をしていた自分。

 それが現在、
 朝食・昼食・夕食・おやつの時間を軸に
 一日の予定を組み、
 全体のバランス・素材・量を
 考えるようになってから、
 心の靄(もや)が晴れ、
 記憶の純度が高くなり、
 穏やかに日々を過ごせるようになった――と。

「わわゥ! それはァ~すごいィでス!」
「がるるる!」(←訳:記憶力が!)

 幼い頃の思い出の箱を
 覗き込むかのような
 《おやつの記憶》。

 美味しいものに出会う喜びがあふれる
 《たべるたのしみ》。

 “土地の恵み”を堪能する
 《おいしい予感》。

 東京の“食”を書き留める
 《旅のかけら》。

 人と人とを結ぶ
 《甘い架け橋》。

 と、5つに分けられた“たべるたのしみ”の中で、
 私ネーさがイチ推ししたいのは、
 本文118ページの、

 『ホテルオークラ東京で朝食を』。

「おでかけェでスねッ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:ホテルでお食事!)

 欧州の古都と違って、
 東京の街並みがくるくる変わるのは
 よくあること。

 ですが、
 ホテルオークラ東京の
 本館建て替えが決まったと聞いて、
 甲斐さんは喪失感に襲われたのでした。

 創業したのは1962年、
 建築家・谷口吉郎(たにぐち・よしろう)さんを中心に、
 当時最高の建築・工芸技術を集結し、
 作り上げられた名建築が
 失くなってしまう……

 オークラ名物の、
 切子玉型の照明『オークラ・ランターン』とも、
 もうお別れなのか……

 そして、もうひとつのオークラ名物、
 メインダイニング・オーキッドルームでいただく
 フレンチトーストも……。

「しかたないィ、のかなァ~…」
「がるるる~…」(←訳:寂しいね~…)

 年ごと、月ごと、日ごとに、
 変わってゆく東京の街。

 《食》を足掛かりに、
 記憶の中の味を、
 東京の街々を、
 日本の各地を、
 人びとを、
 優しく描き出すエッセイ集は、
 建築好きさんにも
 食いしん坊さんにもおすすめです。
 ぜひ一読してみてくださいね♪
 
 

 
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